山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

三浦半島葉山港にパール富士撮影に出かけるが・・・  平成29年3月12日

2017年03月13日 | 番外編
 前日の3月11日は午後から北杜市の八ヶ岳やまびこホールで花谷泰広さんの講演会があった。この日の夕方は朝霧高原のパール富士が撮影できる日だったので、講演終了後展示写真の撤収はるたんさんにお任せして朝霧高原に移動する。北杜市からは見えていた富士山だったが、朝霧高原に近付くにつれて雲が多くなり、朝霧高原道の駅に到着した頃は山頂がわずかに見えるのみ、さらに撮影現地に到着した頃には完全に黒い雲に巻かれてしまい、とうとう月の姿さえ見ることなく撮影時間を過ぎてしまう。1カットもシャッターを切ることなく、翌朝の撮影地葉山に向かう。新東名高速道路に乗り、足柄サービスエリアで夕食をとる。ここで同行するsanaeさんご夫婦と作戦会議、このまま葉山まで行くか、それとも途中のサービスエリアで寝るか。アナウンスが入り聞くと、厚木サービスエリアから横浜の区間が本日午後9時から明朝6時まで工事のため完全通行止めになるそうで、それに伴った渋滞が発生しているようだ。トシちゃんがいろいろと調べてくれて、圏央道が藤沢まで繋がったそうでそれを使えば海老名から圏央道を使って藤沢まで行き、下道で葉山まで行けるとのこと、ならばこのまま足柄サービスエリアで寝ようということで話が決まり、8時過ぎにはさっさと車中泊することになる。

 翌朝起きたのは未明2時半、3時に出発する。4時過ぎに葉山アリーナに到着すると、港の脇にある道沿いは車がたくさん止まっていた。撮影に来た人たちがいっぱいだと思っていたのだが、後にわかったことだがこの車は皆釣り客の人たちで、港の駐車場ゲートが開くのを待っているところだった。我らはコインパーキングに止めて撮影地を探すが良い場所が見つからない。予定していた葉山アリーナの堤防は入り口のゲートが閉鎖されており、開門は朝5時と書かれていた。5時前に開門したので事情を話して中に入れさせてもらったが、今度は堤防に昇るゲートが閉ざされており、こちらは8時半まで開かないらしい。つまり、パール富士の時間には堤防には入れないということだ。

 あきらめて別の場所を探すとヘッドライトの明かりがちらほらと見える場所があった。そちらに行ってみると砂浜の小さな海岸があり、カメラマンが一人三脚を構えてスタンバイしていた。その近くに入れさせてもらって三脚をセットするが雲がかかっていて富士山は全く見えない。しかしライブカメラ映像を見ると山中湖、本栖湖、河口湖とも霞はかかっているものの富士山は見えている。あと10~20分ほどでパール富士の時間を迎える。ここで待つことにする。


    午前5時17分、一時だけ雲間から月が現われた。予想はしていたのだが、三浦半島まで距離を離すと水平線に近い月はオレンジ色に見える。


    見えている島は江の島。


    5時25分、そろそろ富士山頂にかかった月が裾野に沈んで行く時間。全く見えない。


    このあたりに富士山が居るはずだが・・・


    もうすぐ夜明け。もう月は水平線に沈んでいる頃。

 夜明け近くまで待ったが残念ながら富士山は姿を見ることが出来なかった。残念。しかし、葉山アリーナ周辺の撮影地はある程度ではあるが確認することが出来、江の島と富士山が一緒に移し込めることがわかった。距離が離れると霞が厚くなって撮影難度が高くなるが、機会があれば再挑戦だ。


    カシミール3Dで見る本日の撮影地からの月の軌道と時間。一瞬月の見えた5分後に富士山山頂に月が昇っていたことになる。春霞に阻まれ残念な結果に終わる。

 時間はまだ6時だ。この後ガスト山に移動して3時間の作戦会議(?)を行い、次の作戦に移る。
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花谷泰広さん講演会『北杜の山々と登山の魅力』 in 八ヶ岳やまびこホール  平成29年3月11日

2017年03月13日 | 番外編
 花谷泰広さんと知り合ったのはもう5年以上前のことだと思う。アウトドアショップエルクで登山道具を物色している時にエルクの社長から彼を紹介していただいた。その当時は主に富士山の登山ガイドをされていたと聞いた。いいやつだから何かの時には使ってやって欲しいと言われ、名刺をいただいた。その時の名刺に書かれていた名前が、漢字は違うものの私と同じ「やすひろ」という名前だったので、彼のことは強く印象に残っていた。彼がピオレドール賞を獲ったのはそれから数年後のことである。

