山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

渓谷に咲くオオキツネノカミソリ 塔岩川  令和2年8月16日

2020年08月19日 | 渓谷
 本日も猛暑日になる予報で朝から暑い。町内会の行事を早朝に終えて近所の田んぼの草を見て自宅に戻り、エアコンの効いた部屋で一休みする。窓から外を見るとギンギンに暑そうである。散策に出かけるには勇気がいるような暑さだが、見たい花はたくさんあり、折角の休みを何もしないと後で後悔することになってしまう。水を多めに持って、そろそろ咲いているであろうオオキツネノカミソリを見に行ってみることにする。林道歩きが長くさらに渓谷道は崩落していて使えず自力で遡上することになる。バテるのは必至だが花は見たい。午後1時に林道ゲートを通り過ぎて探索に出発する。


    2種類のイタチシダが並んで生えている。左が葉の柔らかいリョウトウイタチシダ、右がオオイタチシダである。


    リョウトウイタチシダの鱗片は真っ黒でやや幅が広い。


    オオイタチシダの鱗片は細くて基部は袋状に白っぽくなっている。シダのことは何も分からなかった1年前とは大違いである。


    小型のイノデだが何イノデ?


    鱗片はやや幅広で密生


    中軸中央部の鱗片は毛のようになっている。ソーラスは見えず。おそらくは普通のイノデと思われる。


    ため池のような湿地に生えていたヘラオモダカ


    近付いて撮ろうかと思ったのだが泥沼に靴が沈んでしまい近付けず。


    渓谷を遡上して現れたオオキツネノカミソリはもう半分散っていた。


    もう1ヶ所の大株は満開の見頃だった。


    オオキツネノカミソリ。ジャストミート!暑いが見に来て良かった。


    角度を変えて撮影。


    キツネノカミソリよりも雄しべが長くて花がゴージャスに見える。


    この上にも葉があったのを昨年見ているが花は確認出来ていない。


    ここからが本番の沢登り。右手に見える丸太につかまって滝を登る。


    岩に付着していたフクロシダ


    ハクモウイノデ


    イワタバコはもう散っていた。


    本日最大の難関の滝。昨年は左側を強引に登ったが・・・今年は巻くことにした。この滝の周辺にあったはずだが、いくら探しても見つからず。


    さらに上流まで登ってみたが全く手応え無し。

 時刻は午後4時を過ぎ、ここまでで引き返すことにした。滝の近くに2ヶ所ほどあったはずのオオキツネノカミソリはどうやら崩落したか、あるいは台風で流されてしまったようである。昨年は滝を巻いたら増水していて下りられずに見つけられなかったが、今年も見つからないところをみると、昨年見に来た時にはもう無かったのかも知れない。別の場所で元気に咲いていることを願いたい。

 キツネノカミソリは山梨県絶滅危惧種Ⅱ類に登録されており、北杜市では数ヶ所で群生が見られるらしい。一方、このオオキツネノカミソリは登録されておらず、おそらく山梨県での存在自体があまり知られていないのではないかと思う。別の渓谷も調査に行ってみたいとは思っているのだがなかなか時間がとれない。ヘトヘトになって5時半に林道ゲートに到着した。
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