山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

トウゴクサバノオ(キンポウゲ科)

2020年09月21日 | キンポウゲ科
 山地の陰湿地に生える多年草で、花期は4月~5月初旬である。淡黄色~白色の小さな花を咲かせるが山梨県ではクリーム色のものを多く見かける。2018年版レッドデータブックの記述を見ると「神社社叢や噴火口内に生育」と記されているが、神社はいくつか巡ってみたが発見できていない。


    トウゴクサバノオ 令和2年4月 富士河口湖町で撮影


    同上


    同上 雑草のような小さな花


    同上 この場所では花はクリーム色をしている。


    同上 可愛らしくて綺麗な花である。


    令和2年4月 同じ場所で撮影


    同上 陽が射し込まないと花を開いてくれない。


    同上


    トウゴクサバノオの花

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トダイハハコ(キク科)

2020年09月21日 | キク科
 山地帯から亜高山帯の岩場に生育する多年草である。ヤハズハハコの石灰岩地に生育する変種で、全体に白い綿毛が密生し花の付き方が少ない。山梨県では鋸岳周辺の石灰岩地帯に生育する。個体数はあまり多く無い。


    トダイハハコ 平成18年9月 鋸岳で撮影


    同上 全体的に綿毛が密生して白く見え、花はあまりたくさん付かない。


    同上


    同上


    同上 トダイハハコと鋸岳


    令和2年8月 北杜市で撮影


    同上 標高は低いが石灰岩地帯なのでトダイハハコと思われる個体。


    同上 綿毛が密生し白く見える。


    同上 下に釜無川を望む。

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ヒメセンブリ(リンドウ科)

2020年09月20日 | リンドウ科
 高山帯の草地に生育する1年草ないしは2年草である。山梨県では北岳周辺に生育しており花期は8月下旬から9月である。個体数は少なく、山岳レインジャー調査で盗掘の報告も上がっている。


    ヒメセンブリ 平成30年9月 北岳で撮影


    同上 小さな薄青色の花


    同上


    同上


    ヒメセンブリの花。花弁に淡紫色の筋が入る。

 なかなか北岳に行くタイミングが合わず、撮影出来たのはこの時のみである。再写に行きたいと思っている。

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セツブンソウ(キンポウゲ科)

2020年09月20日 | キンポウゲ科
 落葉広葉樹林の林床や林縁に生育する多年草である。セツブンソウの名の如く節分の頃(2月~3月)に開花する。石灰岩地を好む植物とされているが山梨県での生育地は石灰岩地では無い。生育地は限られているが生育地での個体数は比較的多く、群生している。


    セツブンソウ群落 令和2年2月 市川三郷町で撮影


    同上 民家の裏山で保護されている生育地


    同上 例年たくさん咲いてくれてはいるが、少し減っているような印象を受ける。


    同上


    令和2年3月 御坂山系の渓谷で撮影


    同上 自生のものであるが誰かが保護のため囲ってくれている。


    同上


    セツブンソウの花

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山梨県の絶滅危惧のリンドウ科植物一覧

2020年09月20日 | リンドウ科
 2018年版山梨県レッドデータブックに登録されている絶滅危惧のラン科植物は以下の通りである。

山梨県絶滅危惧ⅠA類(CR)

 サンプクリンドウ(2005山梨県CR 2017環境省EN)
    

 アカイシリンドウ(2005山梨県CR 2017環境省EN)
    

 ヒメセンブリ(2005山梨県CR 2017環境省VU)
    

 ホソバツルリンドウ(2005山梨県CR 2017環境省VU)
    

 ミヤマアケボノソウ(2005山梨県CR 2017環境省-)
    


山梨県絶滅危惧ⅠB類(EN)

 ハルリンドウ(2005山梨県EN 2017環境省-)
    

 エゾリンドウ(2005山梨県EN 2017環境省-)

 ムラサキセンブリ(2005山梨県EN 2017環境省NT)
    


山梨県絶滅危惧Ⅱ類(VU)

 該当なし


山梨県準絶滅危惧種(NT)

 センブリ(2005山梨県NT 2017環境省-)
    


 大部分は見て廻って来たがエゾリンドウのようにかつての群生地から鹿の食害と環境の変化によって姿を消してしまったものがある。他の場所にあるのかどうか、今後の探索が必用である。

