和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

ギャラップ調査。

2017-06-05 | 産経新聞
髙山正之・馬渕睦夫「洗脳支配の正体」から引用。


髙山】 大統領選挙前のギャラップ調査によれば、
ヒラリーの支持率が48%、トランプの支持は41%
という拮抗した数字でした。
一方、日本で同じギャラップ社が調査すると
ヒラリーが60%、トランプが3%ということで、
アメリカ以上に、大きく偏っていました。

馬渕】 すいぶん違っていますね。

髙山】 ホント。ここまで違ったのは日本の特派員が
米国から送ってくる原稿がもっと偏っていたからということです。
確かに日本の新聞は連日、トランプは問題だという報道しか
してこなかった。報道が偏っているから読者も偏り、
その結果ギャラップ調査の結果もこれだけ
歪んでしまったということでしょう。

馬渕】  ・・・・・・・・メディアこそ大いに
反省しなければならないと思うんです。

髙山】 現状では、ほとんどのメディアが
反省しているとは言えませんね。

馬渕】 正直に申し上げれば、
私は産経新聞にまずその先例を切ってほしいと思っています。
他はだめです。本当にだめです。
なぜなら、世界のグローバル市場化権力と結びついている
ような報道ぶりでしょう。
グローバリズムの利権に乗るような報道姿勢です。
・・・・・・

髙山】 NHKに中国中央電視台が潜入してくるので
問題だと騒いだりしていて、たしかにそれは問題だろうけれど、
それ以上に朝日新聞にニューヨーク・タイムズが入っている
こと自体、本当におかしいと言わなければならないですよ。
ニューヨーク・タイムズは日本の悪口、それも
根拠のない嘘話ばかり書いていますが、・・・・

馬渕】 ・・・朝日新聞のなかに巣喰っているものな何なのでしょうね。

髙山】 おかしいですよね。私は、日本の悪口ばかり書いている
ニューヨーク・タイムズのニコラス・クリストフという記者に
文句を言いに行ったことがあります。言いに行ったら
朝日新聞の7階かなんかにオフィスがある。
彼に付いているスタッフは朝日からの出向者でした。
ビックリでした。(p62~63)

 ・・・・・・・・・

髙山】 朝日新聞はいまだにニューヨーク・タイムズとの
関係性の深さを自慢しているような、その根性がおかしいんですよ。

馬渕】 アメリカのメディアも日本のメディアも、
いまのところ何も反省していませんし、
朝日新聞を含めて肝心のメディアが自立できていないのに、
アメリカからの自立を唱えたりしているのはまったく矛盾した話です。
だから私は、トランプ新大統領の登場を契機に
ジャーナリズムが健全化することを期待しているんですがね。
(p65)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

やはり実名主義。

2017-06-04 | 産経新聞
新刊の髙山正之・馬渕睦夫
「洗脳支配の正体」(ビジネス社)を読む。

対談なのですが、
渡部昇一氏の名前が二回登場しておりました。
そこを引用。

髙山】私がそうやって実名ばかり出すので、
いずれ訴えられるんじゃないかって言われてきたけれども、
政治評論家の屋山太郎さんも実名を入れて書くようになって
いましたね。
実名主義と言うのは渡部昇一先生が始めたことですが、
やはり実名は書かなきゃいけないでしょう。
自分の主張に責任を持つという意味でも・・・。

馬渕】 主義主張が違うのはいいですよ。
でも事実誤認があったり、客観的に見極める能力に欠けていたり、
最初から意図的に情報をねじ曲げたりして、
真実を歪めて伝えるのはきわめてまずいでしょう。
たとえば山崎正和氏が、イギリスのEU離脱もトランプの当選も
露骨に自国一国の利益を優先し、孤立を目指そうとする
勢力の勝利だったと、・・・・書いていましたが、
あれはかつての優れた評論家として鳴らした知識人の
論評とは思えない軽薄な内容でした。
自国の利益を優先しないでどうするのかと思いますし、
孤立を目指そうとする勢力といっても
孤立を目指しているわけじゃなくて、
自国のアイデンティティーを取り戻そうとしているだけであって、
それは孤立することじゃないわけですよ。
(p139)


もう一か所は、ここでした。

馬渕】 ・・・・要するに戦後民主主義について語っている
渡部昇一さん流に言えば、朝日新聞は戦後利得者なんです。
GHQが定めたプレスコードを守ることが彼らの保身
ということですよ。
なぜそうなるかわかりませんが、
朝日なんてアメリカからの自立などと偉そうに
言っているくせに自分がアメリカから自立していない。
(p70)

