和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

墨書の 犀星俳句の 夜寒かな。

2018-12-25 | 詩歌
12月に買った古本の中に、
定本犀星句集「遠野集」(五月書房・昭和34年)。

函入で、室生犀星の墨書き俳句が
1ページに1~2句。ゆったりと並ぶ贅沢。
うん。古本じゃなければ買いません(笑)。

さてっと序も犀星本人が書いており、
その序の最後を引用。

「本集の墨書原稿は昭和12年の冬に、
信州軽井沢の宿でこつこつ書いた物で、
その当時から墨書きの書物を思ひ立つてゐたが、
機会がなく今日に至ったものである。
          昭和34年仲春 著者 」



 正月を 前に墨書の 俳句かな


はい。これは私が今思いついた俳句(笑)。
うん。ちょっと俳句でもって挨拶したくなる。
そんな、一冊。
そこから、数句引用。
それも、冬に限りましょう。

  木枯

 木枯や別れてもなほ振り返る


 しぐれ

 金沢のしぐれをおもふ火鉢かな

 
 寒さ

 松風の奥に寺ある寒さかな


 冬すみれ

 石垣のあひまに冬のすみれかな
         金沢、犀川


ちなみに、古典かな。くずし字のかな。
も少しあるのですが、
能のくずし字の「の」
可のくずし字の「か」
それくらいですので、素人にも読みやすく、
つたない字も、理解へと引き寄せられます。

うん。
   俳諧に 触れし味する 墨書かな。


コメント
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