山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

山梨県にもあの花はあるのだろうか? 栃代川上流へ  平成26年9月21日

2014年09月24日 | 番外編
 渓谷の岩壁に垂れ下がるように咲くあの美しい情景、スルガ○○ロウ・ホト○ギスは山梨県側には咲かないのだろうか? 花仲間からもネット上でも見たという情報は無い。もしあるとすれば、ほとんど人が入らないこの沢が最も有望だろう。かつては毛無山に至る登山道があったらしいが、今では歩く人も無く登山道としては全く機能していない廃道である。沢を登るが、ほとんどは枯れた沢だと聞いている。果たしてどこまで行けるか?毛無山に登る尾根の入り口も確認しておきたい。

 朝8時半、栃代川の山神社に到着する。途中からはダートの荒れた道だが、なんとか山神社の直下まで車で入ることができる。あたりの様子をひとまわりして調べた後に出発。ところどころ赤テープが付いてはいるが、道らしきものはあったり無かったりだ。やがて沢の水は枯れて巨石がゴロゴロする枯れ沢になる。最初は左岸のテープを追っていたが、目的の花を探すために標高1,000mあたりのところから沢の中を遡上する。


    栃代川山神社。


    神社の周辺は水があちらこちらから湧き出している。伏流水がこのあたりで噴出しているようだ。


    間もなく枯れた沢に変わる。


    テバコモミジガサ群落。


    ところどころ赤テープが付いているが、道は不明瞭。沢を左に見ながら適当に登る。


    ミヤマウズラの葉。あたりを探すが、見つけたのはこの葉っぱだけ。


    ミヤマモジズリ。これもこの1株だけ。

 沢の中は巨石がゴロゴロしており、岩の間を縫うようにして登って行く。大岩にはイワギボウシがたくさん生えている。


    岩に付着しているイワギボウシ。


    少し時期が遅く、大部分は結実している。


    沢の中の岩、両岸の岩壁にイワギボウシがたくさん。


    イワギボウシ。


    こちらはイワヒバ。


    巨石ゴロゴロ。


    どこまでも続く枯れたゴロゴロの沢。イワギボウシが付着している。


    岩の壁にはダイモンジソウが咲いていた。


    ダイモンジソウ、イワギボウシ、そしてホトトギス。


    それらしき葉っぱ発見!と思って近付けば、こちらもホトトギス。


    トリカブト

 標高1,200mあたりのところで水の流れる音が聞こえ始めた。先に見える大岩の上を水が流れている。左側から岩の上に登ってみると、右側(左岸)から滝が流れ落ちていた。清涼な滝の流れを眺めながら、しばしここで休憩する。探し物の黄色いホトトギスはこんなところに咲いているのでは?と思いつつ、カメラのズームを最大にして、さらにモニター画像を拡大して探してみたが、この滝の脇に咲いていたのはやはり普通のホトトギスだった。


    大岩の上から水が流れ落ちている。


    左岸から落差のある清涼な滝が流れ落ちていた。


    そこに咲いていたのは・・・やはりホトトギス。黄色いのは見つからない。


    あれは!と思って近付いてみると、イワナンテン。


    ツルシロカネソウのように見えるが花期が全く違う。この季節の狂い咲きか?


    沢の脇にダイモンジソウ。


    イワタバコの葉がびっしり。

 さらに遡上して行くと、やがて枯れ沢は水が流れるようになってきた。GPSで見ると右岸に道が付けられていたようで、右岸を歩くが明瞭な道は無い。右岸から大きな枯れ沢が合流するところで赤テープと木に描かれたペンキの矢印を見つけたが、その先は全く道らしきものは見当たらない。GPSの示す軌道通りに右手に沢を見ながら急斜面をトラバースして行くが、その先は・・・いつものお決まりの崩落した崖。かつての道は既に崩落して消滅してしまっているらしい。止む無し、再び沢筋に下降する。


    鎖があったのでこのあたりが道だと思ったのだが・・・GPSもこのあたりに道を示していたがそれらしきものは無し。


    沢筋に下りて遡上すると、案の定滝に突き当たる。

 沢を遡上すると案の定滝に出てしまった。右側(左岸)を登ることはできそうだが、下りてくるのはそうた易くは無さそうだ。時間は午後1時45分、標高は1,350mあたりだ。尾根の取り付き点までは標高差で100mほど、あと20~30分ほどだろうが、本日はここであきらめることにする。ゆっくり昼食を撮って休み、下山にとりかかる。帰りは沢の中では無くてGPS軌道に沿って川岸を歩いて帰ろうと思う。しかし、そうは問屋が下ろさず、四苦八苦。


    GPS軌道通りに右岸を下降するが・・・とても道と呼べるものは無い。そしてまたお決まりの崩落した崖に出てしまい、沢に急下降。


    沢の脇に咲いていたレイジンソウ1株。


    左岸に渡り、ワイヤーと赤テープ発見!そして少しはまともな道!!と思ったのもつかの間。その先は背丈ほどの大笹籔。

 GPS軌道通りに歩いてみたがやはり道などと呼べるものは無く、それらしき痕跡があったかと思えばその先はまた崩落した崖になっていた。木につかまりながら急斜面を沢筋まで下り、沢を少し下ったところで左岸に赤テープが見えたので渡る。その先、ワイヤーに巻かれた赤テープと明らかに道(と思われる)があったのでそこを進むと、10分ほど進んだところで背丈ほどある笹籔に突入し、道は消失。強引に突き進むと、またしても崩落した崖に出てしまい。下りられそうに無いので上を巻いて崩落地を越えた。その先でなんとか沢まで下降できそうな斜面があったのでそこを下ってまた沢筋まで下降した。GPSは衛星の捕捉状況が悪く、左岸を歩いているのに右岸を歩いているように示しており、全く当てにならなくなっていた。斜面を下りると今度こそまともな赤テープがあった。ところどころわからなくなるところもあったが、沢から離れないように歩いて行くと、登りで見た赤テープの場所にたどり着いた。その先はなんとなく道っぽいものがあり、もはや迷うようなことは無く、午後4時15分、山神社に到着した。想定外に下りで苦労し、標高差600mほどを下るのに2時間以上もかかった。


