goo blog サービス終了のお知らせ 

和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

前書き・目次・後書き。

2021-06-10 | 前書・後書。
鷲尾賢也著「編集とはどのような仕事なのか」に、
「読者が購入するとき」という箇所がありました。

「読者が購入するとき、本のどこを見るのであろうか。
書店で何度も観察したことがある。

目的買いの場合はそれほど中身を見ない。
しかし、衝動買いの場合、読者は
まえがき、あとがき、目次、著者略歴などを読む。

そしてパラパラとめくり、アトランダムに読む。
そこで気にいれば購入する。多くはそこで、
棚や平積み台に戻すのである。

なかなか買ってくれない。目次は購入要因に
かなりの比重を占める。・・・・」(p136)

はい。最近は本屋へ出かける機会がなくなりました。
それはそうと、思い浮かんだのは、
桑原武夫著「人間素描」(筑摩叢書・1976年)。
はじまりに「湖南先生」が登場します。

「先生は大ていの書物は、
まず序文を丹念に読み、それから目次を十分にらんだ上、
本文は指さきで読み、結論を熟読すれば、
それで値打はわかるはずだと漏らされたという・・・」(p10)

はい。読者の『衝動買い』と、内藤湖南先生の本読みと、
『まえがき・目次・あとがき』とが、共通しております。

うん。これはいい指摘で、ありがたい。
けれども、先生は、「丹念・十分にらみ・熟読」の三拍子。
『序文を丹念に読み』『目次を十分にらみ』『結論を熟読』
とあるのでした。うん。身銭を切るときには、
一般読者も、この三拍子につい力がはいります。

それにしても、先生の言うところの
『本文は指さきで読み』というのは、どうなのでしょう。
まるで、辞書をひくのに、指確認でもしている恰好でしょうか。
はい。簡単に答えがでて、理解できるわけでもなさそうですが、
今度、ダメでもともと、恰好だけでも真似してみたくなります。

はい。寝かせ過ぎていた本たちと向合って。
呪文ならば、『眠りの姫よ 起きなさい』。
何となく、わからないながら『指さきで』。
合言葉は、『まえがき、目次、あとがき』。
ということで。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする