和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

墨染の衣。灰色の袈裟。

2020-02-01 | 京都
京わらべ歌に登場する、
カンカン坊主 カン坊主。
高橋美智子さんが指摘する
この言葉が印象に残ります。

「凍てつく朝・・・坊さんたち・・
寒中托鉢は、厳しい京の冬の街角に、
何よりもぴったり似合う光景だと思います。
黒染めの衣に素足にわらじばき、
真っ赤になった指先・・・」(p24~25・
「四季の京わらべ歌 あんなのかぼちゃ」)

現在、「寒中托鉢」はどうなっているのか?
気になっておりました(笑)。

そこで古本のお世話になります。
「京の祭と行事365日」(淡交社・2018年)。
一年の年間行事を網羅した一冊。
各行事に、写真と解説がつきます。
写真は星野佑佳。淡交社編集局編。

うん。星野さんの写真がいいなあ。紹介文に、
星野祐佳(ほしのゆか)京都市生まれ、とあります。
もうちょっと引用。

「同志社大学法学部卒業。2000年から海外や
日本全国を旅しながら、自然風景などの撮影を始める。
2005年からは地元である京都の風景や祭・風物詩の
撮影も手掛けている。・・・」

さて、この本。一年間の京都の行事が目白押し。
1月からはじまって、一頁に各日の行事を写真入りと
解説で網羅しておりました。
とりあえず、1月のなかにありました。
24日「念仏行脚」西光寺・光明寺。
短い説明を全文引用。

「念仏を唱えれば誰でも往生できると
説いた法然上人に多くの民衆が救い
を求めるも、それに危機感を抱いた
他教団から弾圧を受けた浄土宗。

墨染めの衣と灰色の袈裟で
生涯を過ごした法然上人にならい、
黒衣をまとった僧たちが西光寺から
長岡京市の光明寺までの約15㎞の
道のりを歩く『念仏行脚』は、教えを
守り続けてきた先人たちの艱難辛苦
を心に刻む行事。」(p49)

さてっと、星野さんの写真は
坊さんの姿を写していて、ありがたい。
墨染めの衣と灰色の袈裟はそのまま、
足を見ると、底がゴムでコハゼが多く
かかとの下までありそうな、白足袋を
履いています。そう神輿などの祭足袋
が思い浮かびます。
笠には「仏教大学」の文字。
うん。どうやら大学の学生のようです。
中には、円筒型の小田原ちょうちんを
弓張にして持つ人が二人。
提灯にも、「仏教大学」の文字。
提灯をもたない人は、手をあわせて、
拝む姿で歩いています。
白い手甲が、白足袋とともに鮮やか。

はい。各ページの写真は、それぞれの
京都の一面を見せて語ってくれます。
さりげなく、しかも、豊かな京都です。

ちなみに、
素足にワラジといえば、
曹洞宗の修行を思い浮かべます。
テレビで拝見したことがあります。
こちらは、京都ではなかった(笑)。






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