    崩落地を高巻きし、この斜面を沢まで下降。遥か下に沢が見える。


    帰り道でもミヤマモジズリ発見。あたりには葉っぱも見つからない。


    全くわからないのがこの葉っぱ。これから咲くのだろうが、あまり見たことが無い葉の形。どんなのが咲くのか、どなたか教えてください。


 花を探しながらの沢の遡上なので苦労するのと時間がかかるのは覚悟していたが、下りでこれほど苦労するとは思ってもいなかった。GPSは最初から参考程度にしかしていないが、やはりこれだけを頼りに歩くのは危険であることが良くわかった。

 山梨県側で黄色いホトトギスを発見できれば新発見となったのだが、どうやらこの沢には無いようで、まだ他にも何本か疑わしき沢があるにはあるが、おそらくは発見は難しいのではないかと思われる。今回入山した栃代の界隈には、他にもあまり歩かれていない魅惑のルートがたくさんある。体力があれば、このルートを毛無山まで登ってみたいし、他のルートも歩いてみたいと思う。

コメント (8)
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御坂山塊深部の山へ 大洞山(摺針山)  平成26年9月15日

2014年09月24日 | 山梨無名山
 山梨県の大洞山と聞くと、山中湖の外輪山、三国山から連なる大洞山を思い浮かべる人が多いかと思う。今回訪れた大洞山は御坂山系の中でもあまり知られておらず、訪れる人もあまりいない静かな山である。明瞭な道があるのかどうかもわからなかったが、最近ルート整備が行われたようで、新しい昭文社の地図では点線でルートが描かれている。興味本位が半分、ひょっとしたらめぐり会えるかもしれない花探しが半分で、当日の朝に行ってみることに決める。

 いくつかルートはあるが、今回は標高差が最も少ない笹子峠から入山する。なにせスタート時間がお昼の12時になってしまうので、あまり選択肢が無かったと言っても良い。峠の分岐から山梨百名山の笹子雁ヶ腹摺山と反対の方向に登る。


    笹子峠にある祠。


    峠の分岐点。向こう側から登って来て道標を撮影。「カヤノキビラノ頭」と書かれているが初めて聞く名前。


    いきなりの急登だが、途中にはシモバシラがたくさん咲く。


    シモバシラ

 標高差150mほどの急登を登ると道は平らになり、その先小さなアップダウンを繰り返して少しずつ高度を稼ぐ。藪道を覚悟していたが、以外にもルートは明瞭で良く踏まれていた。要所には新しい道標が立ち、危険個所にはロープが張られていた。これほどに整備されたルートがあるにもかかわらず、あまり知られていない理由のひとつは眺望があまり得られないということだろう。富士山を望むには1本向こう側にある黒岳から節刀ヶ岳の御坂山塊主脈が邪魔するために、おそらくは見えても山頂の部分しか見えないと思われる。ここを歩くのは静かな山歩きが好きなマニアということになるだろう。


    尾根には明瞭な道。


    中尾根の頭の小ピーク。


    いちばん左がカヤノキビラノ頭、中央が無名のピーク、そのずっと右が京戸山だと思う。


    途中にはベンチが設置されていた。


    ママコナがちらほら。


    崩落地にはロープが張られている。


    カヤノキビラノ頭に到着。道標には1時間半と書かれていたが、2時間以上かかった。

 道標にはカヤノキビラノ頭から山梨百名山の達沢山までは1時間20分と書かれていた。そちら方面にも行ってみたかったのだが既に時間は午後2時半。アップダウンを繰り返すルートだけに、帰りの時間を考えると厳しく、今回は大洞山だけ行くことにした。20分ほどでミズナラをはじめとする広葉樹林の美しい大洞山の山頂に到着した。おそらく探し物はこんな落葉が堆積した広葉樹林の林床に生えていると思われる。広い山頂をうろうろと探してみるが、予想通り見つからない。


    大洞山山頂。


    美しい広葉樹林の森が広がる。


    あるとすれば落葉が積もったこんな感じのところに生えていると思うのだが・・・

 次第に雲が巻き始め、霧におおわれ始めた。少し急いで下山する。下山はコースタイムよりやや早い、大洞山から1時間35分で笹子峠に到着した。

 思った以上に良いルートであることがわかった大洞山から京戸山・達沢山界隈のルート。静かに山歩きを楽しむには持って来いのルートで、これから始まる紅葉も存分に楽しめそうだ。花は見つからなかったが、なにせ相手が相手だけにそう簡単には姿を見せてくれないだろう。60数年前に三つ峠山塊で見つかって以来、御坂山塊では見つけられていない幻の花。いつか、山梨県で出会ってみたい。

コメント (2)
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