大山から下山し、菜の花台で夜景を見て秦野市の市街地に到着したのは深夜12時ごろになってしまった。このまま自宅に帰ることも考えて東名高速に乗って御殿場のインターを目指したが、その前に足柄サービスエリアに立ち寄り夕食をとることにした。翌日は夕方から天候が悪くなるだろうと思っていたのだが、予報を見るとそうでも無さそうだ。さてどうするか、帰るべきか、それとも留まって明日もう一度夕暮れの景色を狙うか?それとも、朝霧まで移動してふもとっぱらの池に映るダブルダイヤを狙うという選択肢もあった。食事を終えて足柄サービスエリアをぐるりと1周見物して回ると、もう時間は深夜1時を過ぎていた。とりあえずは足柄サービスエリアで車中泊して、明日の天気でどうするか考えることにする。
狭い車内ではあるが車中泊もだいぶ慣れてきて、翌朝8時までぐっすり眠れた。空を見れば雲が広がっており富士山は見えない。また寝て起きたのは10時。今度は雲の切れ間に富士山が見えてきていた。昨日のような黒い雲では無いので夕方には期待できるかも知れない。食事を済ませて大山の他にもう1ヶ所撮影を予定していた権現山と弘法山に行ってみることにした。秦野市の弘法山公園と権現山は秦野市の街並みの向こうに富士山が見える景勝地として知られており一度訪れてみたいと思っていた場所だ。そしてこの場所から狙っているのは日没過ぎに富士山山頂を飛んで行く2Pエンケ彗星である。現在太陽に向かってグングン高度を下げており、おそらくはこの日を逃すと撮影機会は無くなってしまう。予想光度は5~6等級であるが、前日の大山から狙ってみたものの捉えることが出来ず、おそらくは予想よりも暗く推移しているのではないかと思われる。撮影場所の確認と眺望を見るために、下見を兼ねてまず日中に訪れてみた。
山の中腹にある駐車場。
すぐ近くにトイレが設置されている。
まずは右手の高台へ行く。休憩東屋があった。
ここは浅間山という山らしい。
秦野の町の眺望が得られ、富士山も見えるのだろうが、周辺の木々が邪魔になる。もっと良い場所があるはずだ。
駐車場に戻ってGPSを取り出し、位置を確認すると権現山は道を隔てて反対側らしい。道標が付いており、そちら側の急斜面を登ると展望台の立つ権現山の山頂に出た。
反対側に道標があった。
権現山山頂は広い平坦地になっている。大きな展望台が立つ。
展望台の脇から見る秦野市の街並み。残念ながら富士山は見えなかった。
さらにその先の長くて緩やかな坂を下って弘法山に向かう。途中から見る梅の花と大山。
大山の入り口。整備された公園になっていて、道はさながら遊歩道である。
弘法山山頂。井戸と神社が立っている。
神社の裏側に立つイチョウの大木。
神社の裏側の道を下りて行くとその下に眺望の良い場所があった。おそらく、富士山は左手の端のほうに見えるはず。
道路を歩いて弘法山登り口あたりに戻り、女坂という道を下ってその下の道路を歩いて行くと広く開けた眺望の良い場所に出た。
弘法山・権現山の記事をネットで探すと秦野の町灯りの向こうに立つ富士山の画像が見つかるが、どうやら最後に見つけた道路沿いのポジションから撮影した画像のようだ。おそらく正面あたりに富士山が見えるのであろうが、残念ながら雲に隠れて富士山は見えない。
天気予報を見ると夕方にはもっと雲が広がって来るらしい。望みは薄そうなので、この日は下見とGPSログの取得だけで撤退することにする。再び東名高速に乗って御殿場で下り、須走まで行って富士山を見上げると・・・霞が多いが雲が晴れ始め、富士山の山頂が姿を現してきた。この調子ならば夕方にはきっと富士山が見えるはずだ。須走で折り返して、今度は一般道を通って権現山に向かう。展望地に5時に到着すると、ちょうど夕陽が沈みかけて赤く染まっている頃だった。やや霞んではいるが雲が晴れて富士山が良く見える。
日没迫る。富士山が姿を現していた。
同上
真っ赤な夕陽が富士山の裾野に沈んで行く。
陽が沈む
同上
日没
町灯り灯る秦野の夕暮れと富士山
同上
6時まで夕景を楽しんだ後、下見しておいた権現山の山頂に移動する。エンケ彗星は富士山の真上を通過して右側の山腹に沈んで行くはず。時間は7時ごろと記憶していたが、軌道をプリントした紙を職場に置いて来てしまったのは失敗だった。夕景を見に来ていた車で駐車場のスペースが微妙に狭く、車を止めるのに手こずってしまい、大急ぎで権現山山頂に向かう。まずは200㎜をセットして富士山を狙うが、写るには写るもののかなり霞んでしまっている。金星を基準にしてピントを合わせ直して再度富士山を狙うと、今度は何も写らない。何故???
