山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

身延山に生育しているシダたち  令和2年3月22日

2020年03月23日 | シダの仲間
 満開の桜を楽しみながら、花とシダを探しながら身延山の参道を時計回りに周回してきた。残念ながら参道内ではあまり目ぼしいシダには出会えなかった。


    お寺の名前は知らないがシダレザクラは見事だった。


    この辺りの石垣に生育しているのはほとんどがトラノオシダだった。


    妙石坊の鳥居下にはイワヒバが生育していた。


    境内のあたりはやはりトラノオシダ。まだ葉を展開したばかり。


    日当たりの良い道沿いには芽吹いたばかりのシダが葉を展開し始めていた。


    軸には毛が多い。葉の形から見て、イワヒメワラビらしい。このシダはゴソゴソっと群生するようだ。


    20丁目付近、松樹庵のタチシノブ群生


    その付近の石垣の隙間を探索。あったか!と思ったのはコバノヒノキシダだった。


    林道の横から流れ落ちる滝


    その下にあったのはイワトラノオ


    少し湿った岩壁にはイワトラノオが群生していた。


    もうひとつ、岩壁に生育していた芽吹いたばかりのシダ。生育環境と葉の形からイワデンダと思われる。


    感井坊を過ぎて稜線上の石垣に付着していたシダ。


    先端部に無性芽が付いている。ツルデンダ。

 松樹庵で休憩していたところ、おかみさんからお茶をご馳走になってしまった。そこで、花仲間から送ってもらったメールを見せて、漢字の読めないこの場所はどこにあるのかと伺ったところ、丁寧に場所を教えてくれた。裏参道の中腹あたりにあるのかと思っていたらもっと下のほうにあることが分かった。下山した後にそちらを訪問してみる。


    教えていただいた場所は苔の生い茂る緑豊かなところだった。薄暗くて湿った感じも、いかにもシダが生えていそうである。


    水際に生えていたカタヒバ


    芽吹きのイノデ。毛むくじゃらで可愛らしい。


    大型のハカタシダ。周辺にもハカタシダが多数生育していた。


    そのハカタシダの根元に・・・居ました。チャセンシダ。


    岩の隙間にゴソゴソっと固まって生育している。


    ルーペは持ち合わせていないので、マクロで中軸を撮影する。


    トリーミング画像。盛り上がってはいるが翼は無い。これはイヌチャセンでは無くてチャセンシダである。


    岩の上に生育していたチャセンシダ


    大株のチャセンシダ


    撮影に熱中していたらもう夕暮れ近くなってしまった。


    桜もシダも、そして花も存分に楽しませていただきました。

 今までチャセンシダらしきものは林道脇の岩壁に少しだけ生育していた個体しか見ていなかったが、これほどたくさんの個体に出会えるとは嬉しい限りである。シダも素晴らしかったが苔が生い茂るこの場所の環境も素晴らしかった。モダンな感じがする身延山久遠寺であるが、場所を変えるとこんなにも昔の自然が残っている古風な場所があるのを知った。
    
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満開の桜を見ながら身延山を周回  令和2年3月22日

2020年03月23日 | 山梨百名山
 身延山に桜の花見に出かけたわけでは無いのだが、偶然満開の桜の時期に当たったと言ったほうが良いであろう。この山の界隈に生育していると聞いているチャセンシダを探すのがいちばんの目的であるが他にも見たいものがある。前日身延山を訪れた花仲間が1株だけそれらしきものを見つけてきてくれたが、場所がどこだか良く分からない。とにかくまず登ってみよう、ということで、裏参道を登って表参道を下山する時計回りの周回コースで歩いてみることにする。花見渋滞が予想されるので、7時ごろに無料駐車場に入るが、まだ数台分の駐車スペースが空いていた。しかし、いきなり勘違いで道を間違えて表参道を八丁目あたりまで登ってしまい、途中で分かれていると思っていた裏参道の入り口はもっと下で分かれていることにたまたま出会ったお坊さんに教えていただいた。道を戻って歩きなおしである。桜を撮り歩きながら裏参道入り口に着くと、スタートは8時半になってしまった。


