和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

千歳と万歳。

2019-10-27 | 道しるべ
ユーチューブで、安倍総理が新天皇陛下を祝い、
万歳三唱をする映像をみておりました。

「千代に八千代に」の言葉はラグビー選手が
歌う姿とともに、思い浮かぶのでした。

日本に生まれ。平和に暮らせる私の、
めぐまれている、めでたさを、万歳三唱に重ねあわせます。

「千歳」を簡単な辞書でひくと、読みは、
「センザイ・ちとせ」とある。意味は、
「千年、千載。遠い年月。・・」とある。

それでは、「千載一遇(センザイイチグウ)」の意味は、
というと、「千年の間に一回しか会えない、めったに
めぐり会えないよい機会。」とあります。

安倍首相の万歳三唱を、見て、その次の日に、
千載一遇という言葉を思い浮かべました。

首相夫婦主催の晩餐会も
ユーチューブで拝見しました。
そこで演じられた、古典芸能はステキでした。

そういえばと、能の本をとりだす。
私がひらいた本は、最初に、
「翁(おきな)」の解説が写真入りでありました。
そこを引用させていただきます。

「天下泰平、国歌安穏を祝う神歌で、
一般の能のように劇的な筋は一切ない。
朗々と謡い晴れやかに舞う。
神にささげる神聖な儀式だ。」

解説で気になった箇所を引用します。

「面箱が『面箱さばき』して翁の前に置き、
翁は舞台の上で面をつける。この面は白式尉(はくしきじょう)で
ご神体そのもの。この面をつけた瞬間から
翁は神となる。
   ・・・・
笛のヒシギ(高く激しい音)で小鼓が打ち出し
翁が『とうとうたらりたらりら』と謡い初める。

のびやかに、たからかに。千歳の若々しく華やかな舞い。
翁は面をつけて謡い出して立つ。
天下泰平、国家安穏を祈念する『翁の舞』ーー。
天地人の三拍子を踏む。

舞い上げて翁は
『千秋万歳の祝いの舞なれば一舞舞おう万歳楽』
と謡い扇をたたみ、白式尉の面をはずして、
再び拝礼して橋懸から幕に入る。
いわゆる翁還(おきなかえり)ーー。
人間に戻ったのだ。
 ・・・・」

ひきつづいて解説では、この能の歴史を
とりあげておられました。

「 この曲には特定の場所設定はない。
しかし、日本能楽史上、京都市東山区、
新(いま)熊野での室町幕府三代将軍足利義満の
大和猿楽能観覧は特筆される。応安7年(1374)
義満はこれまで田楽しか観覧しなかったが、
猿楽見物のためこの地にやってきた。

最初の番組は『翁』--。
シテは父・観阿弥が舞い、後に能の大成者となる
息子・世阿弥が『千歳』を舞ったのではと想像される。
世阿弥は当時、12歳といわれ、大変な美少年。
以後将軍の寵愛を一身に受け、四年後の夏、
祇園会(祭)の鉾を四条東洞院の桟敷で
将軍と同席で観覧した(後愚昧記)。

将軍との歴史的出会い、将軍の死、
六代将軍義教による佐渡への島流し。
世阿弥は過酷な政治と流行の浮き沈みを経験する。
 ・・・・・」
コメント
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