セセリチョウの仲間は、ふわふわとは飛ばないから蝶としての魅力に欠ける気がする。
ずんぐりした体のくせに、というよりだからこそなのか、動きが素早い。
セセリとはどういう意味かと調べたら、爪楊枝でせせるなどと言うが、せせり(挵)と書くそうだ。
セセリは、せわしなく飛び回っては口吻を突き立てる様子そのものを表して、なかなかのネーミング。
小菊に止まっていた、このセセリは地味な姿だから、おそらくチャバネセセリ。
蝶を捕まえては展翅して標本を作っていた頃、こいつの展翅はしなかった。
蛾みたいにずんぐりしてるし、展翅するほどの魅力ある翅がない。
撮ってみるとなかなかにチャーミングで、目の大きい小生物に共通した愛らしさがある。
なぜか休憩中のようだが、こんなあどけない顔で花から花へとせせり回っている蝶なのだなぁ、などと和歌の現代語訳のような感想になりにけるかも。