山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

剣ヶ峰に昇る黄金の月 朝霧高原  平成28年3月22日

2016年03月22日 | 番外編
 月齢13の月が昇って来るこの日は朝霧高原からパール富士を撮影する絶好の機会だった。しかも国道139号線沿いから狙って日没の1分前に富士山頂に月が現われるという時間も良い。夕焼けで浅く染まった富士山に月が現われるという構図を描いていたのだが、天気予報が晴れの割には富士山は朝から雲がかかっている。しかしこの雲がかかっているのは朝霧高原のある富士山西側だけのようで、河口湖や山中湖のライブカメラを見ると富士山は姿を現していた。夕方4時、ライブカメラをチェックすると今まで見えていなかった精進湖で富士山が姿を現し始めた。パール富士が見られるのは午後6時ごろ、まだ2時間あるのでこれは回復してくるのではないだろうか?出かけてみることにする。

 車を走らせると、精進湖では富士山が見えていたが朝霧高原県境付近では空は真っ黒な雲におおわれて霧雨が降っていた。5時半、目的地に到着すると富士山の山頂にはまだ黒い雲が巻いていた。しかし時間が経つにつれて雲が消えて行く。そしてパールまであと10分ほどのところで山頂にかかっていた雲は全て消えてくれた。西の空はまだ真っ黒な雲におおわれていて残照にはならないが、月を撮るには十分な条件となった。そして遂に・・・金色の月が現われた。


    5時50分、パールまであと10分。雲が飛んで富士山頂が姿を現した。200㎜望遠レンズで撮影。


    そして黄金の月が昇り始めた。




    こちらがボーグ300㎜にエクステンダー×2を装着し、実質900㎜くらいの望遠で撮影した月と剣ヶ峰。

 ボーグ300㎜にエクステンダーを装着した装備は以前にも試しているが、通信エラーが発生してシャッターが切れなかった経験がある。今回はエクステンダーに細工を加え、カメラとの通信を行う接続部分にセロテープを貼り付けて通信が出来ないようにしてみた。これによってレンズとカメラの通信を遮断することでシャッターを切ることが出来るようになった。問題なのはピント合わせとブレである。ライブビューで慎重にピントを合わせ、長尺レンズだけにブレ易いのでIso感度を320に設定してシャッタースピードを早めに切る。案の定40分の1以下のシャッタースピードで撮った画像はいずれもブレているか、月が流れてしまっていて使い物にならなかった。かつ、連続でシャッターを切っていると前回のシャッターを切った振動がまだ残っていて次の画像がブレてしまうこともわかってきた。現在使っている三脚が軽過ぎるということもあるが、カメラの固定法にも問題がある。


    ほぼ予定通りの位置に月が昇る。


    同上    


    剣ヶ峰に昇る黄金の月


    今回いちばん狙っていたのはこのカット。残照になっていればもっと富士山が明るくピンク色に写ったはず。


    月はあっという間に剣ヶ峰から離れて行く。


    こちらのカメラはここまで。


    美しい月の輝き。


    今回撮影したのはこんな場所。下にある電灯が邪魔になるが、ズームをかけて撮るのならば問題無し。もし点灯していたならばアウト。


    この日は月と木星が接近した日でもあった。月の上に輝くのが木星。帰り際の道の脇から撮影。

 なかなか富士山が現われず、どうなることかと心配していた今回のパール富士だが、最後の最後で月が現われてくれた。ここのところダイヤモンド富士を狙って敗退続きだっただけに、今回のパール富士は一段と美しく見え、喜びも大きかった。エクステンダー装着で撮れるのかどうかも心配だったのだがそれもクリアでき、実りの多いパール富士だった。

コメント (4)
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ダイヤモンド富士ならず 七面山  平成28年3月20日

2016年03月22日 | 山梨百名山
 しばらく訪れていなかった七面山だが、記録を見直してみると平成18年から3年間続けて登り、特に平成20年は春・秋に登った後は訪れていない。そして4度登ったそのいずれもがダイヤモンド富士の撮影に成功している相性の良い山だった。しかし毎度そのような景色を見られるとは限らない。今回は剣ヶ峰から昇る割れるダイヤモンド富士を狙っていたのだがダイヤになる3日間とも天気予報が思わしくない。諦めていたのだが予報が変わり、20日の日曜日は晴れの予報となった。天候が回復してくる日なので、うまくすれば雲海の上のダイヤモンド富士になるかもしれない。8年ぶりに七面山に登ることにした。

 夕方6時半に寝て10時に起床して出発。過去に登った時は未明1時から表参道を登り始めてダイヤモンドになる1時間ほど前に到着できていたが、今の体力ではとてもその時間では登れない。かつ、この日に割れるダイヤモンドを狙うには敬慎院の山門前では無くて七面山山頂の下にあるガレの淵が好位置となる。そこはロープが張られていて基本的には立ち入り禁止の場所で、転落したらまず命は無い。そのため、今回は万が一のために備えて体を固定するため、10mザイルを持って行った。深夜12時に羽衣から登り始める。

