和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

谷内六郎と読売歌壇。

2018-12-14 | 道しるべ
はい。本を読んでいないと、
あれこれ、言葉が浮んだり、
結びついたりします(笑)。

この前、古本で
「没後25年谷内六郎の軌跡」展図録
(編集は財団法人NHKサービスセンター
と、財団法人そごう美術館)を購入しました。

その時に、古本屋で段ボールのミカン箱に
本をまとめていれ、その空いたスキマに、
紙を丸めて、ところどころに、詰め込んで
本が動かないようにしてくださっておりました。

その丸めた紙に新聞紙が混じっておりました。
ひろげてみると、読売新聞。ありがたい。
11月19日の読売歌壇がありました。
この頃の私は、産経新聞だけとっているので、
久しぶりの読売歌壇とのご対面。
シワクチャの新聞紙をのばしながら、
読み始めました(笑)。

さてっと、本題。
歌壇の栗木京子選に

 天井の木目のおばけをこわがりて
     一人寝ていた風邪引きの床
       (下野市 原信子)


この歌が、五首目に載っておりました。
そうそう。谷内六郎の絵に「天上の記憶」がありました。
子供が布団に寝ています。上の方に、子供の目線で
天井が描かれています。その木目がゾウや鳥や
ゆがんだお化けなどがいろいろと描かれいます。
その脇には、天井から吊るされた電球の傘があったりします。

ああ、そうなんだ。
特に、読売歌壇の栗木京子選と俵万智選の短歌を
読むと、まるで、谷内六郎の絵を言葉で表現しているように
そのように、読めてきました。

ということで、栗木京子選から引用

 一面のひまはり畑を布地裁つ鋏のやうにゆくトラクター
      帯広市 荒木八洲男

 しあわせははと麦茶色きみ帰り今日の出来事聞いてる夕べ
      越谷市 滝岡めい

 遠き世の花かと思う烏瓜あやしきまでに月影さそう
      所沢市 鈴木照興

 乳液の少なくなればその瓶を逆さにしたりこのはかなごと
      深谷市 青木三千代

 鳴いている虫もまばらに宵寒し網戸のやぶれ繕わぬまま
      埼玉県 正木克美

はい。ある種の短歌は、谷内六郎の絵を見てるような
気分にさせてくれるのでした。

俵万智選からも引用

 ふり向けばまたねまたねとコスモスを
          揺らして風が手を振る川辺
     平塚市 小林真希子

 あの人の雲の色したセーターが雨雲となり私を濡らす
     燕市 田巻由美子



うん。古本と古新聞で、谷内六郎が浮びあがってきました。

よし。これで谷内六郎の絵が読めるぞ。
これも古本屋のミカン箱の御利益(笑)。
     
コメント
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