山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

尾白川渓谷の花とシダを少しだけ散策  令和2年9月26日

2020年09月28日 | シダの仲間
 石空川渓谷では土砂降りの雨だったが渓谷を抜け出すと雨はあまり降っていなかった。どうやら山沿いだけ雨が強かったようである。ではもう1ヶ所、そちらの渓谷でもアカハナワラビの葉を見たことがある尾白川渓谷を少しだけ散策してみる。小雨が降っているがさほど強い降りでは無い。カッパを着て散策に出かける。


     橋を渡って渓谷に入る。小雨だったが散策している人がちらほらと居た。


    気になっていたのがこのエビラシダがどうなっているかだったが、もう枯れかけている。


    まだまともなほうのエビラシダ


    成熟したソーラスがまばらに付着。


    決着を着けたいと思っているのがこのイノデの仲間。南アルプスのやや高地で目撃したホソイノデを期待したのだが下部羽片は縮小していない。


    ソーラスは中肋と辺縁の中間あたりに付着。


    やや幅広い茶色い鱗片


    中軸の鱗片はやや幅広(披針形)か細長い(線状披針形)。おそらくこれはイワシロイノデであろう。


    この渓谷沿いで多いのはシラネワラビとそれによく似たこのホソバナライシダ。第1羽片の下向き最下小羽片だけでなく第2羽片の下向き最下小羽片も大きい。


    葉裏の全体にソーラスが付着する。


    ソーラスは裂片の辺縁寄りで切れ込みのところに付着する。


    淡褐色の鱗片が付着しているはずだが痛んで軸に張り付いてしまっている。


    シロヨメナは今が花盛り。


    シロヨメナとホソバナライシダ


    オクモミジハグマも見ごろを迎えていた。


    オクモミジハグマ

 ジンジソウがそろそろ咲く頃なので探してみたがまだ早かったようで発見出来なかった。もっと上まで上がれば群生しているはずなので途中まで登ったものの、なかなか着かず心挫けて撤退してきた。駐車場に到着した途端に雨脚が強くなってきた。下りてきて正解だったようである。


    こちらでも遭遇したアカハナワラビ。本日一番の大株である。


    アカハナワラビ。マクロレンズで撮影。

 本日は1日中アカハナワラビ三昧だった。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アカハナワラビ三昧 石空川渓谷   令和2年9月26日

2020年09月28日 | シダの仲間
 昨年の秋から調べているハナワラビの仲間であるが、フユノハナワラビだと思って今まで見てきたものはほとんどがオオハナワラビであったことが分かってきた。そして未だにフユノハナワラビは見ていないことが分かったが、アカハナワラビなるものが普通にあることも分かってきた。数ヶ所で見てきているが未だに胞子穂が出ている個体を見たことが無かった。数日前に仲間のブログを見ていたらそれらしき画像が載っていた。電話して場所を聞くと南アルプス山系の渓谷であることが分かった。場所的にアカハナワラビである可能性が高く、さっそく見に行ってみる。前日にも行ってみたのだが現地の駐車場に到着した途端に土砂降りの雨となり撤退してきた。本日もいつ雨が降ってもおかしく無い天候であるが、カッパを着て行ってみる。傘を探したが置き忘れてきてしまったようである。


    橋を渡って渓谷に入る。


    山の上は雲がかかって真っ白である。いつ雨が降って来てもおかしくない空だ。


    薄霧のかかる森の中を探索する。


    さっそく現れたアカハナワラビ。


    葉の辺縁は鋸歯状でオオハナワラビに似るが葉に白っぽいまだら模様が入る。


    胞子穂が出ている個体を発見。


    葉


    別のハナワラビも発見。


    胞子葉の枝分かれが少なく葉の切れ込みが少ない。ナガホナツノハナワラビと思われる。


    さらに別の場所を探索してみると、次々にアカハナワラビが現れた。


    並んで出ているアカハナワラビ


    広葉樹林のやや湿った林床を好んで生育している。


    3本並んでいる株にも出会えた。

 これだけたくさん生えているところを見ると、おそらくそれほど珍しいものでは無いのであろう。今まであまり気にして見ていなかったことが見かけなかった理由だと思われる。もう少し奥まで行って別の花も見てみたかったのだが、降り出したと思ったらあっという間に土砂降りの雨となり、急いで撤退してきた。アカハナワラビは存分に楽しむことが出来たが、葉の数に比べて胞子穂が出ている株は少ないことが分かった。


    小型のシロヨメナ

 今年は本物のフユノハナワラビを見てみたいと思っているが山梨県のどちら方面を探せば良いのか検討中である。御坂山系から南側は主にオオハナワラビ、南アルプス、昇仙峡あたりはアカハナワラビが主であることが分かってきた。まだ探索していない東のほうに行けばフユノハナワラビに出会えるのかどうか?これから探してみたい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする