役目と書くべきところを、あえて勤めとして、思い入れを表したくなる樹なのである。
出すぎたところをことごとく抑えられ、戒められて形を保つ。
そのようにされてきたけれど、この街路樹は年を経て太りすぎた。
昨今の自然災害多発の煽りで、倒れてしまうのも、そう遠くないと思われる。
それともそうなる前に市が大きい順に切り倒し、細い若木に交換していくことになるのかもしれない。
田舎の自然の中で育った人間の目から見れば、こんなに登りやすい樹はない。
街の子は木登りなんぞは、させてもらえないのか、登って遊んでいるような姿は見たことがない。