春めいた陽気となり気温が上昇し春霞がだいぶ多くなってきた。高気圧におおわれたこの日、日中は雲ひとつない青空が広がった。しかし、甲府盆地から見渡す山並は霞んで見える。しかし、この程度の霞ならばきっとあの彗星は見えるはずだ。夕暮れ時を狙って三ツ峠に登る。
平日のしかも夕暮れ時の午後4時ということだけあって、駐車場に止まっている車はほんの数台だった。林道はアイスバーンになった雪が残り、登り始めてすぐに軽アイゼンを装着する。登りながら4~5人の登山者とすれ違ったが、アイゼン無しで登っている人がいるのにはちょっと驚いた。
まだ雪が残る登山道。アイスバーンになっていて滑る。
振り返ってみる夕暮れの陽。日没にはギリギリ間に合いそうだ。
三ツ峠到着。夕暮れの陽に赤く染まる。
夕暮れギリギリの5時半、三ツ峠裸山に到着する。裾野は霞んでいるが、眼前に富士山が大きくくっきりと見える。山頂に登る前に、山頂下の展望地(カメラマンが良くいる場所)で三脚を構えて日没を待つ。西には御坂山塊越しに南アルプスの山並がずらりと並ぶが、こちらは霞が多い。そして間も無く黒岳の左側、荒川岳あたりに赤い夕陽が沈んで行った。
裸山から見る富士山
南アルプスに沈む夕陽
夕暮れの三つ峠
雲流れる富士
残照富士
夕焼け空の富士 雲が赤く染まるのを期待したがあまり焼けず。
富士山の残照がすっかり消えたところで山頂に移動する。時間は6時10分、そろそろヘッドライトが必要だ。空には美しい三日月が輝く。双眼鏡を取り出し、西の空を探すが西の空は低空に霞が多く黒い雲も出てあの彗星は見えない。おそらく見えてくるのは6時半ごろからだろう。望遠レンズに切り替えて、本日沈んで行くであろう白根三山に照準を合わせて待つ。
夕暮れの三ツ峠山頂
三日月が昇った西の空。低空には黒い雲、しかし、その隙間からきっと出る!
2等星程度の明るさとは言え、肉眼で見るのはかなり難しいパンスターズ彗星だが、カメラで撮影すると少しの霞ならば十分に透過してくる明るさだ。雲の切れ間からきっと出ると信じてシャッターを切っていると・・・突然雲間から尾を引く彗星が姿を現した。やはりこのくらいの霞みと雲ならば十分に写ってくれる。この日は肉眼で見ても双眼鏡で見てもこの彗星は確認できなかった。
雲間から現れたパンスターズ彗星
白根三山を舞うパンスターズ彗星
同上、拡大。農鳥岳に向かってまっしぐら。
農鳥岳に沈むパンスターズ彗星
ズームを最大の300mmにして撮影を試みたが、光量が減るため画像が暗くなり解像度も落ちる。さらにピントが合わず、農鳥岳に沈む直前の画像はいまいちになってしまった。
ついでといってはこの星に失礼だが、きっと三ツ峠からならば見えるだろうと予想していた星、カノープスにレンズを向ける。オリオン座と冬の大三角形が南中した頃に富士山の左裾に見えるはずだ。肉眼では見えなかったが双眼鏡で探すと容易に見つけることができた。
町明かり灯る夕暮れの富士 右裾野にはあの星が輝く。
町明かり輝く富士とカノープス
雲間の月と甲府盆地の明かり
7時20分ごろまで撮影して、さて下山。アイゼン装着していたので土の道よりむしろ雪道の上のほうが歩き易い。ところが、あと10分ほどで駐車場というところで左足のアイゼンがガチャガチャと音を立て始めた。見れば、アイゼンの鎖が見事に切れて外れていた。左足のアイゼンを外し、右足だけで下山することとなったが、駐車場が近かったので難無く下山した。ついでに、翌日別の山に行こうとした時に愛用のストックを駐車場に置き忘れて来たのに気付く。さらに、アイゼンが壊れたのをすっかり忘れて出かけたため山に登れずにあきらめるという失態。ストックは数日後の山帰りに立ち寄ったところ、トイレの外壁に立てかけてあった。傷だらけの年季が入ったストックだけに誰も持って行かなかったようだ。
