山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

エビネ開花 甲府市湯村山界隈

2013年04月21日 | 番外編
 2週間ほど前に湯村山界隈のヤブコギをした時に偶然見つけた新芽と葉。種子が図鑑に載っていたサルメンエビネとそっくりだったので、おそらくはそれだと予想していたのだが、花を見なければ正体がわからない。おそらくはそろそろ咲いている頃だろうから確認に行ってみた。

 本日は車を水道局高配水施設のところまで乗り入れて短絡し、アスファルトの道を歩いてさらにその上の水道局施設のフェンス脇を通って籔に入る。前回見つけた場所を探すが、道の無い籔の中なのでなかなか見つからない。右往左往して探してようやく見つけ、咲いていたのは・・・サルメンエビネでは無くてエビネのほうだった。初めて見るエビネに感動する。

    水道局高配水施設の道路脇に車を止める。


    咲いていたのはエビネ


    半逆光で輝くエビネの花


    こちらはまだ蕾のエビネ

 籔の中を水平に走る獣道のような道があり、それを右に進むと東側の尾根ルート中腹に出た。また籔ルートに戻って探しながら歩くと、まだ咲いたばかりのエビネに出会うことができた。さらに水平に進んで行くと、今度は湯村山からのルートに抜け出た。

    咲いたばかりのエビネ。5株ほど葉が出ている。


    湯村山の原生林


    籔の中に1輪だけホタルカズラ

 前回は歩かなかった湯村山に立ち寄る。こちらの道は大変良く整備された遊歩道で、散歩を楽しんでいる人たちにたくさん出会う。

    湯村山の休憩所


    湯村山からの眺望だが、天候悪く富士山見えず。

 湯村山で折り返して同じ道を戻り、隣のピークから前回下った東側の尾根を降りる。途中で右に下ると車を止めた高配水施設の脇に出るのだが、ここを真っ直ぐに降りてみると、抜け出たところは諏訪大明神という神社だった。毎年歩いている湯村山だがまだ知らないルートがたくさんあり、きっと見たことがない花がまだ眠っていることだろう。

    前方に建物が見え出す。


    その建物は諏訪大明神神社だった。

コメント (2)
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食害か、人為か? 茅ヶ岳のオキナグサ  平成25年4月17日

2013年04月21日 | 山梨百名山
 まだ若干時期が早いかもしれないが、平日の時間が空いたので茅ヶ岳に行ってみた。目的は昨年ようやく出会えたヒゴスミレ、そしてオキナグサだ。林道を短絡して大明神林道から登ろうとしたのだがまだゲートが閉じていて車は乗り入れできない。ゲートの脇に細い道があり、この道はまだ登山を本格的に始める前で蝶を追いかけていた頃、アイノミドリシジミやミズイロオナガシジミをこの道で見つけたことがあった。もう8年も前のことだが、その頃はもう少し歩きやすい道で緑ももっと多かったように記憶している。今回は8年ぶりにこの道を行くことにした。

    大明神林道はまだ閉鎖されており、右手の細い道を登る。

 とはいってもこの道は15分も登ると林道に出てしまう。林の中を進む道もあるが、これは間もなく深田公園からの道と合流する。林道に登りついて土手を見ると紫色鮮やかなスミレが咲いていた。ノジスミレだ。

    ノジスミレ。普通のスミレに似ているが、ノジスミレは葉が立たないで横向きに出る。


    林道には倒木あり。

 林道を進んで行くと倒木が道を塞いでいた。開通が確か4月25日と書かれていたと記憶している。その頃にはおそらく撤去されているのだろう。間もなく登山道入り口に到着し、今回は目的の花が咲く尾根道を登る。

    道路脇に咲いていたタチツボスミレ


    尾根道に咲いていたアケボノスミレ。可哀そうに踏まれて痛んでいる。


    葉が泥まみれで判別しにくいが、おそらくアカネスミレ。


    先ほどと同じくノジスミレ


    途中に倒木あり、登山道を塞いでいた。左側に巻いて登る。

 防火帯になっている尾根道は草がきれいに刈り払われて整備されていた。しかし、途中に倒木があって道を塞いでおり、左側に巻いて登る。足元にはアケボノスミレがぱらぱらと咲き、その中に紫色の鮮やかなスミレが混じる。ノジスミレとアカネスミレ(たぶん)だ。タチツボスミレは意外と数が少なかった。そして、お目当ての白いスミレ、ヒゴスミレを念入りに探すが、昨年見つけた場所を探してもまだ咲いていなかった。たまたま見つけた白いスミレ、葉の形からしておそらく白花のアケボノスミレだと思う。

    岩の脇に咲いたアケボノスミレ


    白花のアケボノスミレ。上と葉の形が同じ。


    センボンヤリ

 防火帯を過ぎて林の中の登山道に変わる。そして急登を登って登山道を外れ、オキナグサの咲く場所に行くと、やはりまだ早く蕾が出始めたところ・・・だと最初は思った。2輪だけ咲いているものがあり、そちら側に回り込んで写真を撮っている時に異変に気づく。穂先がすっぱりとちぎられて明らかに花が摘まれている株が5株以上・・・。盗掘から花を保護するために人為的に摘まれたものだとその時は思ったのだが、おかしいのは踏み跡がほとんど無いことだ。そして撮って来た写真を良く見てみると、花だけではなく出始めた新芽も摘まれたような跡がある。これは鹿の食害なのではないだろうか。昨年連休過ぎ、2度目にこの花を見に行った時も同じように花が無くなっていた。これも花だけきれいに摘まれていたので、てっきり人為的なものだと思っていた。しかし、花は人間にだけ狙われているのではなく、動物も狙っている。特に珍しい花ほどおいしいのか狙われやすいと聞く。いずれにせよ、茅ヶ岳のオキナグサは危機的な状態にあるのは間違いなさそうだ。

    まだ蕾のオキナグサ。若干時期が早かったと思ったのだが・・・


    2輪だけ咲いていたオキナグサ


    オキナグサ


    そのまわりを見てみると、明らかに花が摘まれている。そして食べられたような茎だけ残ったものもある。

 2時間40分ほどで山頂に到着した。空は曇り空だが、南アルプス、八ヶ岳、そして富士山がかろうじて見えている。標柱が無事であることを確認し、昼食をとる。

    茅ヶ岳山頂と金ヶ岳、その左にうっすら八ヶ岳。


    うっすらと見えた富士山


    標柱の裏側には新聞の切り抜きをパウチしたものが貼られている。番人末木さんが設置してくれたもの。

 いつもならば登ったコースとは別のルートを下山に使うのだが、ヒゴスミレに会えなかったのが残念でもう一度尾根ルートを探してみることにした。防火帯に入ったところから、足元を念入りに探すと、昨年とは別の場所で2株咲いているのを発見した。まだ咲き始めたばかりで花が完全に開いていない。さらに昨年の場所を目を凝らして見てみると、花は1株だけ蕾、その周辺に5株出始めたばかりの葉を見つけることができた。2週間後くらいが見頃になりそうだ。

    ようやく発見!ヒゴスミレ。


    ヒゴスミレ。細い葉が特徴。


    もう1輪発見した白いアケボノスミレ。

 ちょっとばかりフライングだった茅ヶ岳。今年は5月連休にヒゴスミレとオキナグサが見られそうだ。これ以上食害に合わないことを祈るしかない。
コメント (2)
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