注文してあった古本が届く。はい。400円。
河合隼雄編「箱庭療法入門」(誠信書房・昭和44年)。
河合氏の序から引用。
「箱庭療法(Sandspiel,sand play technique)は、
もともとヨーロッパにおいて発展させられた心理療法
のひとつの技法である。これは本文にも示すように、
箱庭をつくらせることを主体として心理療法を行うものであるが、
筆者はスイスに留学中、この技法を知ったとき、
『日本人向き』にできていることを直感的に感じたのであった。
言語を主体とせず、感性に訴えて治療を行うことは、
日本人の国民性に合っているのではないだろうか。
そこで、この方法を早速、天理大学の教育相談室、および
京都市カウンセリングセンターにおいて用いてみると、
相当の治療効果を生じることが明らかになった。・・・・・」
序の真ん中も大事なのですが、
ここでは、はぶいて最後の方を引用。
「箱庭療法は心理療法の一技法としてとりあげたものであるが、
『箱庭』という作品による表現であるため、
児童の遊びや表現活動に興味を持つ幼稚園や小学校の先生方、
あるいは絵画や彫刻などに関心のある人、
象徴の問題に関心のある宗教学者なども、
本書に興味を感じられるのではないかと思う。
最後に、このような新しい技法をわが国に導入するにあたり、
京都市教育委員会、カウンセリングセンター、および
天理大学の多くの方々のご理解と支援に頼るところが
大であったことを記して、心からお礼を申し述べたい。
1969年8月 編著者 」
はい。京都のお寺の庭から、はじまって、
この箱庭療法へつながってゆくのでした。
連想からの補助線は、自由なほど楽しい。