山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

甘利山椹池のアギナシ  令和2年9月6日

2020年09月10日 | 花・花・花
 椹池で一昨年の秋に花を確認したが、昨年は見つからなかったアギナシという水草がある。山梨県では絶滅危惧Ⅱ類のオモダカ科の花であるがあまり目にする花では無い。今年こそはもう一度花を見てみたいと、そろそろ咲いているだろうと思われる9月初旬に訪問してみる。


    椹池。まだサワギキョウが咲き残っている。


    サワギキョウ


    アブラガヤ。マツカサススキないしはその仲間を探しているが見つからない。


    池の中にある島にそれらしき葉が見える。


    矢じり型の葉、たぶんこれだろうが、葉の幅が広くてこれはオモダカに見える。


    別の場所を探してみる。今度は細い矢じり型の葉が見つかった。


    間違い無し、今度こそアギナシの葉だ。


    しかし、いくら探しても花は見つからず、花穂が出ていないように見える。

 水面に出ている島の大きさが小さくなったように見え、アギナシの数はだいぶ減ってしまったように見える。今年も咲いてくれないのではないだろうか。


    平成30年8月下旬に撮影した同じ場所のアギナシ


    個体数は多く無いが花穂はしっかりと出ている。


    アギナシの花


    2年前はこんな元気な花を咲かせていたのに今年は残念。

 大雨の増水などで痛んでしまった可能性が高い。今後咲いてくれるのかどうか、先行き心配である。

 撮影しているうちにポツポツと雨が降り出したかと思ったらあっという間に土砂降りの雨になった。雷鳴も轟き、もはや撮影どころでは無くなり急いで撤収して車に戻った。まだ時刻は午後3時である。おそらくは通り雨であろうから、そのうち上がるだろう。もう1ヶ所、池に立ち寄ってみる。

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カイコバイモ(ユリ科)

2020年09月10日 | ユリ科
 山地の広葉樹林の林下に生育する多年草である。さかずき状鐘型の花を付け、角ばっておらず丸みを帯びている点でコシノコバイモと異なり、女性的な感じがする花である。山梨県県南部と静岡県に限局して生育する稀少な花である。


    カイコバイモ 平成28年4月 南部町の山で撮影


    同上


    同上


    同上 この場所ではこの年がいちばんたくさん咲いてくれた。


    カイコバイモ 平成31年3月 南部町の別の山で撮影


    同上 花被片の突起は無いか目立たない。


    同上 花の内側


    カイコバイモ 令和2年3月 身延町の山で撮影


    同上


    同上 丸みを帯びた女性的な感じがする花。個人的には「甲斐の姫君」と呼んでいる。

 ➡山梨県の絶滅危惧のユリ科植物一覧に戻る

 ⇒山梨県の希少野生動植物種と指定種・特定種について

 ⇒山梨県の絶滅危惧の植物 ~科別分類~
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コシノコバイモ(ユリ科)

2020年09月10日 | ユリ科
 山地の広葉樹林の林下に生育する多年草である。角ばった釣鐘型の花を付け、男性的な感じのする花である。普通は淡黄色、ないしは薄緑色の花であるが咲き始めの頃には薄い暗紫色をしている。山梨県では御坂山系の山の極限られた場所に生育しており個体数は少ない。


    コシノコバイモ 平成30年3月 御坂山系で撮影。咲き始めの暗紫色の花。


    同上


    同上 花の内側


    コシノコバイモ 令和2年3月 御坂山系の別の場所で撮影。


    同上 この年は固まって咲いた場所があったが、全体的な個体数は少なく例年と変わらなかった。


    同上 花は角ばっていて男性的に見える。個人的には「越野の君」と呼んでいる。


    同上 渓谷を見下ろして咲くコシノコバイモ


    令和2年3月撮影 雪の中に咲いたコシノコバイモ


    同上


    時としてアルビノの個体を見ることがあるが、この個体は2年間姿を見せた後は消失。

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 ⇒山梨県の希少野生動植物種と指定種・特定種について

 ⇒山梨県の絶滅危惧の植物 ~科別分類~
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山梨県の絶滅危惧のユリ科植物一覧

2020年09月10日 | ユリ科
 2018年版山梨県レッドデータブックに登録されている絶滅危惧のユリ科植物は以下の通りである。

山梨県絶滅危惧ⅠA類(CR)

 カイコバイモ(2005山梨県CR 2017環境省EN)
    

 コシノコバイモ(2005山梨県CR 2017環境省-)
    

 ヒメアマナ(2005山梨県CR 2017環境省EN)
    