    向こうに見えるのが身延山山頂。近そうに見えるがそれなりに遠い。


    久遠寺のシダレザクラと身延山


    シダレザクラと身延山


    まだ朝の8時前だがたくさんの訪問客が訪れていた。


    満開の桜。三脚を立てたカメラマンがたくさん居た。


    シダレザクラ


    この辺りに居たのはトラノオシダ


    裏参道で最初に現れるお寺、妙石坊


    妙石坊のシダレザクラ


    スギの大木が神木として奉られている。


    タチツボスミレとトラノオシダ


    登山道脇のスギの大木


    滝


    その下に居たのはイワトラノオ


    ミツマタ群生


    天然記念物千本杉


    スギの年輪


    やっと稜線にある感井坊に到着。3時間半くらいかかった。

 道が整備されているのは良いのだが、ひたすら林道歩きする修行のような道である。積まれた縁石の間や岩壁に探しているシダがあるのではないかと再三覗き込みながら歩いてきたが目ぼしいものには出会えなかった。ここから先は稜線上の乾いた道なのでシダはほとんど望めない。軽食をとって身延山山頂に向かう。


    山頂に立つ思親閣の山門


    思親閣本殿


    展望台から見下ろす富士川の流れ


    チラ見えの富士山

 展望台で小休憩して表参道を下山する。こちら側は石仏や灯篭があちらこちらに立っている由緒ある参道である。


    こんな場所があったとは知らなかった。表参道は2度登っているが、ダイヤ狙いで夜中に通るため見えなかった。


    圧倒的な墓石の数、枝垂れ桜も良い。

 探していたシダは見つからず、目ぼしいシダには出会えなかったが、他にも見たかった花がこの周回ルートには咲いている。ちょうど満開の良い花に出会うことが出来た。


    この山でこの花を見るのは初めてである。


    想定していたよりもたくさん咲いていた。


    カイコバイモ


    地味に美しい花である。

 この山のカイコバイモは個体数が少ないと聞いていたがそれなりの花数は見ることが出来た。チャセンシダは花仲間から在り処のメールが届いていたので、途中の宿坊でその場所を訪ねてみたところ思っていたよりも下のほうにあることが分かった。日没にはまだ十分に時間があったので下山してさらに下ってその場所を訪れてみることにする。(シダ編に続く)





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クラマゴケを探せ 朝霧高原  令和2年3月21日

2020年03月23日 | シダの仲間
 それほど珍しくは無いのかも知れないがまだ見たことが無い(と思っていた)クラマゴケは、山梨県では富士山の周辺に生育しているらしい。夏になったら探しに行こうと思っていたところ、一昨年朝霧高原で撮影した画像を見直していたらそれらしきものが写っていた。しかも画角に入り切らないくらいの大量である。その頃はまだシダ類を本格的に始めていたわけでは無かったので何だか分からない植物としてそのままになっていた。しかし見直してみればどうみてもクラマゴケである。おそらくあのあたり・・・だったはずだと探しに出かけるが、想定していた場所はいくら探しても見つからない。


    2年前の5月に出会った群落。この頃は変わったコケくらいにしか思っていなかったが、見直してみればこれはクラマゴケ。


    こんな感じの場所の近くだと思ったが見つからない。


    苔の生えた良い雰囲気の森だが、あるのはジュウモンジシダくらいで目ぼしいものは見当たらず。


    木に着生したヒメノキシノブ


    空気湿度が高いためかこの周辺の木にはたくさん着生しているヒメノキシノブ


    まだ春早く何も生えていない森の中。

 2時間ほど探したが見つからず、森を抜け出て遊歩道に出るあたりで茶色っぽくなったクラマゴケを発見した。あたりを見回すと一面がクラマゴケだらけだったが、以前に発見した場所とは全く別の場所である。


    以前とは別の場所で茶色くなったクラマゴケ群落に出会う。常緑性のはずだが冬は色変わりするようだ。


    緑色の新鮮なものもあるが、周辺もみなクラマゴケ。


    何とか出会えました。


    そんなに珍しいものでは無いと思うが、そんなにたくさん見かけるものでもない。


    ヒナスミレがちらほらと咲いている。


    ユリワサビも咲き始めたばかり。


    これが咲いていれば咲いているだろうと思ったが・・・


    ハナネコノメはまだ開いていなかった。


    そしてこちらもまだ固い蕾。


    咲くのは2週間くらい先になりそうだ。

 クラマゴケはなんとか出会えたがあまり元気が無かった。以前とは別の場所だったので、おそらくこの界隈は探せばほかにも群生している場所があると予想される。それともうひとつのお目当てだったクリーム色の小さな花はまだ固い蕾で開花した花にはひとつも出会えなかった。またの機会に会いに行ってみたい。

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