うん。この対談は一回通読しただけじゃ、
話題の豊富さについていけない。
しっかり、メモをとらないとなあ、そう思いました(笑)。

現代版大本営発表である、恣意的な
マスメディアを信じちゃいけないのだ。
とつくづく考えさせられる一冊。
うん。読んでよかった。わかりやすさがありました。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

夜中に眼が覚める。

2017-06-03 | 本棚並べ
新潮選書の一冊。
山折哲雄著「『ひとり』の哲学」を古本で購入。

その序章とあとがきに代えてとを読む。

その序章にはこうあります。

「その最たる例が、さしあたり自助、共助、公助といった
言葉遣いではないだろうか。・・・・
要するに、助けてくれ、助けてくれ、助けてくれ、
と叫んでいるだけである。
110番通報のかわりに考案されたハイカラな言葉遣いであることが、
一目瞭然である。ガラス細工のような言葉遊びにすぎないから、
われわれの五臓六腑にはほとんどひびかない。
ハイカラな言葉の破片が砕け散ったあとには、
助けてくれ、助けてくれ、助けてくれ、
の他人まかせの悲鳴だけがきこえてくる。
ひとりでいること、ひとりであること、
ひとりで生きることとは無縁な、
腹の足しにはなりそうもない、
流行り廃りの掛け声であると思わないわけにはいかない。」(p10)

「あとがきに代えて」は
まるで、詩のような書き方でした。


「早朝三時に、目覚める。
前夜、九時にはベッドインするから、そうなる。
老人早起き症、ということなのだろう。」

こうはじまっておりました。

本文をぱらりとめくると
こんな箇所。

「法然と一遍をどう位置づけるか。
これは、わが国の『軸の時代』の第一走者と
最終ランナーをどのように設定するか、
という避けて通ることのできない厄介な仕事の
ように思われてきたのである。」(p170)


ちなみに、山折哲雄氏は
宗教学者、評論家。1931(昭和6)年生まれ。

「あとがきに代えて」の最後は
こうしめくくられておりました。

「夜九時を過ぎるころになれば、
ひとり酒も終焉を迎える。
深沈とした夜の闇が、からだの中に溶けこんでくる。
さあ、これから死ぬか、
と掛け声をかけ、そのままベッドにころがりこむ。
      平成28年9月6日  」(p237)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ヒルティはこうも言います。

2017-06-02 | 短文紹介
渡部昇一・中山理「読書こそが人生をひらく」(モラロジー研究所)。
雑誌の渡部昇一追悼文で気になったが、中山理氏でした。
それで中山氏の何冊か注文、その一冊の古本がとどく。

一か所引用。

渡部】 ・・・・ヒルティはこうも言います。
『いろいろな準備をしても、準備だけではいつになっても
うまくいかない。畑を耕すためには、
まず鍬を持って一回打ち下ろさないといけない。
ものを書くにも、最初の一行を書かないとダメだ』と。
それはほんとうですね。
準備ばかりしていたら、いつになっても論文なんか書けません。
やることが次から次へと出てくるのだから。

中山】 私ももののを書くときはそうですね。
最初から完全な作文をしようとすると、
全く筆がすすまないので、とりあえず脳裏に浮かぶことから
書き始めます。そして何度か推敲しているうちに、
新しいアイデアが湧いてきたり、
情報を追加・削除したりしながら、
文章を練り上げていくのです。
もっとも、文章の種類と内容によって、
それを念入りに行う場合と簡単にすませる場合とがありますね。
(p246)


はい。裏の借り地の畑の雑草を取るのが
面倒でも、まずはじめると、腰が痛くても、
何とか気になって、コウブシを
私のことですから、雑にあっちをとり
こっちの雑草をとったりするのでした。
うん。物を書くのもはじまりは同じなのか(笑)。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

グラフィック情報へのこだわり。

2017-06-01 | 絵・言葉
「かにかくに、日本語は、
グラフィックな情報が非常に大きな役割を果たす言語であり、
日本人はこの、文字を『グラフィック情報として味わいながら、
テキスト情報として理解する』という特異な文化を、
千年以上続けてきました。
毛筆・硬筆・ボールペン・ペン字の習字を習ったり、
練習したり、あるいは年齢とともに文字に味が出て来るとか
出ないとか、なににつけても、文字の形、言い換えれば
グラフィック情報に、強いこだわりをもっている
日本人と日本文化。
これはちょっと欧米人には理解しがたいところがあるかもしれません。」
(p184)

林望著「役に立たない読書」(インターナショナル新書)より。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする