和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

客車の窓は、水族館の窓になる

2023-07-03 | 絵・言葉
紀野一義「賢治の神秘」(佼成出版社)のなかで、
紀野氏が、テレビアニメ「銀河鉄道999」を紹介しておりました。

それが、気になるので、
杉井ギサブロー監督・細野晴臣音楽のアニメ映画『銀河鉄道の夜』の
劇場公開日を見ると、1985年7月13日とあります。
紀野一義著「賢治の神秘」は1985年7月2日に第一刷発行。

つまりタッチの差で、紀野一義氏は、この本の文を書いた時には
まだアニメ映画『銀河鉄道の夜』を見ていなかったと分かります。

それはそうと、今の私だったらすぐ思い浮かぶアニメ映画といえば
宮崎駿監督『千と千尋の神隠し』。それも後半の電車の場面でした。

たとえば、宮沢賢治の詩『青森挽歌』のはじまり。

「 こんなやみよののはらのなかをゆくときは
  客車のまどはみんな水族館の窓になる

      ( 乾いたでんしんばしらの列が
        せはしく遷つてゐるらしい
        きしやは銀河系の玲瓏レンズ
        巨きな水素のりんごのなかをかけてゐる )

   りんごのなかをはしつてゐる
   けれどもここはいつたいどこの停車場だ
   枕木を焼いてこさえた柵が立ち
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・    」


はい。アニメ映画のなかの『銀河鉄道』の系譜。
なんてのをつい思い描いてしまいたくなります。



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