先日の植物観察会で訪れた草地のヒナノキンチャクは既に満開を迎えていた。例年ならば8月中旬から下旬ごろと見ていたのだが、今年は早く咲いたようだ。あちらに咲いているならばきっとこちらの山も・・・。さらにまだ開花している花を見ていない寄生植物が咲いている頃だろう。
春先に聞いた情報では草地の中を横切っている作業道に重機が入って道が拡張され、斜面がだいぶ削られていると聞いた。そちらの状況がどうなっているかもかなり心配である。現地を訪れてみると、一見したところではいつもとあまり変わっていないように見える。

作業道脇に咲いたヤマハッカ(シソ科 ヤマハッカ属)

ここには数が激減している稀少な蝶、姫シロ蝶が生息している。

フクシマシャジン

白いツリガネニンジン

イヌゴマ(シソ科 イヌゴマ属)

キセワタ(シソ科 メジハギ属)。これは山梨県では絶滅危惧種。

カセンソウ(キク科 オグルマ属)

オオバギボウシが咲く草原。

花数は若干減って来ているようにも見えるが、大きな変化は無いように見える。
草むらの中をガサガサと探していると、下からお~いと呼ぶ声が聞こえる。誰かと思えば、ななんと、みちほさんご夫妻だった。先日私がアップしたヒナノキンチャクを見て、避暑を兼ねて山梨まで来られたそうだが、こちらも連日35度を超える猛暑日続きで、山の上でも30度近くまで気温が上がっている。とても避暑などど言えるレベルでは無い。一緒に本日お目当ての花を探して歩く。

踏み跡らしきものをかき分けて草地に入ると、ありました、お目当ての花オオナンバンギセル(ハマウツボ科 ナンバンギセル属)。

さながら真っ赤な口紅をつけたおばばの唇。花冠裂片に鋸歯があるのがオオナンバンで、ナンバンのほうは全縁。

こちらは色が控えめでナンバンのようにも見えるが、花冠には鋸歯がある。

本日一番の大株。蕾のものもあるが、大部分終わっている。
さて、問題のヒナノキンチャクが咲く場所の近くまで来たが、まず目に付いたのが作業道が連日のゲリラ豪雨で大きく溝が出来てしまっていること、そして、おそらくはこれが重機が入って道が削られたと聞いていた場所なのだろう、ヒナノキンチャクが咲いていた道脇の斜面が削り取られてしまっている。そのあたりを探してみたが、例年観察していた場所ではもはやほとんど発見出来なかった。

作業道に大きな溝が出来ていて、斜面が削り取られている。例年この道脇の斜面でヒナノキンチャクを観察していたが、今年は見当たらず。

削られた作業道脇の残ったところにわずかにヒナノキンチャクが残ってくれている。

ギリギリで削られずに残っているが、雨で崩れたら終わってしまいそうだ。

ほんの一角だけ、かろうじて残ってくれていたヒナノキンチャク。きわめて危機的な状況に陥ってしまった。
ここは地元の業者さんたちがワラビを採取する山で、地権者の利益が優先されるためにこのような事態が起きてしまう。おそらくはこのような貴重な植物がこの場所に咲いていることなど知る由も無いだろう。削られて無くなってしまったものは取り戻すことは出来ないので、出来ることと言えば種を採取して環境の良さそうな場所に播いてやることくらいだろうか。今後のことを考えなければならない。
春先に聞いた情報では草地の中を横切っている作業道に重機が入って道が拡張され、斜面がだいぶ削られていると聞いた。そちらの状況がどうなっているかもかなり心配である。現地を訪れてみると、一見したところではいつもとあまり変わっていないように見える。

作業道脇に咲いたヤマハッカ(シソ科 ヤマハッカ属)

ここには数が激減している稀少な蝶、姫シロ蝶が生息している。

フクシマシャジン

白いツリガネニンジン

イヌゴマ(シソ科 イヌゴマ属)

キセワタ(シソ科 メジハギ属)。これは山梨県では絶滅危惧種。

カセンソウ(キク科 オグルマ属)

オオバギボウシが咲く草原。

花数は若干減って来ているようにも見えるが、大きな変化は無いように見える。
草むらの中をガサガサと探していると、下からお~いと呼ぶ声が聞こえる。誰かと思えば、ななんと、みちほさんご夫妻だった。先日私がアップしたヒナノキンチャクを見て、避暑を兼ねて山梨まで来られたそうだが、こちらも連日35度を超える猛暑日続きで、山の上でも30度近くまで気温が上がっている。とても避暑などど言えるレベルでは無い。一緒に本日お目当ての花を探して歩く。

踏み跡らしきものをかき分けて草地に入ると、ありました、お目当ての花オオナンバンギセル(ハマウツボ科 ナンバンギセル属)。

さながら真っ赤な口紅をつけたおばばの唇。花冠裂片に鋸歯があるのがオオナンバンで、ナンバンのほうは全縁。

こちらは色が控えめでナンバンのようにも見えるが、花冠には鋸歯がある。

本日一番の大株。蕾のものもあるが、大部分終わっている。
さて、問題のヒナノキンチャクが咲く場所の近くまで来たが、まず目に付いたのが作業道が連日のゲリラ豪雨で大きく溝が出来てしまっていること、そして、おそらくはこれが重機が入って道が削られたと聞いていた場所なのだろう、ヒナノキンチャクが咲いていた道脇の斜面が削り取られてしまっている。そのあたりを探してみたが、例年観察していた場所ではもはやほとんど発見出来なかった。

作業道に大きな溝が出来ていて、斜面が削り取られている。例年この道脇の斜面でヒナノキンチャクを観察していたが、今年は見当たらず。

削られた作業道脇の残ったところにわずかにヒナノキンチャクが残ってくれている。

ギリギリで削られずに残っているが、雨で崩れたら終わってしまいそうだ。

ほんの一角だけ、かろうじて残ってくれていたヒナノキンチャク。きわめて危機的な状況に陥ってしまった。
ここは地元の業者さんたちがワラビを採取する山で、地権者の利益が優先されるためにこのような事態が起きてしまう。おそらくはこのような貴重な植物がこの場所に咲いていることなど知る由も無いだろう。削られて無くなってしまったものは取り戻すことは出来ないので、出来ることと言えば種を採取して環境の良さそうな場所に播いてやることくらいだろうか。今後のことを考えなければならない。