「日本わらべ歌全集14上」(柳原書店)は、「三重のわらべ歌」。
普段は4ページの、地域新聞をとっております。
わらべ歌の関連で、お手玉の記事が気になりました。
そこには、手作りのお手玉を贈ったとあります。
「 中学生の頃から、趣味で編み物や洋裁などをしている・・・
現在も月に1回・・編み物サークルなどで活動しながら、
手芸をたしなんでいる。
お手玉は、洋服作りの過程で出る端切れを有効利用しようと
作ったもので、『 いろんな人に昔の遊びに親しんでもらえたら 』
という思いから、小学校や福祉施設への寄贈を思いついたという。
今回は、地元の〇〇小学校と孫が通う学校、
地域の老人ホームの3カ所に100個ずつ贈るため、
計300個作った。・・・ 」
( p4 2024年11月13日 房日新聞 )
三重のわらべ歌のなかに、お手玉の説明がありました。
「 お手玉は、手まりと共に女の子の遊びの双璧だが、
そのルーツは『 いしなどり 』(擲石・投石)といって、
数個の小石を撒き、その中の一個を上にあげている間に
撒いた石二、三個をさらえ、落ちて来た石も一緒につかみ取る
遊びであった。
この遊びの歴史は古く、赤染衛門の『 栄花物語 』にも
見えるほか、江戸期には喜多川守貞の『 守貞漫稿 』にも
『 いしなご 』として述べられている。
現在のように布の小裁(こぎれ)を縫って作るようになったのは
室町以降でその呼び名も、関東は『 お手玉 』、
上方は『 おじゃみ 』『 おこんめ 』が一般的だが、
『 石ナンゴ 』(東国)、『 ナナツゴ 』(越前)『 ヲノセ』(伊勢)
などいろいろある。・・・ 」
( p88 「日本わらべ歌全集14上・三重のわらべ歌」 )
せっかく、ひらいたので、引用をつづけます。
子供は風の子 ( 寒気 )
子供は風の子 じじばば火の子
( 繰り返す )
( 亀山市南崎町 )
「 『 子供は風の子』の唱え文句は、
天保2年序にある『 尾張童遊集 』(小寺玉晁著)の
『 幼児口遊(クチスサミ) 』の項にも出ている。
これもまた古い伝承をもっている。 」( p156 )
この本のあとがきは服部勇次氏。この全集について語っております。
「 『日本わらべ歌全集』全27巻39冊の第1回配本は
尾原昭夫氏の『 東京のわらべ歌 』と
高橋美智子氏の『 京都のわらべ歌 』が
昭和54年も押しつまった12月、同時に刊行された。
あれから早くも13年になる。・・・・
当初、全国47都道府県を網羅して伝承わらべ歌を採集調査し、
しかも楽譜もつけるという計画に、果たして全巻無事に
完成できるかどうかと危惧した・・・・
今回刊行される『 三重のわらべ歌 』は第38回目の配本であり、
あと完成まで『 山口のわらべ歌 』一冊になったという。
・・・・・・・・・・・
平成3年11月 服部勇次 」
つづれさせ ( こおろぎ )
つづれさせ つづれさせ
ぼっこさせ ぼっこさせ
( 安芸(あげ)郡芸濃(げいのう)町 )
注: つづれ = 綴れ。ぼろ着物。
ぼっこ = ぼろ着物をいう方言。
「 こおろぎの鳴き声の聞きなしである。
こおろぎが鳴き出すと秋も深まり冬も近い。
綴れを刺して冬支度をする季節になったと
教えているのだという。 」( p168 )