権現山から見た日没後の富士山はかなり霞んでいた。この視野ならばエンケ彗星を捉えられるはず。しかし、その後は全く富士山が写らなくなってしまった。
ズームを広角に変えてみると・・・富士山はどこへやら?? 霞と町灯りにかき消されて富士山は見えなくなってしまっていた。もちろん彗星を捉えるのも困難。
止む無し、夜景と星の撮影に切り替える。明るい星は金星。
展望台と金星。木の間に輝いているのが火星。
公園のベンチと町灯り。
肉眼では見えないがひょっとしたら・・・と、南中したおおいぬ座シリウスを撮影してみると低空にはカノープスがうっすらと写っていた。この山からも相模湾に輝くこの星を見ることが出来る。
展望台に輝く月と火星と金星。
美しい夕暮れと美しい夜景だったが、残念ながら狙った彗星を捉えることは出来なかった。明日以降は太陽に近くなり撮影するのは困難となる。残念ながら今回のエンケ彗星は撮影ならず、周期彗星で5年後にはまた見られるであろうから、再挑戦したい。
この場所を散策しながら、多くの地元の方に出会ってお話を伺ったが、たいへん愛されている山だということを強く感じた。植物に詳しい方、大きな望遠レンズを担いで熱心に野鳥を撮影されている方、気ままに界隈を散策されている方、しばしば夕景や月を撮影に来られている方など。甲府市の湯村山に似た雰囲気のある山で親近感を感じた。またいつか、訪れるであろう。
狭い車内ではあるが車中泊もだいぶ慣れてきて、翌朝8時までぐっすり眠れた。空を見れば雲が広がっており富士山は見えない。また寝て起きたのは10時。今度は雲の切れ間に富士山が見えてきていた。昨日のような黒い雲では無いので夕方には期待できるかも知れない。食事を済ませて大山の他にもう1ヶ所撮影を予定していた権現山と弘法山に行ってみることにした。秦野市の弘法山公園と権現山は秦野市の街並みの向こうに富士山が見える景勝地として知られており一度訪れてみたいと思っていた場所だ。そしてこの場所から狙っているのは日没過ぎに富士山山頂を飛んで行く2Pエンケ彗星である。現在太陽に向かってグングン高度を下げており、おそらくはこの日を逃すと撮影機会は無くなってしまう。予想光度は5~6等級であるが、前日の大山から狙ってみたものの捉えることが出来ず、おそらくは予想よりも暗く推移しているのではないかと思われる。撮影場所の確認と眺望を見るために、下見を兼ねてまず日中に訪れてみた。
山の中腹にある駐車場。
すぐ近くにトイレが設置されている。
まずは右手の高台へ行く。休憩東屋があった。
ここは浅間山という山らしい。
秦野の町の眺望が得られ、富士山も見えるのだろうが、周辺の木々が邪魔になる。もっと良い場所があるはずだ。
駐車場に戻ってGPSを取り出し、位置を確認すると権現山は道を隔てて反対側らしい。道標が付いており、そちら側の急斜面を登ると展望台の立つ権現山の山頂に出た。
反対側に道標があった。
権現山山頂は広い平坦地になっている。大きな展望台が立つ。
展望台の脇から見る秦野市の街並み。残念ながら富士山は見えなかった。
さらにその先の長くて緩やかな坂を下って弘法山に向かう。途中から見る梅の花と大山。
大山の入り口。整備された公園になっていて、道はさながら遊歩道である。
弘法山山頂。井戸と神社が立っている。
神社の裏側に立つイチョウの大木。
