和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

太夫の花車。

2020-09-02 | 京都
古本を買うと、注意しなければいけないのは、
安いと、ついつい、あれもこれもと購入してしまう。

淡交社「写真集成 京都百年パノラマ館」(平成4年)。
これが新刊定価が6800円。古本で700円。
百年前の京都の写真が盛りだくさんの255ページ。
うん。あれもこれもの購入品の一冊。

さてっと、本代じゃなくて、本題に入ります。
山崎正和著「室町記」に

「・・・・下京の町衆たちが帰依する六角堂・頂法寺の
僧侶であった。豪商や振興武士の支持を受けた池坊の生け花は、
宗教的な供花をたちまち人間の眼の娯しみに変えて行った。
いろいろな法要の機会に池坊専慶が花を飾ると、
ひとびとはこれを見るために争って押しかけたという。・・
この頃、多様な生け花が互いに交流していたことが明らかであろう。」
(単行本p62)

ここに、「ひとびとはこれを見るために争って押しかけた」
という雰囲気は、イマイチ、ピントこなかったのでした。
はい。そこで「写真集成京都百年パノラマ館」。
ぱらぱらとひらいていると、「鴨川をどり」の写真のあとに
「島原の太夫道中 島原大門」の写真があるのでした。
道中では、大きな和傘を後ろから、花魁にかざして
道の両脇の人達が見守る中をすすみます。
気になったのは「島原大門」での写真でした。
『太夫と禿(かむろ、遊女に仕えた少女)と花車』と
写真下に解説が一行ありました。
着飾った太夫のすぐまえに花車があり、
太夫の身長の倍くらいの立花が大きく活けてあり、
それを木の車で6人の少女が綱をこれから引いてゆく場面です。
写真で見れば、太夫より、先導する花車の立花が鮮やかです。

うん。思う浮かぶのは、うちらの地元の山車。
地区によりさまざまなのですが、山車をひっぱる前に
金棒さんという小・中学生女子が二人歩く場合があったり、
竹竿に提灯を飾って前を持ち歩く場合だったり、
竹竿に紙の花飾りをひろげて、先頭を歩いていたり、
地区によっていろいろです・・・・。

その道中の写真では、太夫と大きな傘を中央に、
道の両脇を、明治のころですからほぼ和服の人たちが
大勢で見ているのでした。ああこれかもしれないなあ、
「ひとびとはこれを見るために争って押しかけた」場面。

太夫の道中では、残念ながら花車は写っていませんでした。

コメント
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