和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

新・文學入門。

2008-08-01 | Weblog
岡崎武志・山本善行著「古本屋めぐりが楽しくなる 新・文學入門」(工作舎)を読んでおります。いや~楽しい。古本屋歩きとは、縁遠い生活をしている私ですが、それでも読むだけで楽しさは伝わってきます。
二人とも大阪出身。高校は大阪府立守口高校で高校一年生の時に同級生。
「二人でもよく行きました。古本屋さんの近くまで行くと、おたがい、いつのまにか走り出すんですよね。二人で行くと。何でなんでしょうね。その癖があって、いまだに大阪の古本屋に行くと、一人でも走り出す」というのが、この本のはじまりでした。

新刊書店と古本屋との比較も丁寧(p10~11・p29)

買った古本はまずどうするか。
「貴重な古本を買った記録、ぼくも付けているんですよ。作業としては買ったあと、ノートに記入する。これも少し『読む』に入ってるよね。」
「やっぱり書くということは必要や。買いっぱなしというのではなくてね。買いっぱなしだと、読まずにどこかに積んで、ざーと川下に流されてしまうんですよ。そこをちょっと書くことでせきとめるというかね。どうせ流れてしまうんだけど。その積み重ねというか、そうすることで頭にちょっと残る。何も書かないよりはね。」
こう岡崎さんが語るとですね。つぎに山本さん
「まずは買うことが大事。買わないと何も始まらない。買えばいずれ読むという可能性があるわけだから。そこに、本のデータを書くことは、読むきっかけということにもなるからね。例えば、東京へ行く新幹線のなかで何を読むかというときに手帳を見て、書き込んである本のなかから、そのときの気持ちにぴったり合うようなものを選んだりする。」
この山本善行さんは、本のソムリエと呼ばれておるようです。
たしかに、読んでいると、私も山本さんの意見がすんなり入ってくるような感じになってくるのです。でも岡崎武志さんが居なければ、きっと山本善行さんを見つけることが叶わなかったろうなあ。とも思ってみるのでした。

p245からはじまる、洲之内徹についての会話が、私は印象深いのでした。
それと、詩について語るのに、詩を朗読しているって感じがいいなあ。
まあ。私は小説音痴なので、小説について語っている箇所が案外とすくなかったのも私の好みにあったのでした。
コメント
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