山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

月と木星・火星・土星が接近した夜明け 富士川町高下  令和2年3月19日

2020年03月19日 | 星空
 接近している火星・木星・土星にさらに細い月が接近するという天体現象が前日から3日間続く。特にこの日は木星と土星の間に月が挟まるという滅多にない天体現象が見られる日である。しかし細い月ではあるがまだ明るいため、普通に写真を撮るとどうしても他の3惑星が月に負けて暗く写ってしまう。そこで考えたのが、月の明かりを富士山で隠してやって、月の出初めの瞬間を狙おうという作戦である。しかしいくつか問題があって、朝霧高原からだと竜ヶ岳中腹まで登らないとあまり良い場所が確保できないこと、それと接近しているとはいえ木星と土星の距離はやや遠く、300㎜天体望遠レンズの視野だと収まり切れないということである。使うのは70-200㎜のレンズということになるがこのレンズの欠点はゴーストが出やすいということで、明るい月を撮るには不向きである。さて、上手く撮れますかどうか?

 カシミール3Dで再三シュミレーションして高下の西側が良さそうなので前日夜から車中泊して準備する。富士山頂に月が現れるのが未明3時37分、現地到着したのは深夜11時で、それからカメラ3台をセットして試し撮りする。準備が出来て寝たのは未明1時になってしまった。もしも目を覚まさなかった時のために1台はタイマーリモートコントローラーをセットして未明3時からインターバル撮影が開始するようにしておく。目覚まし時計で3時20分に目を覚ましたが、寝ぼけていて何故にこんなところで寝ているのか理解できず、富士山の上に昇っている木星を見て状況を思い出す。1台のカメラは既にシャッターを切り始めている。もう1台もインターバル撮影を開始、そして一番狙っている望遠画像は、富士山と木星・火星・土星の画角を考えつつ、手製の特殊フィルターの効果を確かめつつ月の出を待つ。


    前夜到着時の試し撮り。高下の町と甲府盆地の明かり。


    超広角レンズの画像。まだ木星と火星は昇って来ていないが、富士山の上に天の川が昇ってきている。右手に見えるのはさそり座。


    もう1台の広角レンズ画像。木星(左)と火星(左)が昇って来た。


    もうすぐ月が現れるはずだ。


    富士山頂に現れた月。天の川も綺麗に見える。









    望遠レンズの画像。全面装着型特殊フィルターの効果で明るい星は8方向の光芒を放つ。


    月が現れた。


    狙い通りに富士山頂で輝きを放つ月と火星・木星、左下に土星。地球照の月の部分が見えている。


    やはりゴーストが・・・ 木星の下の飛行機も邪魔だ。


    このゴーストが出てしまうことがこのレンズの難点である。

 狙っていた天体ショーはあっという間に終わりであるが、これから夜明けまでの空の色の移り変わりも素晴らしかった。ずっと見ていたかったがしかし・・・ほとんど寝ていなくてこのままの勤務は厳しく、撮影はカメラにお任せで2時間ほど仮眠する。


    月と火星・木星・土星


    薄明の空、天の川は消えて行く。


    月の輝き


    地球照の月

 天候に恵まれたおかげで富士山からの距離が遠い富士川町高下でもこれだけの月の輝きを見ることが出来た。欲を言うならば、もう少し月と惑星の距離が近ければフレアの出にくい天体望遠レンズが使えたであろう。またの機会にこの撮影に挑んでみたいと思う。





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