山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

夜霧に霞む山中湖 鉄砲木の頭  平成28年8月27日

2016年08月29日 | 星空
 石割山から下山し、二十曲峠に到着したのが深夜の12時だったが、その頃には富士山山頂あたりに雲が広がり始めていた。このまま自宅に帰って寝るのも良いが折角の真夏の夜の星空だし、徹夜しても明日は出勤の必要が無いので問題無し。山上から見下ろす限りでは山中湖は霧におおわれて富士山は見えないはずだが、上に登ればおそらくは見えるだろう。まずはパノラマ台に行ってみることにする。

 予想通り、山中湖は雲に覆われて空は全く見えず、霞も多い。さらにパノラマ台あたりまで行くと霧がかかっていて視界が悪い。パノラマ台の駐車場に入ると車はほぼ満車で、なんとか止められそうなスペースはあるがなんとなく気が引けて三国峠まで行くことにする。予想通り三国峠の手前で霧を抜けて星空が見えるようになってきた。これならば星空と富士山が見られそうだ・・・ということで、テントを担いで鉄砲木の頭を目指して登る。三国峠からだと20分ほどで山頂に到着でき、もはや登山というレベルでは無い。

 ところが・・・鉄砲木の頭に到着する直前から一気に霧が出始めて、山頂に到着した頃にはすっかり霧に囲まれてしまった。途中で見えていた月もすっかり見えなくなってしまう。半分はあきらめたが、折角なのでテント設営して待つことにした。すると・・・!


    未明1時45分の鉄砲木の頭。霧に巻かれて何も見えない。左上のなんとなく明るいのは昇って来た月。


    2時15分、霧が切れて富士山と山中湖の明かりが見え始めた。


    同上


    3時、空の雲がだいぶ晴れて視界が良くなる。こうなると寝ている暇は無い。


    星がだいぶ見えるようになってきた。今頃は山中湖の上に右上がりに天の川が出ている頃だが、そこまでは見えない。


    山頂に昇って来た月とオリオン座


    さらに月と冬の大三角形


    なんとなくうっすらと右上に天の川が写っている。夏の大三角形がこの中に写っているはずだが、霞の中に入り込んで見えない。

 4時を過ぎた頃、空が白々としてきた。写真を撮ってモニターで見ると、空の色が青く映る。薄明の始まりだ。あと1時間もしないうちに朝日が昇って来る。富士山の山頂を目指す登山者たちの光跡、また既に山頂に到着している登山者の
明かりが点々と見える。


    薄明の夏富士


    光跡


    霧湧く山中湖と薄明の夏富士


    もうすぐ夜明け。雲がうっすらと赤く染まる。

 日の出は5時少し過ぎだが、夜明けが近付くにつれて富士山に雲がかかり始めてしまった。日の出少し前に若者が一人大きな三脚を担いで登って来た。富士山大賞というメジャーな写真コンテストで銀賞を受賞している人で、この界隈を含めて撮影場所のことや機材やレンズのことなどたいへん詳しく、勉強になった。しかし、彼が登って来た頃にはもう富士山は雲隠れしてしまい、まともなカットは1カットも撮れなかっただろう。期待していた赤富士は残念ながら不発に終わってしまう。


    もうすぐ日の出だが、雲が増えてきた。日の出の頃にはすっかり雲の中で、その後富士山は姿を現さなかった。


    テント撤収し、下山する頃にはすっかり霧の中。

 6時で撮影はあきらめたが、折角設営したテントなのに全く使わずに夜を明かしてしまった。少し寝ようと思ってテントに入ってシュラフカバーに潜り込んで横になったが、全く寝付くことが出来ず、30分ほど横になってあきらめ、テント撤収して下山した。眠気と闘いながら車を運転して自宅に戻り、風呂に入ってから夜の6時まで寝た。
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接近した土星・火星・アンタレスと富士山 石割山  平成28年8月26日

2016年08月29日 | 星空
 土星・火星・アンタレスが8月中旬に接近し、8月24日には縦一直線に並ぶという天体現象が起こったのだが、あいにくの天候のうえに当直だったためこの現象を見ることは出来なかった。26日の夜にはもう一直線では無くなってしまうが、明るい3つの星が並んで見える夜空は是非とも見てみたい。大きな台風10号が南の海上で迷走しながら接近しつつあるが、そのためか雲画像を見る限りでは26日の夜は晴れてくれそうに見える。富士山ライブカメラ映像を見ても、夕方になるにつれて富士山にかかっていた雲が晴れて行くように見える。先週の高指山は不発だったが、今度は天の川の撮影が出来るのではないだろうか?テントを担いで石割山に登る。

 今回は撮影目的なので、石割山最短ルート、二十曲峠から山頂を目指す。午後5時に出発し、日没直前の午後6時山頂に到着した。こちら側のルートは目ぼしい花は無いだろうと思っていたのだが、以外にもいろいろと咲いていた。


    二十曲峠から最短ルートを使って石割山山頂へ、いざ出陣。


    テンニンソウとハンカイソウがはびこるこちら側のルートはもう目ぼしい花は残っていないだろうと思っていた。しかし以外にも・・・


    ツリフネソウ


    カワラナデシコ


    ハナイカリ


    レイジンソウ


    シデシャジンまである。


    ヤマジノホトトギス


    カセンソウ??


