和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

北京大河ドラマ(武漢篇)。

2020-04-06 | 産経新聞
新華網が1月22日に掲載した見出しは
『Wuhan virus(武漢ウイルス)』と記されていた。

「記事は、湖北省武漢市で開催予定だった
女子サッカーの五輪予選会場が『武漢ウイルス』
流行のため南京に移されるとの報道だった』

『その後も共産党の機関紙、人民日報系の環境時報が、
複数回にわたってこの俗称を使っていた・・・・

それが、いまになって、中国当局が
『武漢ウイルス』と聞いて怒りのポーズをとるのは、
北京が政策を大転換したからに他ならない。
自己都合の豹変(ひょうへん)は兵家の常である。』

『不都合な真実を隠そうとするのは、全体主義の本性なのだ。
いらだちの矛先はまずメディアに向かった。米3紙の記者追放』


以上は、産経新聞4月3日「湯浅博の世界読解」からです。
湯浅氏による中国の大河ドラマは、ここからの豹変を記載します。

3月にはいってから新華社が4日に
『世界は中国に感謝すべきだ』として、珍妙な論説を流し始めた。
・・・・・・さらに論説は・・・報復として医薬品の対米輸出を禁止し、
【米国をコロナウイルスの荒海に投げ込む】と恫喝した。
さすがに、共産党は脅しの語彙が豊富である。

確かに、米国の医薬品はどっぷりと中国に依存しており、
・・・・中国は抗生物資、鎮痛剤など世界の医薬品有効成分の
40%を生産しており、米国は抗生物資の80%を中国から輸入している。

論説は結論として、中国が世界に
ウイルスと闘うための貴重な時間を与えたのだから、
【米国は中国に謝罪し、世界は中国に感謝する必要がある】
と倒錯した論理を用いる。・・・
詫びるどころか恩に着せる。』

北京の大河ドラマ。その物語はここから展開します。

「物語の最初のページは3月10日、習主席の武漢視察から始まる。
視察が近づく頃から、感染者の発表数が減っていく。・・・

いわば、
第1段階のウイルス【隠蔽の敗者】から
第2段階の【制圧の勝者】への転換工作である。

実はこれより前、ウイルス対応で国内批判を浴びていた
習主席は、中国を【中傷する者たち】を攻撃するよう
当局者に指示していたことが、やがて明らかになる。
その中には、当然、米国も入る。

トランプ米大統領が【中国ウイルス】と言い、
ポンぺオ国務長官が【武漢ウイルス】と呼ぶと、

共産党政治局員の楊潔篪(ようけつち)氏が
【中国に汚名を着せようとしている】と怒り、

外務省の耿爽(こうそう)報道官が
【強烈な怒り】を繰り返す。

趙立堅(ちょうりつけん)報道官が根拠のない
米軍によるウイルス漏洩の陰謀論を吹かしたのも、
この流れの中にある。

これにより、国内の習批判派に対しては
【中国の敵を助ける裏切り者】と退ける構図ができた。

自由主義のような失政の透明化は苦手でも、
全体主義には初動の失敗を偽装する
新しい物語をつくるのはお手のモノだ。」

はい。本文を読んでいただきたいのですが、
産経新聞を購読されている方は、これが読める。
産経新聞を購読されない方は、これが読めない。
せめて読めない方々に、紹介がてら引用しました。
コメント
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