山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

山中湖の夕暮れの月  平成29年10月23日

2017年10月24日 | 番外編
 台風去りし後の山中湖の夕暮れダイヤモンド富士の他に、この日の山中湖湖畔ではもうひとつ狙っていたものがあった。富士山頂に沈む月齢3の三日月である。日没後1時間が過ぎて山頂に沈む月なので地球照の月の撮影時間は過ぎてしまっているが、それでも静かに輝く月が富士山頂に沈んで行くはずである。山中湖長池に移動するが撮影場所の近傍には駐車場が無く機材をザックに詰め込んで20分ほど歩いて現地に到着する。既に先客が2~3人ほど、そのうちの一人は1200㎜望遠という、とんでもない天体望遠レンズを搭載して撮影に備えていた。


    うっすらと夕焼けに染まった山中湖の夕暮れ。風も少し収まってきた。


    富士山に迫る地球照の三日月


    すっかり暗くなり富士山に露出を合わせるともう地球照の月では無くなってしまう。


    超広角レンズに変える。揺れる湖面に延びる湖畔の明かりが美しい。月齢3くらいの月だと空の星も写ってくれる。


    富士山頂に沈む三日月。うっすらと天の川が立ち昇る。

 隣の1200㎜天体望遠レンズを搭載した若者は何を狙っているのだろうか?通常の月だけならばこんな望遠レンズは不要のはずだ。話を伺ってみると、山頂にある鳥居と月を絡めて狙っているそうだ。モニターを見せてもらうと確かに鳥居と建物が見えている。ならばこちらも・・・予定では300㎜レンズで富士山山頂部分と月を狙うはずだったが2倍エクステンダーを装着して600㎜で狙うことにした。ただし、この撮影にはかなり問題があって、暗いところでの撮影だと現在の三脚では固定が悪くブレてしまうことだ。三脚を低くして構え、Iso感度を1600まで上げてシャッタースピードを1秒以内に調整するが、これでどの程度の画像が得られるのか?


    予定していたのは300㎜望遠で山頂全体を入れての撮影だったが・・・


    エクステンダー装着し600㎜に変更。小さく山頂の鳥居が見える。


    トリーミング画像。


    600㎜で撮影する月の大きさはこれくらい。少しブレていてシャキッとは写ってくれない。


    いよいよ富士山頂に月がかかり始めた。


    月の明るい部分の中に鳥居が居るはずだが・・・残念。明るさに負けて飛んでしまっている。


    トリーミング画像。地球照の中にはうっすらと鳥居の形が見える。


    地球照の月と富士山頂の鳥居


    なんとか見えるが、とてもではないが富士山山頂の鳥居には見えない。

 地球照の月の中になんとか鳥居らしきものが見えるが、とてもではないが富士山の鳥居と言えるほどの鮮明な画像は得られず、今回のチャレンジは失敗と言える。おそらく、もう少し明るい時間の地球照の月でなければ、現在の装備ではこの撮影は困難であろうと思われる。


    月が沈んだ後の山中湖と富士山


    うっすらと富士山に立ち上がる天の川

 空にはうっすらと霞が出始めてしまった。澄んだ空だと思っていたのだが思ったほど天の川は輝かなかった。

 もう1ヶ所、今シーズン撮っておきたい画像があったので朝霧高原に移動する。しかし、道の駅朝霧に到着した頃には富士山の上の空は雲におおわれて星は見えなくなってしまった。狙っていた星の撮影は困難、撤退する。期待した台風一過の星空だったが、深夜までは持ってくれなかった。
コメント (2)
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台風去りし山中湖のダイヤモンド富士  平成29年10月23日

2017年10月24日 | 番外編
 台風が通り過ぎ、甲府市北部にある我が家の界隈はさほどの被害も無く朝を迎えた。まだ風が強いものの、青空が見え始め雲に巻かれた南アルプスが姿を現している。富士山はまだ見えていなかったが、お昼近くになるとスッキリとした青空の中に富士山が見えるようになった。空気が澄んでこれほどスッキリと見える富士山は珍しい。この日に狙わずにいつ狙うのか?もう山中湖では夕暮れのダイヤモンド富士が撮れる季節を迎えている。仕事をさっさと終わらせて午後から山中湖に向かう。

 この季節の山中湖ダイヤモンド富士は午後4時10分ごろである。撮影場所であるきららに3時に到着してGPS片手に撮影地を探す。台風の余波でまだ風が強く、山中湖の水面は波打っているのでダブルダイヤモンド富士は難しい、ならば、以前から何度かチャレンジしている白山岳に沈む割れるダイヤを狙ってみることにするが、そもそも剣ヶ峰ほど尖っていない白山岳で、しかも山中湖という富士山に近い位置から狙ってダイヤが割れてくれるのかどうかかなりの疑問がある。撮影ポジションがかなり難しいであろうが、これもチャレンジである。


    太陽が富士山山頂に傾いている。ポジションはこのあたりだろう。桟橋の下に下りて湖畔に三脚を構える。


    富士山頂に太陽が差し掛かる。湖畔に映る太陽が波で揺れるのを計算してこの構図で固定。


    絞りを強くするとこのように星形にはなるが、レンズの性能でこれが限界。


    山中湖の夕暮れダイヤモンド富士。ダブルダイヤではないが、これはこれで良いのかと思う。しかし、インパクトはいまいち。


    あっという間に白山岳に夕陽が沈む。

 さて、こちらがもう1台の600㎜レンズで撮影した白山岳に沈む夕陽である。風が強く、ファインダー越しに覗く夕陽はブレまくっている。しかし、シャッタースピードが1/4000~1/8000という高速のためになんとかブレずに撮影は出来ているが・・・完全に位置がずれた。


    600㎜望遠で捉えた白山岳と夕陽。


    白山岳に夕陽が差し掛かっているが・・・


    残念。かなり左にずれた。10mくらいだろうか?


    白山岳で割れるダイヤはポジション取りに失敗。

 湖畔からの撮影は朝霧高原とは違って右に寄りたくてもその先は湖の中である。この日もGPSに登録してあった位置はもう少し右だったのだがマークした位置自体に誤りがあって湖の中だった。かつ、位置の誤差がまだ計算出来ておらず、正確な位置はまだ割り出せていない。今回のデータを元にして再トライであるが、そもそもこの位置から割れるダイヤは可能なのだろうか?撮影してきた画像から太陽の大きさと白山岳の尖り方のマッチングを見たのが下の画像である。


    photoshopで太陽輪郭をコピーして白山岳に重ねてみる。理論的にはこの距離で割れるダイヤの撮影は可能である。

 山中湖湖畔からでも理論的には割れるダイヤの撮影は可能であると言えるだろうが、白山岳から出ている太陽の部分がきわめて小さくポジション取りはかなり難しいうえに時間的にもほんの一瞬だろう。かつ夕暮れの太陽がすっきりと見える日もかなり少なく難しい撮影になることは間違い無い。距離を離して高指山周辺や石割山界隈から狙ったほうがもう少し難易度は下がるのではないかと思う。剣ヶ峰の多重分割ダイヤに加えて、こちらの白山岳で割れるダイヤも今後の課題である。
コメント (4)
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