    ノアザミ??


    テンニンソウがはびこる山頂裏側の草地だが、かつてはお花畑が広がっていたのだろう。こうなってしまうと、もはや復活は困難と思わざるを得ない。

 日没にはなんとか間に合って山頂に到着した。二十曲峠はどこかの写真クラブのメンバーが集っているらしく、話し声が聞こえていたがこちらは誰もおらず山頂を独占である。夏にしては珍しく空が晴れている。これならば天の川が見えるかもしれない。


    日没前に山頂到着。夕空に面白い雲が浮かんでいる。


    ポスターを意識して縦位置で撮影したが・・・いまいち。


    夕空を流れて行く雲。


    陽が沈み、そろそろ星が輝き出す頃だ。

 思ったよりも澄んだ夕空になってくれた。これならば星が見えるだろう。ただ問題なのは山中湖の湖畔で何かイベントをやっているらしく、空を照らすサーチライトが何本も夜空に光の線を描いてグルグル回っている。ちょうどそのあたりは天の川が現われる位置になる。あの明かりが消えてからでないと天の川を撮影するのは難しい。何時に終わるのだろうか?


    山中湖に霧がかかり始め、空には星が輝き出した。左手の明かりが山中湖のイベントで空を照らすサーチライトの明かり。


    大きな雲が通り過ぎて行く。左上の雲が白く光っているのはサーチライトで照らされたため。


    光跡で人文字を撮影するには良い場所なのだが・・・


    8月も下旬で富士登山のピークを過ぎた上に弾丸登山が規制されているため光跡はいまひとつ少ない。


    霧が増え、山中湖は雲海におおわれた。折角の景色なのに、何度撮っても飛行機がカットできない。


    富士山の左上、弱い『く』の字型に輝いているのが上から土星、火星、さそり座アンタレス。いずれも赤みを帯びた輝きを放つ星たち。


    3つの赤い星が富士山に近付いてきたが、富士山にかかった雲が晴れない。左上にはうっすらと天の川が映っているが、サーチライトが邪魔をしている。


    ようやく富士山山頂が見えた。接近した土星・火星・アンタレスと夏富士。

 深夜9時半ごろ、ようやくイベントのサーチライトの明かりが消えた。真夏にしては空は澄んだほうだが、低空には霞が出てしまった。おかげで山中湖と富士吉田の町灯りが覆われて星が見やすくなってくれたわけだが、もう少し低空まで澄んでくれるとありがたかった。それでも、空を見上げると肉眼でもはっきりと夏の大三角形を貫く天の川が見えている。土星・火星・アンタレスが富士山に沈んだ後はひたすらこの天の川の撮影に没頭する。

 
    霧の山中湖と天の川


    広角レンズで捉えた富士山と天の川


    富士山に立ち昇る天の川

 予定ではテント設営して朝まで撮影と考えていたのだが、一晩中シャッターを手動で切り続けるのは大変でタイマーリモートコントローラーが必須である。ところが、入れたと思っていたコントローラーがカメラ機材用のバッグの中に入っていない。さてどうするか?天の川が富士山頂から右にずれてしまい、縦位置では入り切らなくなってしまったところで時間は深夜11時を過ぎ、ここで撤収することにした。


    下山後、二十曲峠から見る富士山。だいぶ雲が増えてきた。

 イベントのサーチライトは想定外だったが、8月にこれだけの星空を見ることが出来たのは久しぶりである。特に霧の多い山中湖界隈は冬でも星空を見るのはなかなか難しい。大収穫だったと思う。

 帰宅して寝ようかと思ったのだが、夏の夜のこんな星空はそう滅多にお目にかかれるものでは無い。山中湖は雲海に沈んでいたが、その向こうの三国山や鉄砲木の頭のピークは雲海の上に頭を出していた。あちら側に回り込めばひょっとして山中湖に沈んで行く夏の大三角形と天の川が見られるのでは・・・? うまくすれば夜明けの赤富士が撮れるかも・・・?? という思いを抱き、パノラマ台に行ってみることにする。(鉄砲木の頭に続きます。)     
      
コメント (4)
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