山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

矮鶏ホトトギス咲く竜爪山  平成26年8月24日

2014年08月25日 | 番外編
 今年の6月、杓子山を花見隊で訪れた時に、sanaeさんの知り合いの方で静岡から来られたまるちんさんという方からこの花の情報をいただいた。ネットで調べてみると、8月20日ごろがいちばん見頃のようだ。中腹にある穂積神社から登ると1時間半ほどで山頂に到着できるらしい。カーナビを穂積神社にセットして7時、自宅を出発する。

 静岡県境間近なところで携帯電話が鳴った。花見隊のみちほさんからの電話で、今日はsanaeさんと合流して山梨の山で花探しだそうだ。ここまで来て引き返すわけには行かず、竜爪山に行くことを告げる。早く下山出来れば午後から合流できるかと思ったが、この見込みは大きく外れることになる。

 カーナビの道案内が途絶えたところに車がたくさん止まっていた。駐車場に入り切れず、路上にずらりと止まっている。鳥居も立っているしこれが登山口に違いない。10時、鳥居をくぐって出発する。しかし、神社の建物はどこにあるのだろうか?急登を登ったあたりで高度計を見ると400m少々・・・確か穂積神社は700mくらいだったと思ったが・・・?? 記憶違いだったかと思って道を進む。


    鳥居の立つところから出発.駐車場は満車で道路脇にも車がたくさん止まっていた.しかし,神社はどこに??


    竜爪山拝殿迄三十六丁.この時は山頂まで三十六丁だと思っていた.


    岩にはマメヅタがびっしり.


    いきなりの急登.登山道脇には見たことのない植物の葉と花茎が出ている.


    途中の滝に立ち寄る.


    咲き終えたイワタバコの中に一輪だけ残っていた花.


    河原の岩に見たことのない葉と蕾.後に山頂近くでお会いした女性にキッコウハグマと教えていただいた.葉っぱが亀の甲羅に似ている.


    巡礼の道らしい,石積みが築かれている.


    登山道脇にお目当てのチャボ・ホトトギスの葉が現れる.


    こちらは開き始めたばかり.


    花の終わったイチヤクソウ

 旧道と新道があるらしく,私が歩いたのは旧道のほうだった.一旦道が交わり,また別れるが,そのあたりで下山してきた人たちに道を譲ったところ,その先にはミヤマウズラが咲いていた.下山してきた人たちと花を眺めながら,花の状況や道の様子を伺うと,今年のチャボ・は当たり年らしく,山頂の稜線はちょうど見頃だと言っていた.さらに,あと10分ほどで山門があり,そこから稜線までは1時間ほどだと聞いた.この時点ではまだ穂積神社から歩いてきたと思い込んでいる私は,思ったよりもずいぶん遠い山頂だなというくらいにしか思っていなかった.そして歩くこと10分ほど,山門と言っていた場所に到着してビックリ! 神社の大きな建物が建ち,車が止まっている.大きな石碑に刻まれている文字を見ると「穂積神社」と書かれていた.
 ここまで来てようやく状況が飲みこめた.私が歩き始めた場所は神社の参道入り口からで,予定ではこの穂積神社まで車で入るはずだったのを間違って下から歩いたということだ.余計に時間はかかったが,おかげで山梨では見かけない花にも出会えた.


    ミヤマウズラ.標高700mほどの低いところでも咲くことを知った.


    ミヤマウズラ


    これは? 曙のシュス・の葉では??


    これが穂積神社.滝や脇道に寄り道したりしたので,2時間半かかった.

 時間は12時半.2時ごろに下山の予定だったがそうは行かなくなった.ここからが本番だ.水をたっぷり飲んで気分を入れ替えて出発.大きな杉の立ち並ぶ登山道に入ると,足元に新鮮なチャボ・ホトトギスがお目見えする.


    大きな杉が立ち並ぶ登山道.


    新鮮なチャボ・ホトトギスがお目見え.


    登山道脇に点々と咲く.


    苦手の階段道.


