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日野岳を醍醐山方面へと下って行くと、途中で急に眺望が開ける岩場があって、通称パノラマ岩。
日野の町内からも肉眼で見える岩なのだが、誰の仕業なのか白いペンキが塗られていて、なおのこと目立つ。
春霞がかった景色なので確かめなかったけれど、大阪神戸方面のいろんな建物や山が見える。
そこからもう少し降りると、ユーレイ峠があり、右に行くと奥炭山、左は醍醐、突っ切って行けば醍醐山に登れる。
誰がユーレイ峠と言い出したのか、先のパノラマ岩もそうだが小さな標識看板とともに野外活動センターの都合かもしれない。
もうひたすら近道をしながら下って帰りたいから左に行く。
この道は牛馬の道と言われていて、荷車だって通れたはずのゆるい勾配のそれなりに広い道。
途中の倒木に目を引く模様のサルノコシカケが生えていた。
木にくっついて年輪そのものを刻み、1年ごとを表している模様なのかもしれない。
大小10個近くあったのがみな同じ模様だったから、一個を剥ぎ取って持ち帰る。
堅くてカラカラに乾いているから、ポケットに入れても負担にならない。
醍醐まで行かずに途中で左に折れて、ぽんちゃん池を目指す予定が、とんでもなく倒木が多くて道も崩れていて牛馬は無理な道になっており、ぽんちゃん池に行く道も大木が折り重なって倒れていて無理。
仕方ないから醍醐に向かったが、これが流石に牛馬の道だけあって勾配がゆるく、葉を落とした木々の隙間から見える住宅街がどこまで行っても見下ろす高さのまま。
そのうち、牛馬の道がそれらしさをなくして、もろにけもの道っぽくなったので、分岐にきたところで左折。
降りているから近道だろうと踏んだけれど、見たことのない送電線鉄塔にたどり着いた。
こういう山の中の鉄塔は何の注意書きもなく柵もないから、遠慮なしに真下から撮る。
以前にも他の鉄塔を何回か撮ったのだけれど、又も下から遠慮なく。
変に意味深に書くと閲覧数が増えたりするんである。
初めてのショートカットを行くと、どこかの寺の裏に出て、こっぴどく強風被害に遭った痕跡に出くわす。
廃寺の風情は映画の撮影なんぞに使われていいくらいのものだ。
かたづける前に東映の撮影所なんかに売り込んだらどうだろうなどと思いつつ、ようやく人里に下り立ち帰路についた。
まだまだ行けると足を伸ばしたら、とんだ逍遥となり、稼いだ距離は12.5kmで19800歩の47階。
近々、体調万全に臨まなければならない商用が控えているので、逍遥はしばらくほどほどにすべしと心得る。