注文してあった古本が、昨日届く。
「編集とは何か」(藤原書店・2004年)。
はい。価格143円+送料350円=493円。
その1部は、四人の編集者が個別に語っております。
粕谷一希・寺田博・松居直・鷲尾賢也の4名。
はい。わたしは最後の鷲尾さんの文だけを読む。
寝床でね。短文で、それでもってわかりやすい。
ちなみに、「編集とはどのような仕事なのか」(トランスビュー)と
同じ年の2004年に出版されておりました。
はい。「編集とはどのような仕事なのか」の
ダイジェスト版として読めます(笑)。
ということで、1部の鷲尾さんの個所のはじまり
「編集は企画発想だ」という2ページの文から引用
「偏差値の高い人間はどちらかというと、問題を解く能力に秀でている。
編集者は問題を解けなくてもよい。問題を発見したり、作ったりする
センスの方が重要だ。あるいは問題を解かなくても、どこに問題があるか、
気づくタイプが編集者なのである。」(p85)
はい。『問題を解けなくてもよい』という指摘は、
今日の青空のように、つい上を向きたくなります。
せっかくなので、このページをもうちょっと引用。
「思いつきはかならずメモしておこう。
そういうノートはかならずいつか、どこかで役に立つ。
ちょっとしたことが、あとで金の卵を産むことがあるからだ。
時代が変わると、以前、箸にも棒にもかからなかった
アイディアが息を吹き返すことも少なくない。」
はい。『息を吹き返す』年齢は必要条件ですね。
年を取れば取るほど吹き返す可能性はたかい(何の話?)。
はい。有難いことに、当ブログがメモがわりとなります。
「企画発想は頭の体操のようなところがある。
訓練をおこたると、急にはなかなか出てこないものだ。
夢すら描けない人は編集者には向いていない。
実現は先のはなしだと思ってもいい。ともかく、
たくさん『妄想』することが必要である。その中から
かならず素晴らしいプランが出てくるはずである。
机上のプランをバカにしてはいけない。
妄想が実現すれば立派な企画なのである。」
はい。これがp85の全文となります。
『編集とはどのような仕事なのか』は、大学での
15回にわたる出版編集論の講義をまとめた一冊でした。
それに対して、こちらは、4人の名編集長の発言の中で、
それなり分りやすい旗幟鮮明さが求められるのでしょう。
ほかの編集者の方の文は未読ですが、引用のこの明解さ、
それだけで、私は満腹。ここまでにします。