神社の裏側の道を下りて行くとその下に眺望の良い場所があった。おそらく、富士山は左手の端のほうに見えるはず。
道路を歩いて弘法山登り口あたりに戻り、女坂という道を下ってその下の道路を歩いて行くと広く開けた眺望の良い場所に出た。
弘法山・権現山の記事をネットで探すと秦野の町灯りの向こうに立つ富士山の画像が見つかるが、どうやら最後に見つけた道路沿いのポジションから撮影した画像のようだ。おそらく正面あたりに富士山が見えるのであろうが、残念ながら雲に隠れて富士山は見えない。
天気予報を見ると夕方にはもっと雲が広がって来るらしい。望みは薄そうなので、この日は下見とGPSログの取得だけで撤退することにする。再び東名高速に乗って御殿場で下り、須走まで行って富士山を見上げると・・・霞が多いが雲が晴れ始め、富士山の山頂が姿を現してきた。この調子ならば夕方にはきっと富士山が見えるはずだ。須走で折り返して、今度は一般道を通って権現山に向かう。展望地に5時に到着すると、ちょうど夕陽が沈みかけて赤く染まっている頃だった。やや霞んではいるが雲が晴れて富士山が良く見える。
日没迫る。富士山が姿を現していた。
同上
真っ赤な夕陽が富士山の裾野に沈んで行く。
陽が沈む
同上
日没
町灯り灯る秦野の夕暮れと富士山
同上
6時まで夕景を楽しんだ後、下見しておいた権現山の山頂に移動する。エンケ彗星は富士山の真上を通過して右側の山腹に沈んで行くはず。時間は7時ごろと記憶していたが、軌道をプリントした紙を職場に置いて来てしまったのは失敗だった。夕景を見に来ていた車で駐車場のスペースが微妙に狭く、車を止めるのに手こずってしまい、大急ぎで権現山山頂に向かう。まずは200㎜をセットして富士山を狙うが、写るには写るもののかなり霞んでしまっている。金星を基準にしてピントを合わせ直して再度富士山を狙うと、今度は何も写らない。何故???
権現山から見た日没後の富士山はかなり霞んでいた。この視野ならばエンケ彗星を捉えられるはず。しかし、その後は全く富士山が写らなくなってしまった。
ズームを広角に変えてみると・・・富士山はどこへやら?? 霞と町灯りにかき消されて富士山は見えなくなってしまっていた。もちろん彗星を捉えるのも困難。
止む無し、夜景と星の撮影に切り替える。明るい星は金星。
展望台と金星。木の間に輝いているのが火星。
公園のベンチと町灯り。
肉眼では見えないがひょっとしたら・・・と、南中したおおいぬ座シリウスを撮影してみると低空にはカノープスがうっすらと写っていた。この山からも相模湾に輝くこの星を見ることが出来る。
展望台に輝く月と火星と金星。
美しい夕暮れと美しい夜景だったが、残念ながら狙った彗星を捉えることは出来なかった。明日以降は太陽に近くなり撮影するのは困難となる。残念ながら今回のエンケ彗星は撮影ならず、周期彗星で5年後にはまた見られるであろうから、再挑戦したい。
この場所を散策しながら、多くの地元の方に出会ってお話を伺ったが、たいへん愛されている山だということを強く感じた。植物に詳しい方、大きな望遠レンズを担いで熱心に野鳥を撮影されている方、気ままに界隈を散策されている方、しばしば夕景や月を撮影に来られている方など。甲府市の湯村山に似た雰囲気のある山で親近感を感じた。またいつか、訪れるであろう。