山梨百名山から見る風景

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オニイノデとヒメカナワラビ 山梨県県南部のシダを再訪  令和2年2月9日

2020年02月10日 | シダの仲間
 前日も訪れている場所であるが、カメラを忘れてスマホでの撮影しか出来ていないためさっそく再訪して今度はまともな一眼レフカメラで撮影し直してきた。かつ、師匠にいろいろと解説はしていただいたものの、まだ消化し切れていない部分が多々あり、忘れないうちに復習を兼ねての再訪でもある。それでもなお、分からないことがたくさんである。記事に間違っている部分もあると思うのでそのつもりでご覧いただきたい。

 今回はEosRPというフルサイズのカメラを持ち込んで撮影した。しかし風が強くシダが揺れてしまって撮影には多大な時間を要し、撮影枚数も400枚という多量になった。まずは前日の観察会におけるメインテーマであったオニイノデとヒメカナワラビの違い、さらにはその交雑種であろうと言われているオオキヨズミシダについてである。


    これは前日見てきた典型的なオニイノデである。


    特徴的なのはこの鱗片が幅広くてたくさん着くところである。そしてもうひとつ、ソーラスが頂部付近から付き始めるという特徴があるが前日は確認できず。


    そしてこれが本日見てきたオニイノデと思われる個体である。


    幅の広い鱗片が付いている。場所が高くてソーラスは確認できず。


    別株。


    幅広い鱗片が付着しており、左上に一部見えるソーラスは葉の辺縁、かつ先端から付き始めている。オニイノデで間違い無いだろう。


    こちらがヒメカナワラビと思われる個体。


    オニイノデと比べるとややスリムで、葉の先端がすらりと細長く伸びている。


    ソーラスは中央部、ないし根元のほうから上に向かって付着している。


    鱗片は黒っぽくて細い。このソーラスの付着の仕方の違いと鱗片が細いことがオニイノデとの違いであろう。


    別株。ではこれはどうか?


    ソーラスが真ん中から辺縁に向かって付着している。これはヒメカナワラビであろう。葉先もすらりと伸びている。


    谷の岩壁に生えていたヒメカナワラビ。目が慣れてくると葉先の形で区別が出来るようになってきた。格好良くて美しいシダである。


    さて、もう1種類、これはオオキヨズミシダと思わしきシダである。


    全体的な形はヒメカナワラビに似ているが小羽片の先端部の尖り方がなんとなく緩い感じがする。


    ソーラスはヒメカナワラビと同様に真ん中下寄りから辺縁、および先端に向かって付着している。


    鱗片は黒っぽくて細いがヒメカナワラビよりもやや幅広く見え、付着している量が多い。


    もうひとつ、オオキヨズミシダと思わしきシダ。


    こちらは茶色から黒っぽい細めの鱗片が密集して付着している。


    ソーラスは全体の真ん中あたりに付着している。ソーラス配列はヒメカナワラビに似るが小羽片の尖りが少なく密接しており、全体的におとなしい印象を受ける。

 オニイノデとヒメカナワラビの区別はだいぶ分かってきた感じがするのだが、オオキヨズミシダに関してはまだ自信を持って判別出来るレベルには至っていない。確かにオニイノデとヒメカナワラビの中間的な形になるのであろうが、どこからどこまでが鱗片の幅が広いと判別するのか、見比べてみて相対的な判断になるので確定するにはもっと数を見る必要があるだろう。イノデは難しいので焦らずにじっくりとやって行きたいと思う。

    
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