    まだまだ続く急な階段道・


    もうすぐ咲きそうなモミジガサ


    鹿の食害に遭ったモミジガサ.


    登山道脇に咲くチャボ・ホトトギス


    初めて見る花。イナモリソウ?かと思ったがヤマジオウという花だと教えていただいた。この山にはたくさんある。


    竜爪山薬師岳山頂.1時間少々で到着.

 竜爪山は薬師岳と文珠岳の双耳峰からなる山で,片道15分ほどで行くことができる.稜線の途中でチャボ・の写真を撮っていると,後ろから花のことに相当詳しい女性2人組の方がやって来た.途中で見た初見の花の名前は全てその方に教えていただいた.いろいろ花情報の交換をしている時にお仲間の方がブログをやっていると聞き,その方のお名前を伺ってビックリ! しばしば拝見しているハイレベルの花ブログを書かれている方で,良く知っている名前だった.お二人が花に詳しいことに納得した.


    文珠岳山頂


    草むらの広がる文珠岳.海を見下ろす.


    紫色鮮やかなギボウシの群落.コバノギボウシ?


    稜線に咲いていた群生株.


    登山道脇に咲いた花


    葉が傷んでいて花も終わりかけていた花.


    トンボソウ?

 チャボ・ホトトギスを存分に楽しみ,女性2人と別れた後,午後3時半ごろから下山開始する.穂積神社を過ぎて今度は新道を下る.こちらは道が広くて歩きやすいが,かなり長く感じる.そこでもまたトンボソウらしき花を発見する.


    登りながら何だかわからなかった花,テイショウソウ.女性2人組に教えていただきました.


    キッコウハグマ多量!


    トンボソウらしき花発見.


    同上


    別株.根元近くから出る葉,黄緑色の小さな葉はトンボソウ,だろう.


    接写


    出たところは旧道の少し上の林道脇.

 登り口を間違えたおかげで,むしろ山梨では見ることができない花たちに出会うことができた.私の持っている図鑑にはテイショウソウやキッコウハグマ,ヤマジオウなどは載っておらず,花の名前がわかったのは山頂付近でお会いした女性お二人のおかげである.話をしていて思ったことは,花好きの人たちは皆山に咲く花たちを守って行きたいと思っていることだ.信頼できる仲間の輪を広げて,植物の保護に少しでも役立てて行けたらと思う.

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ジン・バイ・ソウその後 御坂山系の某山  平成26年8月21日

2014年08月25日 | 番外編
 葉はたくさん出ているが花芽は一株しか無いその花は、まだ開花したところを見ていない。そろそろ開花している頃だろう。

 もう1ヶ所の自生地を聞いてはいるが、そこは登るのが大変な山で、御坂山塊のこの場所が、ジン・バイ・ソウを見るには最も簡単に行ける場所である。未だ見たことの無いこの花、なんとか見てみたい。


    稜線に抜けた時間は午後3時半。陽は西に傾く。


    マルバタケブキ

 花のある場所まで行ってみると・・・まだ開花していないにもかかわらず、ここのところ暑い日が続いたために上部の花は咲く前に既に枯れてしまっている。残念。


    花茎が出ているのは1本だけ。辺りに葉はたくさんある。


    残念なことに上部は連日の猛暑で枯れている。


    今年は咲いたところは見られなそうだ。


    枯れていないところはまだ開花していない・・・と思う。

 富士山の展望地まで登ってみると、雲の巻いた富士山が姿を現していた。日没近くまで空が焼けるのを待ったが、西の空を覆った雲で夕陽が遮られてしまい、夕暮れ前に撤退。ヘッドライト装着ギリギリのところで下山した。


    ミヤマママコナと富士山。今年はたくさん咲いている。


    ヤマハハコと富士山

 週末もう1ヶ所の自生地に行くことも考えたが、それよりもまだ見たことの無い花を優先したいので、今年のジン・バイ・ソウの追っかけはこれで終了ということになる。来年こそは満開のこの花を見てみたい。

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