 花谷さんが主催するヒマラヤキャンプ2015が大成功に終わり、報告会がエルクで開催された。私は都合が悪く出席できなかったが、その時の写真が素晴らしかったということを耳にして、写真展をやったらどうかということをエルクに提案した。トントン拍子に話が進みその2ヶ月後エルク展示場で写真展が開催されることが決まり、その際の写真プリントと額装を一手に私が引き受けることとなった。写真の解説はヒマラヤキャンプ2015に同行した、山岳ライターで雑誌の記事だけでなく数々の著書をを出版されている柏澄子さんが担当してくれた。そんなことで、花谷さんとのおつきあいが始まることとなり、今回の講演会の際に展示する写真のプリントも私が引き受けることとなった。人と人との繋がりとは面白いもので、北杜市が主催する今回の講演会を企画・担当するのは花見隊のるたんさんであった。


    八ヶ岳やまびこホール。素晴らしいデザインの建物で、立地条件も良く一周ぐるりと美しい山々を望むことが出来る。建物の右側に見えるのは八ヶ岳。


    船の舳先を思わせる展望デッキの先には富士山が見える。


    左手には雪を被った金峰山。


    電線が邪魔になるが右手には鳳凰山から甲斐駒ケ岳に至る南アルプスの山々。左側の奥には北岳、右側には仙丈ケ岳の3,000m峰がちらりと見える。


    今回担当させていただいた写真展のコーナー。たくさんのご来場者をお迎えすることが出来、感無量だった。

 講演会の直接の関係者というわけでは無かったのだが、お昼の弁当を用意してくださりご馳走になった。今回ご来場された人たちは山に興味を持っておられる方々が多く、皆さん写真を熱心にご覧になってくれて展示して良かったとつくづく思った。午後1時半に予定通り講演会が始まった。本来は写真撮影はご遠慮していただいているのだが、半関係者ということでいちばん後部の座席から写真を撮らせていただいた。


    八ヶ岳やまびこホールの会場内。リニューアルしてさほど期間が経っていないそうで、綺麗なホールだった。かつ、音響に配慮しつつ山を意識してデザインされた構造が素晴らしい。


    定刻に始まりました。


    司会を務めるのはるたんさん。ものすごく話がうまくて、こんな才能があるのかと見直してしまいました。


    演者の花谷泰広さん。

 講演の中で、北杜市は周辺が山に囲まれていて、低山、中山、高山と様々な山が揃っており、山歩きを始めるにも、さらにステップアップして難しい山に挑戦するにもトレーニングとして絶好の場所であること、そして甲斐駒ケ岳、金峰山、八ヶ岳をはじめとする素晴らしい山々がたくさんあることが紹介された。また、南アルプスの天然水をはじめとする山から流れ出る名水の宝庫であることも紹介された。


    自分にとってこころの山『ホームマウンテン』を持ってみませんか!! 私のホームマウンテンは・・・茅ヶ岳、黒岳、竜ヶ岳、石割山・・・ひとつには絞れない。

 ヒマラヤキャンプ2016で登った未踏峰の山、ロールワリンカンの登頂ビデオも上映された。山頂への執着、周到な準備、登山の緊張感などひしひしと伝わって来る感動的なビデオだった。


    急峻な雪壁をダブルアックスで登る。


    未踏の山頂に立った瞬間。感動が伝わって来る。

 花谷さんは20代の頃に山岳ガイドと山小屋の小屋番だけは絶対やらないと思っていたそうだ。どちらも第一線のピークを過ぎたクライマーがやっているような仕事のように当時は見えからだそうだ。しかし、現在の彼の仕事は山岳プロガイド、そして今年から新たに甲斐駒ケ岳黒戸尾根にある七丈小屋の管理人をやることが決まっている。ヒマラヤキャンプも含めてこのような活動を行う根底には、多くの人たちに山の魅力を知ってもらい、たくさんの人たちに山に登って欲しいという熱い気持ちがあるからだ。登山技術だけでなくそのような熱い思いを持って山に真摯に取り組んで行く姿勢こそが彼の最大の魅力であり、また人を引き付ける源なのだと思う。


 ちょうど上映が終わった頃に3.11の地震が起こった時間となり、来場者全員起立して1分間の黙祷がささげられた。


 写真プリント者の特権で、ヒマラヤキャンプの写真を何点かご紹介します。


    未踏峰ロールワリンカン。山頂は正面のピークでは無く、左の奥に隠れて少しだけ見えるピーク。左手の尾根をアタックした。


    いざ、出陣!


    ロールワリンカン山頂での記念撮影。全員で登頂、雪焼けでみんな真っ黒。


    山頂からの眺望。正面に見えるのがエベレスト、その奥がローツェ。

 素晴らしい講演とスライドとビデオを堪能させていただきました。素晴らしいコンサートを聴いた後のような、胸に残るジーンとした熱い感動がありました。
コメント (2)
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