和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

徒然草と神道と老荘。

2022-07-10 | 古典
徒然草連続読みは、ガイドさんまかせで終了したことにします。
ところで、何か読み忘れた箇所はなかったかと振り返ることに。

うん。神道と吉田兼好のつながりがボンヤリしてる。
ここは、ガイド・島内裕子さんが『兼好とは誰か』で
語っているのでした。そこを取り出してくることに。

「少年期における兼好の精神形成に重要な役割を果たしたのは、
 やはり神道の家柄に彼が生まれ育ったことであろう。

 兼好は後年出家しているので、ややもすれば
 仏教的な側面に力点が置かれがちであるが、
 
 『徒然草』を読むと、ある特定の思想や宗教や人物の
 決定的な影響というものは考え難い。・・・・

 『徒然草』の基盤が儒教・仏教・老荘思想の融合にあることは、
 すでに江戸時代から言われ続けていることであるが、彼の場合、
 老荘思想の背景に神道があることは今まで等閑視されてきた。

 ところが、当時の神道界の状況を見渡してみると、
 鎌倉仏教の隆盛への対抗上、神道思想の著作が盛んに行われ、
 
 その際に、抽象的な論理展開や表現の基盤として
 老荘思想を援用することが多かった。

 兼好の兄弟である慈遍が著した神道書
 『旧事本紀玄義(くじほんぎげんぎ)』でも、
 『老子』や『荘子』が引用されている。

 『徒然草』で老荘思想が随所に顔を出すのは、
 兼好が大人になってから自分の判断で学んだとも考えられるが、

 神道の家に生育した彼が、少年期から自然と老荘思想に
 親しんでいた知的環境も、見逃してはならない。・・    」

     ( p110~111 『西行と兼好』ウェッジ選書 )


うん。どうやら、『神道の書』というのは、
老荘思想とのむすびつきの中にあるらしい。

グッと、老荘思想が身近に感じられてくる。
これなら、『老子・荘子』が楽しめるかも。
  

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2 コメント

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こんにちは(^^♪ (のり)
2022-07-10 15:46:01
神道思想において抽象的な論理展開や表現の基盤として老荘思想が援用された・・・これまた新たな驚きです。
返信する
はい。 (和田浦海岸)
2022-07-10 17:13:51
こんにちは。のりさん。
こちらへもコメントありがとうございます。

うん。何だか身近に老荘思想を、
読めそうな、そんな気がします。
またひとつ増える、読む楽しみ。
返信する

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