和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

童話と行事。

2007-12-24 | Weblog
読売新聞2007年12月22日に隔週土曜日掲載の勝方真一「教育現論」がありました。
題名が「新美南吉に思う現代の年中行事」とあります。
新美南吉の本は読みたいと思いながら、きっかけがつかめないで(つまりいままで読まないでいるということです)おります。いちおう興味はある。それでその記事を読んでみました。

じつは、以前に、巽聖歌著「新美南吉の手紙とその生涯」だったと思うのですが、その本のなかに評論家・古谷綱武の言葉が引用さていたのです(違う本かもしれません)。
その言葉はというと
「童話のなかに、日本人の生活のなかでみがかれてきた話し言葉のその形、くらしのなかでの人のしぐさのその形、心の動きのその形、そうしたものをじっと見つめて、よくあじわう眼と心で、じっくりと書き集めていることだ。南吉童話にあらわれた日本人の生活という研究があってもよいほどである」
という言葉があったのでした。それが気になっております。
ですから、今そういう本が出ているのかどうか、門外漢ですが、いまだに気になるテーマです。さて勝方さんの記事はこうはじまっておりました。

「『ごん狐』などで知られる童話作家の新美南吉(1913~1943)に、年中行事を素材にした作品が多い。例えば『最後の胡弓ひき』だ。南吉の故郷、愛知県半田町(現・半田市)の農村を舞台にしている。村人は旧正月になると、各地で門付けし、胡弓をひいて新春を言祝いでいた。17歳の主人公は門付けで味噌屋の大旦那と出会い、交流を重ねる。だが、門付けはすたれ、最後の聞き手だった大旦那も亡くなる。絶望した主人公は胡弓を手放してします―――。
村と町の子の友情とその終わりを描いた『疣』で重要な役割を果たすのも、秋の取り入れが終ったお祝いに親が作ったあんころもちだ。祭りも大きな舞台になっている。・・・・」

この後、勝方氏は半田市の新美南吉記念館へ行き、学芸員の遠山光嗣さんに聞いたりしております。

そして、後半が印象深い記事でした。
それも引用しておきます。

「もうすぐ、クリスマスに正月。この2大年中行事に現代の家族がどう向き合っているかを調査した『普通の家族がいちばん怖い』(岩村暢子著、新潮社)が興味深い。著者によると、年中行事は今、引き継ぐものではなく、主婦が自分の好みで選び、自由に取り込むものに変わった。その結果、クリスマスは華やかになり、ツリーやイルミネーション、窓の装飾などに力が入れられている。一方、正月行事への熱意は低く、元旦にお節料理をまったく用意しない家庭が増えている。用意しても、好きなものを好きな時間に食べる習慣がついている子供たちは、冷蔵庫から冷凍食品を取り出して勝手に食べてしまったりする。223世帯の主婦に記録写真付きの日記をつけてもらうなどし、インタビューしてまとめた調査だ。・・・」

さて、今度のお正月は、例年になく心して迎えよう。
まあ、そんなことを思うのでした。

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