 羽衣から登る七面山の表参道は傾斜こそ緩いものの、とにかく長く感じる。1丁から50丁まで灯篭に番号が付けられており、7丁から10丁登るたびに休憩しながら足に疲れがたまらないように登るが、40丁の下あたりでかなりへばってきた。ベンチに座って休んでいると聞きなれた声と見慣れた体系の方が登って来た。ヘッドライトで顔は見えないが一目でその方とわかった。のぞむ先生だ。メールで誘いを受けたいたのだが、天候が悪く登らないと返事をしていたので、ここで会ってだいぶ驚いた様子だった。足の遅い私はのぞむ先生に付いて登るのは無理なので、先に行ってもらい、ここから先は3丁ごとに休憩を入れてゆっくり登る。空模様が悪く山頂下のガレまで行ってもおそらく撮影は困難、しかし敬慎院山門の下でもこの日はほぼ富士山の中央から日が昇ってくれる。

 5時少し前にようやく敬慎院山門に到着。既に20本近い三脚が並んでいる。春分の日に登ってここに雪が無いのは初めてで、アイゼンを使わずにここまで登れたのも初めてである。雪が無いと春分の日の七面山らしく無く、拍子抜けがする。富士山は雲の中で全く見えない。まだ1時間ほど時間があるがどうだろうか?手前に巻いていた雲は晴れてきたが、肝心の富士山に雲が巻いている。携帯電話で本栖湖、河口湖、山中湖とライブカメラをチェックするがいずれも富士山は真っ黒な雲が巻いている。この場所は標高が高いとはいえ、おそらく無理だろう。


    手前に出ていた雲は晴れて遠方が見渡せるようになってきたが、向こう側の雲は晴れそうもない。


    もうすぐダイヤが始まる時間。敬慎院の宿泊客や信者さんたちもやって来て祈るようにダイヤを待つ。


    お坊さんたちが登場。春分の日と秋分の日は特別にこの場所でお経が唱えられる。


    ありがたいお経を聞きながらその時を待つが・・・富士山は現れず。


    雲間から朝日が現われた。ダイヤモンド富士は不発に終わってしまった。残念。


    こちらは荷揚げケーブル付近の展望地。前日ならばこのあたりで割れるダイヤモンド富士が狙えたはずだ。

 ということで、身延山に続いて七面山もダイヤモンド富士は不発に終わった。しかし、この日は天候が回復してくる狙い目の日だったことは間違い無く、もしも一瞬でもダイヤモンドが見られたならば、雲が巻いた素晴らしいダイヤモンド富士になっていたことだろう。雲も何も無いダイヤよりも格段に面白い画像になっていたことは間違い無い。


    また来ます。


    登り口にある羽衣の滝。


 残念な結果に終わってしまったので、過去4回のダイヤモンド富士画像を一挙公開する。


    平成18年の春分の日、初めて訪れた七面山のダイヤモンド富士。霧のようにかかった霞が真っ赤に焼け、円い朝日が昇った。


    平成19年春分の日。雲が湧いて微妙な天候だったが、山門の釣鐘を入れて見事に雲に巻かれたダイヤモンド富士を撮影できた。


    平成20年春分の日の頃。雪が多く、山門の屋根から氷が落ちそうになっていた。腰のあたりまで積もった雪を他の登山者たちと猛ラッセルして登り、敬慎院から山頂まで2時間かかった。


    平成20年秋分の日。雲海の上に浮かぶ富士山に真っ赤な朝焼け雲が流れた。


    ダイヤモンドの頃には雲海はほとんど消えてしまった。

 次から狙うのは剣ヶ峰か白山岳で割れるダイヤモンド富士だ。未明に登ってそのまま下山するのはあまりにも疲れるので、できれば敬慎院に泊りで出かけたい。

 
コメント (8)
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マ・ツ・ラ・ンはまだ蕾 富士北麓の森  平成28年3月20日

2016年03月22日 | 花・花・花
 まだ花期には早いだろうとは思いましたが、今年は花の開花が早く、近日植物観察会に参加する予定もあるので、様子を見に行ってみました。


    木の右側にぶら下がるように着生しているマ・ツ・ラン、別名ベ・ニ・カ・ヤ・ラン。他にも左、上、下、計4株着生。


    トリーミング。葉に斑点があるのが特徴。先端に丸い塊が着いているのが蕾だろう。


    別株。開花はあと1~2週間先だろうと思われる。


    昨年は気付かなかったが、木の下のほうにも小さな株が着いていた。


    こちらも蕾らしきものが着いている。

 天候が悪いうえに光があまり入らない樹林帯の中での撮影だったので、Iso感度を640に上げて撮影した。今回使ったのは200㎜望遠レンズ1本だけだが、観察会の時はさらにボーグ300㎜天体望遠レンズを植物観察用に調整して撮影する予定である。満開のこの花を綺麗に撮れれば良いのだが・・・。  
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