小屋を建てるから邪魔になるといったことでもなければ、切株は朽ちるまで放っておけばいい。
それでもなんとなく目障りで、芝刈り機を気持ちよく走らせたいという理由をつけ、やり始めた撤去作業がなんとか完了した。
太い根を切断するときに、チェンソーの刃を何回も石に当てて駄目にした。
この機会に、チェーンソーの操作だけでなく刃研ぎの技も少し上達した。
コロは使わなかったが、テコは十分に活用して掘り上げた。
友人の手助けがあればこそ出来たことだけれど、昔の人なら考えられない、古希を過ぎた男二人の共同力仕事。
掘り上げた切株の運搬は、色々とやってみたが結局のところ、ゴロンゴロンと二人で転がしていくのが一番手っ取り早いということになった。
数メートル動かしては、さぁ今回はここまでという具合に、何回にも分けた作業。
我らの歳になると限界をわきまえるというのか、限界に挑戦して再起不能になるような真似はしない。
最終的に置いたのは竹藪の目立つ場所。
我らの人力遺産として、語り継がれるほどのことはないけれど、聞いてくれる人がいれば、舌滑らかに自慢する。