山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

北杜市に咲くミチノクフクジュソウ、他  令和2年3月15日

2020年03月16日 | 里に咲く花
 シダの師匠はもちろん花に関しても詳しく、以前からいくつか見つからない花のご案内をお願いしていた。そのひとつが山梨県では北側のほうに分布しているミチノクフクジュソウである。何度か下見に行っていただいたようで、ようやく咲き始めたと花仲間を通じて連絡があった。本日は黒富士界隈を散策の予定だったので一度は行けないと連絡したのだが積雪のため行かないことにしたので、午前中に花仲間に連絡をして合流させてもらうこととなった。

 花仲間の車に同乗させていただいて師匠を迎えに行き現地に移動する。今度はカメラを忘れないように、しっかりと持っていることを確認して行く。


    初めて見るミチノクフクジュソウ。まだ咲き始めたばかり。


    印象としては、少し背が高くなってから花を咲かせる感じ、少し色が薄い。葉が細いような印象も受ける。


    一番肝心なのはこの萼片の長さ。確かに花弁の半分くらいの長さで、フクジュソウに比べると短い。


    個体数はそこそこにあるが、それでも畑が荒れて半分くらいになってしまったと伺った。

 フクジュソウとミチノクフクジュソウの一番の違いは萼片の長さである。フクジュソウは花弁と同じくらいの長さだがミチノクフクジュソウは半分くらいしかないらしい。はっきりと分かるものが多いのだが、萼片と花弁が区別しにくくて良く分からない個体もいくつか見かけた。花の色もミチノクフクジュソウのほうが薄くてクリーム色の花弁と言われている。満開の頃に再訪してみたいが、人の車に乗せてもらうと方向音痴の私はどこを走っているのか分からず、たどり着くかどうかが心配である。カメラは持って来たがGPSを忘れてきたのは痛かった。

 次に案内していただいたのがこれもお願いしてあったイヌノフグリである。田畑の周辺に生えているとは書かれているがあるのはオオイヌノフグリばかりでイヌノフグリは全く見つかる気がしない。やっと見つけたと思ったのはコテングクワガタだった。


    田畑の土手では無くて石垣の間に生育していたイヌノフグリ。


    小さいとは聞いていたが想定外に小さい。これではあったとしても見つけられないだろう。


    トリーミング画像。オオイヌノフグリとは葉の形も違う。


    フグリの名の由来となっている種。これも極小である。

 師匠の家でコーヒーをご馳走になった後にさらにもう1ヶ所ご案内していただいた。これもレッドデータブックの分布地は見ているが自力では絶対に発見できないだろうと思っていたシダである。


    夏緑生のシダなのでこの季節は枯れてしまっている。


    しかし根元に生えるこの特徴的な毛を見ればすぐにそれと分かる。キンモウワラビだ。


    葉裏いっぱいに付着しているソーラスの名残り。

 本日ご案内していた植物は全て山梨県絶滅危惧種である。雪のおかげで予定変更となり、本日はこのような貴重な植物を見ることが出来た。こんなに見せてもらって良いのか、という気さえしてしまう。持つべきは良き師匠である。
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葉を展開し始めたヒメウラジロ  令和2年3月15日

2020年03月16日 | シダの仲間
 予定では黒富士農園から黒富士あたりまで登って岩の間に生育しているであろう常緑性のシダ探索を行ってくるはずだったが、雪が降ったために岩の間をのぞき込むのは困難となりシダの探索は難しくなってしまった。沢沿いを途中まで登って撤退し、別のシダを見に行ってみることにする。1月に訪れた際は冬季の乾燥から身を守るために枯れたように葉を丸めていたヒメウラジロであるが、昨日の雨と本日の好天で葉を展開しているかもしれない。


    ヒメウラジロが生育している石垣。前回の1月訪問時よりはだいぶ青色の葉が見えているが、まだ半分以上は葉を丸めたままだ。


    ヒメウラジロ。山梨県では極限られた場所にしか生育していない珍しいシダ。


    一部の葉を展開して緑色になっている。しかしまだ元気が無い。


    まだ半分以上は枯れたように葉を丸めている。


    辺縁に付着したソーラスが良く見える。


    ヒメウラジロの名の通り、裏側は白い。

 富士山と一緒にこのシダが撮れないかどうか画角を探してみたがなかなか難しそうである。葉をすべて展開するのは6月以降になるのではないかと思われ、この場所に陽が当たる午後の時間にその季節に富士山が見えるのかどうかも難しそうである。周辺を散策してみる。


    トキワトラノオ


    このシダはヒメウラジロと同じく石灰岩地を好む。この石垣は石灰を含んでいるのかも知れない。


    ソーラス


    これはトラノオシダと思われる。


    日当たりの良い場所に居るためか、あるいは岩質によるのか、いつも見ているものよりも葉が厚くて少し光沢があるように見える。


    山盛りになっているソーラス

 こちらの場所ももう少し暖かくなった頃に訪れてみたいと思う。出来れば、富士山が姿を見せているときに訪問してみたい。
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咲き始めたハナネコノメソウ 黒富士農園  令和2年3月15日

