山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

パンスターズ彗星迎撃なるか?(その3) 帯那山  平成25年3月12日

2013年03月15日 | 山梨百名山
 前日の茅ヶ岳でなんとかパンスターズ彗星の姿を捉えることができた。このおかげで、彗星の大きさや輝度、高度がほぼ把握できた。軌道はパソコンで計算すればほぼ正確に割り出すことができる。気象条件が整えば、今度こそは確実に撮影できると確信していた。

 3月12日は朝から青空が広がった。気温はさほど上昇しなかったが、日差したっぷりで午後から雲が湧くのを心配しながら空を見上げた。本日の行き先は甲府市北部にある帯那山。ここは山頂直下まで林道が通っていて、10分も歩けば南アルプスの展望地に行ける。午後5時ごろ甲府を出発し、りんどう突き当たりのゲートに午後5時40分到着。前日の茅ヶ岳は、日没後カメラが凍りつくほど冷え込んだので防寒対策をしっかりして撮影場所に向かう。既に西の空に太陽が沈んだ後だった。西の空には若干雲が出てはいたが、南アルプスの山並は良く見え、雲と雲の間に隙間がある。この程度ならば、昨日の感触からすると十分に写ってくれるはずだ。


    帯那山の林道。この手前にゲートあり、その先は車が入れない。


    南アルプスと夕焼けの空


    この空のどこかに必ずいる。日が沈んだ位置の少し右寄りなので、この時間ならば地蔵岳の上あたりにいるはず。

 日が暮れるにつれて空の雲は次第に薄くなっていった。双眼鏡で念入りに探すが彗星は見つからず、ズームレンズで撮影してもなかなか捉えることができない。だが、この空の状態ならば絶対に見えるはずだ。


    この視野の中に絶対にいるはず。


    パソコンでズームをかけてみると、予想通り、地蔵岳のほぼ真上で小さな光が輝いていた。

 時刻が午後6時半を回った頃、鳳凰山の右上に輝く彗星をカメラでようやく捉えることができた。予想通りの高さ、位置、大きさだ。さらにズームをかけて彗星を追い続ける。肉眼で確認しようとしたのだが、乱視混じりの近視の私の眼では見えなかったが、双眼鏡では確認できた。


    夕暮れの鳳凰山と右隅にパンスターズ彗星。


    鳳凰山地蔵岳とパンスターズ彗星。その右奥は仙丈ヶ岳。


    夕空に舞うパンスターズ彗星


    同上画像を拡大


    南アルプスに沈み行くパンスターズ彗星

 金峰山、茅ヶ岳と続いて、3度目の正直でようやくまともな彗星を撮影することができた。帯那山は標高約1,300m、前日の茅ヶ岳に比べると400mも低い。この日は条件が良かったのでおそらくはもっと低いところから撮影された方もおられただろう。
 自宅に帰ってパソコン処理後、職場でプリントして山梨日日新聞に投稿しようと思ったのだが、誰にどうやって渡せばよいのかわからない。こういう時は新聞社関係、県庁関係の人たちが集う焼鳥池田に行けばなんとかなる。池田の店長さんやお客さん等、新聞社関係に電話をしてくださり、午後11時に山梨日日新聞本社にプリントした画像とデータを届けた。さすがに翌日の新聞には間に合わなかったが、14日の新聞にはありがたく掲載していただいた。山梨県で最初にこのパンスターズ彗星を撮影して新聞に載せたいという夢を叶えることができた。
コメント (4)
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