和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

各町村の報告を。

2013-11-11 | 地震
「安房震災誌」の総説(p5~6)に

「終りに一言付記しておきたいことは、
本編各章に掲ぐる編纂の資料は、
各町村の被害状況を、
郡長から、各町村長に嘱託して・・・・
出来得る限り各町村の報告を尊重して、
その趣旨はひとつも変更したところはない。
したがって地震そのものの大小よりも、
地震を感受したその土地の人々の主観が、
報告書中に幾分反射されているところが
全くないでもなかったが・・・
却って当時各地方人のその感受さを、
そのまま表現したものとも見られ、
且つ後日の参考ともなることであろう。」

この編集方針のために、最初は、
読みづらくはあるのですが、
いざ、腰を据えて読み始めると、
これがかえって、「後日の参考」として、
現在のわれわれへと、
手渡された松明(たいまつ)なのだと、
そんなふうに、読み取れるのでした。

序文を依頼された山下謙一氏の文のなかに、

「文章亦精錬当時の光景紙背に徹し同情の念
湧出読了に堪えぬものがある。・・・」

と、あります。
当時の同時代にあっては、
直接の当事者でなくとも、
「同情の念湧出」として伝わります。
東日本大震災ののちに、「安房震災誌」を読む価値が、
まさに、ここにあるのだと思えてくるのでした。
コメント
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