和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

つなみ紙芝居。

2013-01-29 | 短文紹介
注文してあった
田畑ヨシ著「つなみ」(産経新聞出版)が届く。
田畑ヨシさんは1925(大正14)年1月生まれ。
1933(昭和8)年の三陸大津波を田老町で被災しておられました。
その体験をもとに、ご自身で絵を描いて、
地域の小中学校などで紙芝居「つなみ」を読み聞かせていらっしゃったのでした。
それが絵本として一冊(平成23年7月第1刷発行)になっておりました。
そこに、一度避難して、また家にもどる場面が
かたられております。
貴重な体験なので、
そこを引用しておきます。

「三月三日のおひなまつりの夜でした。
よっちゃんがおばあさんとねていると
ガタガタと大きな地震がゆれました。
よっちゃんはとびおきて、おばあさんと
はだしのまま赤沼山の下まで走っていって
ぶるぶるふるえていると
お母さんが妹をおぶって
『おばあさん、よしこー』と大きな声でよぶ声がして
『電気もついたし家にかえっておいで』と
むかえにきたので、おうちにかえった・・・・
・ ・・・・・・
よっちゃんがこわくてぶるぶるふるえていると
おばあさんが『寒いならこの袖なしでも着て』といって
長い毛皮の袖なしを着せてくれました。
おじいさんは『津波がくるかもしれないから
にげるじゅんびをするように』といって
お父さんはたい松をたばねておき
わらぞうりをみんなのぶん、げんかんにそろえて
大切なものをカバンに入れて
持ってにげるばかりに、じゅんびをしておりました。
・ ・・・・・・ 
すると、まもなくまた地震がゆれ
お父さんが『津波だ、にげろ』と大きな声でさけびました。
海の方からドーンと大きな音がしました。
よっちゃんは、むちゅうになって
げんかんのぞうりをつかんで、はだしのまま走ったが
長い袖なしが足にからまって、
なんかいもなんかいもころびながら
赤沼山ににげました。・・・・」

私の気になった箇所だけを引用しました。
機会があれば、全文読むことをおすすめしたいと思います。
最後に10ページほどの解説がついております。
コメント
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