山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

富士に沈むパンスターズ彗星、だが・・・ 金時山再び  平成25年3月19日

2013年03月21日 | 圏外編
 この日は長女の引越しのため東京都内で手伝いをしていた。予想では作業を終えるのはお昼を過ぎるであろうと思っていたのだが・・・前日中にかなり荷物の梱包がはかどり、引っ越し業者さんにも恵まれて午前中の11時には引っ越し完了し、管理人さんの部屋点検も終了してしまった。長女は翌日が大学の卒業式で妻が列席するため、本日の宿泊地、東京帝国ホテルまで車で送って行った。そこでの時間は午後1時。これならば・・・十分間に合う、夕暮れの金時山。カーナビをセットして金時神社に向かう。途中で昼食を取りつつも、3時過ぎには金時神社に到着した。平日だけに駐車場は余裕で止めることができた。

 3時半に出発。日没は5時半ごろなので2時間も余裕がある。急ぐ必要など何も無かったのだが、道標には山頂まで75分の表示がある。3日前は足柄峠側の急登を30分のところを45分もかかっている。本当にこちら側は75分で到着できるものなのかどうか、真面目に歩いてみることにした。ルートは人気の山だけあってきわめて良く整備されていた。登山道を逸れて金時神社奥の院に立ち寄ったり、斧で割ったような金時宿り石を覗き込んだりしているとどんどん時間が過ぎて行く。(ちっとも真面目な登山では無い!)時間を気にしながら自分としては早いピッチで登ったつもりだったが・・・山頂到着は4時55分。10分オーバーだった。

    3日前は足柄峠から、今回は反対側の金時神社から登る。


    登山道をちょっと右に逸れたところに金時神社奥の院がある。


    金時宿り石。斧で割ったように真っ二つに割れている。


    整備が行き届いた登山道


    山頂直下だけ少し岩場がある。補助ロープがぶら下がっている。


    山頂到着。時間が時間だけに誰もいない静かな山頂。

 日没が迫る山頂はもう誰もおらず、静かだ。ただ、金時茶屋の中からはテレビかラジオと思われる音が聞こえてくる。山頂で軽食を取っていると金時茶屋の中から「おそいじゃんかー」という怒鳴り声が聞こえた。金時娘さんだ。80歳という高齢で毎日山を上り下りするのは大変なので小屋に泊ることもあるとは伺っていた。写真を撮りに来たということを伝えると、中で休んで行けとお誘いを受けたのだが、日没と彗星が気になってここはお気持ちだけいただき、そのまま外で撮影を続けさせていただいた。

    山頂の看板と富士山


    山頂にある祠


    富士の裾野に陽が沈んで行く。


    御殿場の町に明かりが灯る。

 登り始める前は霞がかかってはいるが雲は巻いていなかった富士山だが、日没前には悪いことに富士山の裏側に雲が出てしまった。そこはちょうど狙っているパンスターズ彗星の通過点にあたる。果たしてこの雲の中、パンスターズ彗星は輝いてくれるのだろうか?撮影条件はかなり悪い。そろそろ彗星が写り出すであろう午後6時25分ごろからズームレンズに変えて富士山頂の左側を狙って撮影する。写っていない。やはりダメか、と思っていたが、6時35分ごろ、雲間から飛び出したパンスターズ彗星を捉えることに成功した。しかし、霞が多くて全く鮮明な画像にはならない。あとは構図を固定して6秒のインターバル撮影に切り替えてひたすら撮り続けた。

    富士山の斜め左上あたりにいるはず。良く見れば・・・


    捉えた、富士を舞うパンスターズ彗星。しかし、小さい。


    富士を舞うパンスターズ彗星  画像をかなり操作してようやくこのくらいの画像。もともとは霞みでかなり白っぽい画像。


    同上、別カット


    富士に沈む直前のパンスターズ彗星。

 それにしてもインターバル撮影した画像の後半があまりにも白っぽいので、もしやと思ってレンズを見ると・・・やってしまった。夕暮れで湿度が上がり、レンズ先端が結露していた。見ればカメラ本体も霧吹きをかけたような状態になっていた。ひとまずは撮影に成功した「富士に沈むパンスターズ彗星」 だが、大手を振って人に見せられるような画像には程遠かった。

 
 これからはどんどん輝度が落ちてさらに捉えにくくなるパンスターズ彗星。まだしばらくの間は楽しめるのだが、良い絵にはならないかもしれない。


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富士に沈むパンスターズ彗星撮影ならず 金時山  平成25年3月17日

