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これでも葉っぱに似せて擬態していて、調べてみるとモンキアゲハのようだ。
茶の木にいるのは不自然なのだけれど、近くに置いた植木鉢の柚子の葉をほぼ食い尽くし、茶の木に移動して蛹になるとは、なかなかの処世術。
触るとビクンと動くから、仮死状態でもなんでもなく、しっかり生きている。
まだ意識があるのか、すでに意識があるのか、内部は混沌のスープ状態ではなさそう。
角のように見える部分が触覚になるのだろうし、目のような黒点もわかる。
ちょっと見はミミズクのような形に見えるけれど、ミミズクは木兎と書くから、なるほど木の兎だ。
家人が枝を切って生けているから、来春に羽化の瞬間が見られるかも知れない。
それともいつの間にか部屋の中で蝶々が飛んでいるか。
羽化してみないと、はっきりとはわからない蛹ではあるのだ。
翅が全く傷んでいない完全標本を作るなら、生家から展翅板を持ってきて、などとも思う。
でも、そんな儚くも切なくむごいことを、羽化したての蝶にできるものかどうか。
今から悩んでも仕方ないから、来春までとにかくこちらが生き延びることの方が大事。