平日のしかも夕暮れ時の午後4時ということだけあって、駐車場に止まっている車はほんの数台だった。林道はアイスバーンになった雪が残り、登り始めてすぐに軽アイゼンを装着する。登りながら4~5人の登山者とすれ違ったが、アイゼン無しで登っている人がいるのにはちょっと驚いた。
まだ雪が残る登山道。アイスバーンになっていて滑る。
振り返ってみる夕暮れの陽。日没にはギリギリ間に合いそうだ。
三ツ峠到着。夕暮れの陽に赤く染まる。
夕暮れギリギリの5時半、三ツ峠裸山に到着する。裾野は霞んでいるが、眼前に富士山が大きくくっきりと見える。山頂に登る前に、山頂下の展望地(カメラマンが良くいる場所)で三脚を構えて日没を待つ。西には御坂山塊越しに南アルプスの山並がずらりと並ぶが、こちらは霞が多い。そして間も無く黒岳の左側、荒川岳あたりに赤い夕陽が沈んで行った。
裸山から見る富士山
南アルプスに沈む夕陽
夕暮れの三つ峠
雲流れる富士
残照富士
夕焼け空の富士 雲が赤く染まるのを期待したがあまり焼けず。
富士山の残照がすっかり消えたところで山頂に移動する。時間は6時10分、そろそろヘッドライトが必要だ。空には美しい三日月が輝く。双眼鏡を取り出し、西の空を探すが西の空は低空に霞が多く黒い雲も出てあの彗星は見えない。おそらく見えてくるのは6時半ごろからだろう。望遠レンズに切り替えて、本日沈んで行くであろう白根三山に照準を合わせて待つ。
夕暮れの三ツ峠山頂
三日月が昇った西の空。低空には黒い雲、しかし、その隙間からきっと出る!
2等星程度の明るさとは言え、肉眼で見るのはかなり難しいパンスターズ彗星だが、カメラで撮影すると少しの霞ならば十分に透過してくる明るさだ。雲の切れ間からきっと出ると信じてシャッターを切っていると・・・突然雲間から尾を引く彗星が姿を現した。やはりこのくらいの霞みと雲ならば十分に写ってくれる。この日は肉眼で見ても双眼鏡で見てもこの彗星は確認できなかった。
雲間から現れたパンスターズ彗星
白根三山を舞うパンスターズ彗星
同上、拡大。農鳥岳に向かってまっしぐら。
農鳥岳に沈むパンスターズ彗星
ズームを最大の300mmにして撮影を試みたが、光量が減るため画像が暗くなり解像度も落ちる。さらにピントが合わず、農鳥岳に沈む直前の画像はいまいちになってしまった。
ついでといってはこの星に失礼だが、きっと三ツ峠からならば見えるだろうと予想していた星、カノープスにレンズを向ける。オリオン座と冬の大三角形が南中した頃に富士山の左裾に見えるはずだ。肉眼では見えなかったが双眼鏡で探すと容易に見つけることができた。
町明かり灯る夕暮れの富士 右裾野にはあの星が輝く。
町明かり輝く富士とカノープス
雲間の月と甲府盆地の明かり
7時20分ごろまで撮影して、さて下山。アイゼン装着していたので土の道よりむしろ雪道の上のほうが歩き易い。ところが、あと10分ほどで駐車場というところで左足のアイゼンがガチャガチャと音を立て始めた。見れば、アイゼンの鎖が見事に切れて外れていた。左足のアイゼンを外し、右足だけで下山することとなったが、駐車場が近かったので難無く下山した。ついでに、翌日別の山に行こうとした時に愛用のストックを駐車場に置き忘れて来たのに気付く。さらに、アイゼンが壊れたのをすっかり忘れて出かけたため山に登れずにあきらめるという失態。ストックは数日後の山帰りに立ち寄ったところ、トイレの外壁に立てかけてあった。傷だらけの年季が入ったストックだけに誰も持って行かなかったようだ。