山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

甲斐駒ケ岳黒戸尾根のクモイコザクラ  令和1年6月1日‐2日

2019年06月03日 | 山に咲く花
 例年よりも若干遅れて黒戸尾根5合目付近のクモイコザクラが開花したらしい。甲斐駒ケ岳七丈小屋の情報を見ると先週までは黒戸山付近に残雪があったようだがそれは溶けて小屋まではもうアイゼン無しで行けるようになったようだ。今回は七丈小屋に一泊させていただき、クモイコザクラを見に行くことにする。所属する嶺朋クラブのメンバーと2人で竹宇駒ケ岳神社から出発したのだが相方は体調不良で横手分岐までで引き返すことになり、単独で七丈小屋を目指すことになる。


    竹宇駒ケ岳神社から登る。


    尾白川にかかる橋を渡る。


    新緑眩しい尾根道


    ヤマツツジが散り始めていた。


    笹の平のお地蔵さん


    ジンバイソウの葉。毎年数が減っているがそれでも100株近く確認できた。


    星になったヒメイチゲ


    ウスバサイシン


    針葉樹林の森に入る。


    やっと刃渡り。ここまで5時間かかった。


    刃渡りの岩場に咲くコイワカガミは咲き始めたばかり。


    ミヤマヤナギと鳳凰山

 刃渡りを過ぎて刀利天狗への登りはハシゴが続く急登になる。何度も登っている場所ではあるが毎度のことながら息が上がりっぱなし、刀利天狗はまだか?と思ってしまう。刀利天狗で一休みした後は黒戸山への緩い登りになるが、この登りが結構長くて辛い。


    ハシゴ登り


    ハシゴをひと頑張りすると刀利天狗に到着する。


    黒戸山の周辺はマニアの植物の宝庫。今年はイチヨウランが当たりのようだ。


    ウズラ葉のイチヨウラン。蕾にもウズラ模様が入っている。


    セリバオウレンは黄緑色でおそらくウスギオウレンと思われる。


    ウスギオウレン


    5合に到着。甲斐駒ケ岳が姿を現す。目指す七丈小屋は右のピークを越えてさらにその先だ。


    5合目の祠とハシゴ。この先にまた心折れるような激登りが待っている。


    ハシゴ


    ハシゴを登って平坦になってまた眼前に立ちはだかる山とハシゴ。


    鉄剣


    ハシゴ登り


    急傾斜の激ハシゴ。この上にはさらに鎖場の激登りが続き、それを過ぎてやっと七丈小屋だ。

 7時に竹宇駒ケ岳神社を出発し、予定では午後4時前に七丈小屋到着予定だったが到着したのは4時半だった。足が遅いのもあるのだが三脚を出して花の写真を撮影するのに時間を費やしていたことも大きい。出来るだけ疲労しないようにゆっくりペースで歩いてきたがそれでも激疲れだ。痛めていた右足首も少し痛みがひどくなり、痛み止めを飲もうとしたところ見つからず、幸いにして小屋に止まっていた山梨県岳人会のメンバーの方から痛み止めを分けてもらうことが出来た。

 さて、目的のクモイコザクラであるが花は咲き始めたばかりで5分咲きから7分咲きくらいの新鮮な花に出会うことが出来た。


    咲いていました。クモイコザクラ。


    咲いたばかりの新鮮な花。


    岩の隙間に咲くクモイコザクラ


    まだ蕾の株も多かった。


    こちらは咲き始めたばかりの色の濃い花


    岩場に咲くクモイコザクラ


    背高ノッポの株


    雌しべが突出している雌花


    葉はやや大き目、切れ込みは3分の1までは行かない。葉先は尖っているが先端部が少し内側に丸まっていて、葉にはやや毛が多い。

 この場所のクモイコザクラの葉は八ヶ岳のものよりもやや毛が多く、葉先が少し内側に丸まっており十二ヶ岳で見たものにやや近い印象を受ける。分類上は南アルプスに咲いているものなのでクモイコザクラとして良いであろう。個体数も十分にあり岩の崩落が無ければ絶滅の心配はまず無いと思われる。

 明朝は金星と細月が接近している日で、天候が良ければ9合目あたりまで登りたいのだが、8合までの残雪が多く持って来たチェーンスパイクで夜間に登るのはきわめて難しそうである。空模様もいまひとつだし、既に90%諦めモードである。とりあえずは登ることも視野に入れつつ、8時の消灯時間には眠りについた。


    
コメント (2)
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