ネット古書店から、
京都関係の安い本を注文している私です(笑)。
そうすると、
能と歌舞伎と文楽と伝統芸能があるけれど、
京都には、さらに、壬生狂言がある。
うん。うん。
グレゴリ青山著「京都『トカイナカ』暮らし」(集英社)。
これはマンガでした。
その「グ印京都ガイド」に、壬生寺が出てきます。
言葉を引用。
「壬生寺
新選組と壬生狂言で有名なお寺。
私は壬生狂言の観客席の下の
保育園に通っていて、狂言の日は
教室に«ガンデンデン»という
お囃子がよく聞こえてきたものでした。」(p10)
その言葉の下に、
壬生寺近辺の地図をグ印(グレゴリ青山)さんが描いています。
四条通・綾小路通・仏光寺通・高辻通・松原通・五条通と
通り名もちゃんとあり、阪急大宮駅そばには
餃子の王将第1号店も記載がある(笑)。
保育園の園児が
「あ、今日キョーゲンや」といえば
保母さんが
「今日は上からほうらくが落ちてくるし
外出したらアカンで」と
これも絵入りで紹介。
隣りのページには、
幸福堂の「金つば」とか
割烹料理「しんざん」
「サクラカンパニー」と
電話番号入りで紹介されております。
さてっと、壬生狂言です。
「梅原猛の京都遍歴・壬生狂言の魅力」(淡交社)
そのはじまりに、梅原猛の31頁ほどの解説があり、
壬生狂言の魅力が伝わってきます。
ということで梅原氏の文は、こうはじまります。
「京都に壬生寺(みぶでら)という寺があり、
そこに壬生狂言が伝えられていることは、
もちろん知ってはいたが、壬生寺について
さしたる興味を抱かず、壬生狂言も昨年の秋、
初めて観るまで全く観たことはなかったのである。
京都に住んで五十年、誠に怠惰なことといわねばならない。
・・・・日本の文化に関心を持ち、日本の歴史や宗教や
芸術について書物をいくらか書いている私にとっては
怠慢の謗(そしり)を免れ得ない。」(p22)
うん。本文が魅力なのですが、
引用していると、引用ばかりになる(笑)。
それで、梅原猛氏の文の最後を引用することに
「このような古い伝統を持つ劇が、
今日まで京都の町の人によって保存されてきたことは、
奇蹟といってもよいような気がする。」(p52)
そのあとに民俗学の西川照子さんによる
「壬生狂言三十曲 その発生と発展」が続きます。
写真は井上隆雄。
淡交社のこの本は、平成9年3月初版発行とあります。