2020年03月16日 | 里に咲く花
 高尾山のハナネコノメが見ごろを迎えているらしい。昨年の台風の影響で数が減ってしまったことは残念である。山梨県県南部のハナネコノメが咲いているのは先週沢を散策した際に確認している。おそらく花数の多い黒富士農園周辺の沢沿いも咲き始めているころではないだろうか。前日雪が降ったことだし、うまくすれば雪の中に顔を出して咲いているハナネコノメが見られるのでは?という雪とハナネコノメ狙いで訪れてみる。


    雪化粧した黒富士農園の入り口。さほどの積雪ではなく沢沿いを歩くには問題無さそうである。


    早春の沢の流れ。うまく顔を出して咲いていてくれれば良いが・・・


    日当たりの良い場所でようやく咲き始めたばかりだ。ちょっと早かった。


    雪の中に顔を出しているハナネコノメソウ。ほとんどが蕾。


    咲いていれば良い景色だっただろう。


    さらに上流へ。


    こちらはほとんど雪に埋もれていてまだ開いていない。


    ちょっと早過ぎたようだ。


    雪の残る早春の渓谷。もう少し暖かくなったら再訪してみよう。

 雪の中に顔を出しているハナネコノメソウはまだほんの少し咲いたばかりだった。あと1~2週間すれば見ごろを迎えている頃だろうが、もう雪景色は期待できないだろう。この界隈はあまり台風の影響は受けていないようで、前年と同じ場所に石や岩がある。今年もたくさん花を咲かせてくれることを期待したい。
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樹氷輝く 富士川町林道  令和2年3月15日

2020年03月16日 | 番外編
 ここのところシダの話ばかりだったので、久しぶりの風景写真である。

 前日の雨は山中湖界隈や標高の高いところでは雪になった。未明から晴れの予報のこの日は樹氷の景色を見る絶好の機会である。かつ、ステラナビゲーターで国際宇宙ステーションISSの軌道を見てみると、未明4時ごろに木星の近くを縦方向に通過して行く。富士山山頂にこのISSが下りてくる場所を計算してみると竜ヶ岳の東屋界隈が良さそうである。もうひとつは距離を離して高下かその上にある林道付近である。竜ヶ岳東屋に午後4時前に到着するには本栖湖キャンプ場を2時半に出発しなければならず、1時半には自宅を出発しないと間に合わず、これはほとんど寝ている時間が無いということになる。一方の高下近くの林道は歩かなくて良い分だけ1時間遅い出発で間に合う。夜9時半に寝て未明2時に起きて出発する。中部横断道を使って増穂町まで行くと、櫛形山には雲が巻いていて中腹から上が見えない。どうしようかと迷っているうちに増穂インター出口を過ぎてしまい、次の六郷インターで折り返して増穂に戻って現地に向かうが、時間はギリギリになってしまった。なんとか4時前に到着は出来たが残念ながら富士山は見えていない。富士山ライブカメラでは綺麗な富士山が見えているので、どうやらこの雲は自身の居る山の周辺に出たものらしい。残念ながらISSは撮影成らず。しかし、30分ほど待っていると雲が晴れて富士山が見え始めた。しかも見下ろす富士川の周辺には雲海が出ている絶景である。期待していた樹氷も綺麗に付いている。


    雲が晴れて姿を現した富士山。


    富士川周辺には雲海が広がっている。明るい星は木星。


    この日は火星・木星・土星が斜めに並んでいる日だった。右上の空が明るいのは半月前の月が照らしているため。


    月が照らす樹氷と富士山


    いちばん明るいのが木星、その右上に輝くのが火星、左下が土星である。月明かりに負けて火星と土星があまり輝いて見えない。


    雲の中の月ともうひとりのカメラマン。


    しばらく富士山は雲隠れしてしまう。


    再び姿を現した富士山


    樹氷に輝く月


    美しき樹氷の森


    夜明けが迫る富士山と樹氷


    朝焼けの雲


    日の出


    朝日射す樹氷


    朝日に輝く樹氷


    樹氷の木々


    未明から夜明けの樹氷の景色を存分に楽しませていただきました。

 雲海付きの富士山と樹氷の景色を存分に楽しめた、素晴らしい朝だった。この界隈からの星や天の川や細月の景色は1月から再三狙っていたのだが、ひとつは良い天候に恵まれなかったこと、もうひとつは早朝に起きる元気が無く見ることが出来ていなかった。1月に訪れたダイヤモンド富士以来、久しぶりに訪れて見る今朝の景色は出来過ぎである。
コメント (2)
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