
先日一人でやれる程度の大きな庭石をどけた跡に土筆(つくし)があるのを見つけた。
11月の半ばなのに、いくら温暖化が言われているにしてもこれは早すぎ。
石に潰された凹みでも地下茎は延びていくようだけれど、土筆は芽を出しにくいだろう。
地下王国といった格好で蟻の迷路の一部が石の下に広がっていることはある。
そのような何かしらの変化があって隙間ができ、地下茎から土筆が出てしまったは良いけれど、成長できないままとどまっていたということだろうか。
もしかしたら、私がどの石を運ぼうかと物色して揺らしたりずらしたりした結果、長い雌伏を解かれて芽を出したのか。
まだ晩秋だけれど、これから冬となり雪が降り積もり、フリーズの数ヶ月を過ぎてから、雪解けしてようやく春の陽の目を見ることになる。
土筆の葉っぱの役目は杉菜(すぎな)だけれど、こいつは蔓延るとどうにもならないほど根深い。
春には土筆を必ず卵とじにして食べると言う人がいるけれど、他に春の山菜がいくらでも生えるこちらでは食べることなどほぼ無い。
子どものころに、摘んできた大量の土筆を姉たちと一緒に袴取りした記憶はある。
遊びの延長で競争するよう子供らに袴を取らせることができたら調理してみるか、という母親の作戦だったのだろうと思われる。