新書の中で、以前に読んで印象深い言葉がありました。
すっかり、その個所を忘れていたのですが、今回再読。
以下の個所です。
「いつか、大宅壮一が海外の対日感情の調査旅行から帰って、
『世界中の反日感情を調べて回ったが、反日感情のいちばん
強いのは日本だった』と警句を吐いたことがある。
なるほど、東南アジアの対日感情が悪くなった今日でも、
日本の綜合雑誌ほど日本批判を熱心にやっているものは
ほかにはなさそうだ。・・・」
( p141・板坂元著「考える技術・書く技術」1974年 )
今回読み直していたら、
『従軍慰安婦』を最近になって政府が、ただの『慰安婦』と
名称を正したことを思い浮かべました。
韓国が、あれほど日本を叩くのも、じつは
反日感情に溢れた日本人の存在が原点なのだ。
そう思うならば、簡単に解ける問題なのだと、
今回読み直して、あたらしく思いました。
私は、韓国はどうしようもないなあ。と最近は
繰り返し思っておりました。けれども考えを改めます。
日本の反日感情の方が、よほどどうしようもないのだ。
自国の反日がうまくゆかないので、韓国経由の反日で、
溜飲をさげているところの、反日感情のNO1は日本人。
今回引用した言葉を読んで思い浮かんだのは、そんなことでした。
読み直すと、同じ言葉でも、読む方の読み方が変わることもある。
日本人の中にある反日感情の反意語に愛国心があるのでしょう。ナショナリズムが高まるオリンピックに反対してる日本共産党の原点が見えてきたようです。
コメントありがとうございます。
引用した板坂元氏の文章には
つづきがありまして、興味深いので
そのあとから引用してみます。
「けれども、この現象も敗戦による
自信喪失からはじまったわけではなく、
ずっと時代をさかのぼって遣唐使の
ころからの伝統らしい。
外にいつも頭があがあない文化が
あるが故の劣等感、その裏返しになった
悪口であり批判であった。と考えられる。
インテリにその現象がはなはだしいのは、
インテリの方が外に対する劣等感を強く
持っているせいであろう。」(p141)
うん。ここから、別の話にそれてゆき、
そちらも面白くなります。それはそうと、
反日感情の根も思ったより深そうです。