2013年03月21日 | 圏外編
 朝から好天となったこの日だが、低空には春霞が出てしまった。気温が上がり過ぎたのだろう。予定ではこの山に行くのは3月20日のはずだった。この日の夕方、追いかけているパンスターズ彗星がちょうど富士山の真上を飛ぶからだ。しかし、天気予報から推察して20日に彗星を撮影できる可能性はきわめて低い。山頂からは外れるが、富士山と彗星を同時に撮影出来るチャンスは本日と19日のみとなる。夕方の空模様が気になるが、まずは御殿場まで行ってみることにする。

 金時神社からの入山を予定していたが、その前に足柄峠に行ってみることにした。金太郎富士見街道なる道を行くと、右手に御殿場の町並み越しの富士山がきれいに見える。途中で写真を撮りながら足柄峠に到着したのは10時40分だった。城跡、関所跡、聖天堂などを見学する。
    金太郎富士見街道から見る御殿場の町と富士山


    足柄峠城跡


    城跡から見る富士山


    足柄峠関所跡(この関所は本物では無く、黒沢明監督が映画で使ったセットをここに設置したもの)


    聖天堂

 30分ほど見学したところで時間は11時を回る。夕暮れの彗星狙いならば、金時神社から1時間半もあれば山頂に到着できるので、時間的にはまだ相当の余裕がある。しかし、空模様を見ていると富士山のまわりにはどんどん雲が増え出して、夕方までは持ちそうに無い。彗星を撮影出来る可能性はきわめて低いので、本日は下見に行くつもりで足柄峠から歩いてみることにした。
 峠の先まで林道が続いているが、その先はダートの道になっており、入口には「この先チェーンが必要」なる看板が立っていた。きっと悪路なのだろうと思って峠から歩くことにしたが、それにしては林道に入って行く車を何台も見かけた。歩いてみると、ダートの道はほんの少しでその先は立派に舗装された道になっていた。距離にして2km強だろうか、30分ほど歩いて林道突き当たりゲートに到着、そこに駐車スペースがあり、たくさんの車が止まっていた。

    足柄峠の先は悪路・・・かと思いきや、すぐにアスファルトの良い道になっていた。


    歩くこと30分強、ゲート前の駐車場に到着。林道を歩いていたのは私だけだった。

 ゲートを過ぎると今度は本当の悪路になる。子供連れの登山者がたくさんおり、どうやら相当整備された道らしい。折角山に来たのにこんな林道を歩くのは面白く無いので、林道を逸れて右の林に入ると、そこはティッシュペーパーが散乱。トイレ代わりになってしまっているようだ。今度は左の林に入ると、そこには林道に沿って明瞭な登山道がついていた。誰も会わなかったが新しい足跡がある。山に来た雰囲気を味わいながら、向こうに見える金時山目指して進む。

    ゲート先のダートの道


    左の林に入ると、笹原と広葉樹林帯の良い雰囲気。向こうに見えるのが金時山。


    発見、ウバユリの種

 やがて道は林道と合流し、再び林道を歩くことになる。ほどなく猪鼻砦跡の休憩地に到着する。時間は12時35分、予想通りこの頃には富士山はすっかり雲におおわれて姿が見えなくなってしまった。

    猪鼻砦跡の休憩所。向こうに見えるはずの富士山はすっかり雲に巻かれる。


    林道終点。荷揚げをするためと思われる小屋がある。車は金時茶屋の方のもの。

 林道終点からはいよいよ本格的な登りとなる。階段12本が連なる急登だが、ステップがしっかりと作られていて整備されている。途中には休憩ベンチも設置されている。普通の人ならば30分ほどの行程らしいが、ここを45分かけて登り、午後1時40分、山頂に到着した。足柄峠から2時間半かかったことになる。

    林道終点からは本格的な登り。階段12本が連なるかなりの急登だ。


    途中に設置してある休憩ベンチ


    こんな急登りのところもある。


    ようやく山頂。


    山頂は人がたくさん。あちらこちらの登山道から次々にやって来る人、下山して行く人。

 人気の山だけあって山頂にはたくさんの人がいた。有名人の金時娘さんお目当てに金時茶屋に立ち寄ると、腰は曲がっているが元気いっぱいの声、金時娘さんがお出迎えしてくれた。お歳は80歳になるそうで、数日前に産経新聞に記事が載ったばかりだそうだ。お店のお得意さんが次々にやって来て声をかけあっている。食料と水、バーナーは持ってきたが、ここは金時茶屋の名物金時豆入りおしることソバをいただくことにした。2人で来たと思われたらしく、箸が2膳出て来た。

    金時茶屋でいただいたおしることソバ


    見渡す箱根の山々と芦ノ湖

 おいしくいただき、ゆっくり休憩させていただいて2時20分から下山開始。急傾斜に気をつけながら下山し、林道は小走りに歩き、3時半に足柄峠の駐車場に到着した。

 パンスターズ彗星と富士山のコラボレーションはおあずけとなってしまったが、チャンスがあればもう一度登りたいと思っている。
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