和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

おせっかいで心のあたたかな。

2021-06-28 | 詩歌
産経新聞の応援に、ブログで数回書いたら、
思い浮かんだ言葉が『おせっかい』でした。

う~ん。最近読んだ本にもありました。
鷲尾賢也著「編集とはどのような仕事なのか」では
ここらあたりかなあ。

「・・そこにあるのは自分ひとりの世界だ。
読書好きがいないわけではない。しかし、
本のおもしろさを他人に語ろうとしない。

これでは本の力は伝播しないし、拡がらない。
 ・・・・・・

私たち編集者はもっとおせっかいになってもよい
のではないかと思う。おもしろい、読みごたえのある
本を編集することは大前提であるが、その上で、
作った本、かつて手がけた本のよさを世に押し出す
努力が、もっとなされてしかるべきであろう。

おせっかいは押しつけでもあるが、いまの時代には
かえって必要なのではないか。・・・・・・・

読者へのおせっかい、それはいま編集者に求められて
いる態度のような気がする。・・・
そのくらい追い込まれているいのではないか。」(p205~207)

はい。これは編集者にとっての『読者へのおせっかい』
として語られているのですが、
『そのくらい追い込まれているのではないか』というのは、
部数減少に悩む新聞業界全体にも、同様な感じをもちます。

うん。このくらいにして、
『おせっかい』といえば、
私に思い浮かぶのは、お見合い。
はい。最後は、天野忠の詩『しずかな夫婦』の
はじまりの箇所を引用してみます。

    しずかな夫婦    天野忠

 結婚よりも私は『夫婦』が好きだった。
 とくにしずかな夫婦が好きだった。
 結婚をひとまたぎして直ぐ
 しずかな夫婦になれぬものかと思っていた。
 おせっかいで心のあたたかな人がいて
 私に結婚しろといった。
 キモノの裾をパッパッと勇敢に蹴って歩く娘を連れて
 ある日突然やってきた。


はい。4ページほどのちょっと長い詩です。
そのはじまりの箇所を引用してみました。

『おせっかいで心のあたたかな人がいて』とあります。
この頃、ついぞ見かけなくなりました。
コメント (2)
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