


はやく消えるようにと薫炭(もみがらを燻して炭化させたもの)を撒いた畑から見えたきたのは、濃い緑の頭。
白菜の成れの果てには違いなくても葉っぱというより、青汁系のヘドロがかぶさっているように見えた。
根元を切ってから傷んだ葉っぱを剥いていくと、わずかばかりの黄色い芯部分だけが食べられる状態。
紐でばらけないように結んでおいたから雪を被ってもぺしゃんこに開いてしまうことはない筈だった。
今回の冬は異常な降雪で、何もかもが想定外になっていると聞いてはいたが、実際に雪消えとともにそれが目に見えてくる。
重い初雪がドカンと降って根雪になってしまったのが原因で、樹木の枝折ればかりではなく地上のものも痛めつけられた。
出てくる白菜は総て、横座りから押しつぶされような形状になってしまった。
可食部分は4分の1以下といった感じで、食べてみると飛び切り甘いというほどではないが、生でもサクサク食べられる。
他人様(ひとさま)に差し上げられる形ではないけれど、私一人が田舎滞在中に野菜から摂る栄養は確保できた。