 ササユリ(2005山梨県CR 2017環境省-)
    

 スルガジョウロウホトトギス(2005山梨県CR 2017環境省EN)
    


山梨県絶滅危惧ⅠB類(EN)

 ミヤマクロユリ(2005山梨県EN 2017環境省-)
    

 ホソバノアマナ(2005山梨県VU 2017環境省-)
    


山梨県絶滅危惧Ⅱ類(VU)

 該当なし



山梨県準絶滅危惧種(NT)

 アマナ(2005山梨県NT 2017環境省-)
    


山梨県情報不足(DD)

 ヒロハノアマナ(2005山梨県DD 2017環境省VU)


 大部分の花は見て廻って来たがヒロハノアマナは山梨県にあるのかどうか不明である。引き続き探索を続けたいと思う。

 ⇒山梨県の絶滅危惧の植物 ~科別分類~



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ヒメハナワラビ(ハナヤスリ科)

2020年09月10日 | シダ類
 亜高山帯から高山帯の日当たりの良い草地に生育する夏緑生のシダである。舌状の栄養葉と多数の球状胞子嚢を付ける胞子葉を同じ茎から分岐させる。山梨県では八ヶ岳、北岳周辺、富士山などに生育しているが生育地での個体数は少ない。


    ヒメハナワラビ 平成30年7月 八ヶ岳で撮影


    令和1年7月 八ヶ岳で撮影


    同上 まだ幼弱な個体である。


    令和2年8月 富士山で撮影


    同上 この場所のものは個体が小さく数が少ない。変種のコケハナワラビではないかとの説もある。

 ➡山梨県の絶滅危惧のシダ類一覧に戻る

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オノエラン

2020年09月10日 | ラン科
  山地帯(主にブナ林)の草地や岩場に生育する白いランである。唇弁の奥には黄褐色のM字の紋が入る。山梨県では主に御坂山系で生育が確認されており、個体数はあまり多く無い。花期は6~7月。


    オノエラン 平成26年6月 御坂山系で撮影


    同上 


    同上 岩稜帯の中にある草地を好んで生育している。


    平成29年6月 御坂山系の別の山で撮影


    同上 唇弁の奥にはM字型(逆M字型)の黄褐色の紋が入る。

 ➡山梨県の絶滅危惧のラン科植物一覧に戻る


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大蔵高丸周辺に咲く夏の花たち ~稜線編~  令和2年9月5日

2020年09月10日 | 山に咲く花
 1時間で到着できるはずの渓谷の中の道を3時間ほどかけて探索し、12時に湯ノ沢峠の稜線に抜け出た。扉を開けて保護柵内に入るとノハラアザミがたくさん生えている草地になる。保護柵の外とはまるで別世界である。しかし少し訪問時期が遅く、ノハラアザミの花はほとんど枯れて終わっている。たぶんハマイバ丸まで行けばタムラソウやセイタカトウヒレン、そして目的のヒメヒゴタイなどが咲いているはずである。ところが、大蔵高丸を過ぎたあたりから稜線は深い霧に覆われるようになり、遂には雨が降り出しさらに遠雷が轟き始める。


    登山道脇にはみ出して咲いていたハナイカリ


    ノコギリソウ


    大蔵高丸山頂。このあたりから雲行きが怪しくなり遂に雨が降り出し、さらには遠雷が轟き出す。急いでハマイバ丸に移動する。


    ハマイバ丸の保護柵内に咲いていたマツムシソウ


    ゴマナの群生。霧で霞むうえに遠雷が怖くて落ち着いて撮影して居られない。


    ゴマナとタムラソウ


    セイタカトウヒレン


    いちばん見たかったヒメヒゴタイ


    ヒメヒゴタイ


    満開を少し過ぎていたが見ごたえ十分。遠い位置にもっと大株があったが遠すぎるうえに霧で霞んで撮影できず。


    別株


    こちらは満開だったが角度がいまいち。

 もう少しゆっくり楽しんできたかったが、雷が怖くて早々に撤退して来た道を戻った。


    霧の中に咲いたマルバタケブキ


    コウリンカ

 帰り道は大蔵高丸山頂あたりで一時雨が強くなったが湯ノ沢峠を過ぎて沢まで下りると雨は止んでくれた。あとはゆっくりと渓谷の景色を楽しみながら下山した。保護柵の効果が現れてますます素晴らしいお花畑が楽しめるようになった大蔵高丸からハマイバ丸の稜線は、今年も楽しませていただいた。もう少しゆっくりと写真を撮りたかったが天候が悪くて少し物足りなかった。

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