 ⇒山梨県の絶滅危惧の植物 ~科別分類~



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アズマイチゲ(キンポウゲ科)

2020年09月19日 | キンポウゲ科
 山地の林床や日当たりの良い土手などに咲く多年草である。花はキクザキイチゲに似るが葉は浅裂するのみで先端は丸い。群生することが多いが生育地での個体数はまちまちで、多いとは言えない。花期は3~4月。


    アズマイチゲイチゲ 平成30年4月 韮崎市で撮影


    同上 この場所は森林の伐採と林道工事によって個体数は減ってしまった。


    同上 アズマイチゲの花は天候と時間で開花が左右され、なかなかこのようには開いてくれない。


    同上 満開・全開のアズマイチゲ


    令和2年3月 北杜市で撮影


    同上 ミチノクフクジュソウと一緒に咲いていたが・・・


    訪問時間が遅く花は開いていなかった。

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キクザキイチゲ(キンポウゲ科)

2020年09月19日 | キンポウゲ科
 山地の林下に群生ないしは点々と生育する多年草である。葉は菊の葉のように羽状に裂ける。生育地での個体数はあまり多く無い。


    キクザキイチゲ 平成29年4月 長者ヶ岳で撮影


    同上 登山道脇の林床に小群落を形成して点々と咲く。


    同上 朝陽を浴びるキクザキイチゲ


    同上 並んで咲いたキクザキイチゲ


    時としてピンク色の花を見ることがある。


    平成25年4月 思親山で撮影


    同上 葉は菊の葉のように羽状に裂ける。


    同上 時として八重咲きの花を見ることがある。

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ミチノクフクジュソウ(キンポウゲ科)

2020年09月18日 | キンポウゲ科
 里山や山地の林縁、土手の草地などに生育する多年草である。山梨県では甲府盆地よりも北側に生育しており生育地での個体数はそこそこに多い。花弁の色はやや薄い黄色(クリーム色)で萼片の長さは花弁の長さより短く半分程度である。


    ミチノクフクジュソウ 令和2年3月 北杜市で撮影。まだ咲き始めたばかり。


    同上 萼片の長さは花弁より短く、半分程度の長さである。


    上記の10日後に再訪する。


    花弁の色はやや薄い黄色。


    満開ではあったが・・・


    訪問時間が遅く、陽が陰り始めて花は閉じてしまっていた。


    令和2年3月 再訪する。


    今度はアズマイチゲも咲いていたが・・・


    やはり訪問時間が遅く花は十分には開いていなかった。

 ミチノクフクジュソウもアズマイチゲも陽が陰り始めたり天候が悪かったりすると花を開いてくれない気難しい花である。天候の良いお昼頃に撮影に出かけてみたいと思っている。

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フクジュソウ(キンポウゲ科)

2020年09月18日 | キンポウゲ科
 広葉樹林の日当たりの良い林床や斜面沿いの草地、土手などに生育する多年草である。山梨県での分布域は甲府盆地よりも南側に限られている。生育地での個体数は比較的多い。花弁が濃い黄色であることと萼片の長さが花弁と同程度くらいに長いところがミチノクフクジュソウと異なる。


    フクジュソウ 平成31年2月 早川町で撮影


    同上


    同上 この場所は比較的個体数が多い。


    同上 フクジュソウ群落


    令和1年2月 同じ場所で撮影。訪問時期がやや早くまだ花数が少なかった。


    同上 側面から見るフクジュソウの花


    同上 花弁は濃い黄色で萼片(花弁の下に見える茶色い片)は花弁と同程度の長さがある。


    令和2年3月 御坂山系の渓谷で撮影したフクジュソウ


    同上 訪問時期が遅かったが個体数はそこそこにある。


    同上 側面から見るフクジュソウの花


    同上 萼片は花弁と同じくらいに長い。

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ミスミソウ(キンポウゲ科)

2020年09月18日 | キンポウゲ科
 山地の樹林下に生育する常緑性の多年草である。花期は2月下旬~3月で、数本の花茎を出して小さな白い花を咲かせる。山梨県での生育地は限られておりいずれの場所も地元の人たちが保護を行っている。


    ミスミソウ 平成28年3月 市川三郷町で撮影


    この場所は山梨県の自然記念物に指定されて保護されている。


    平成28年3月撮影 葉は浅く3裂し先端部はやや尖る。


    平成28年3月撮影。このような群落は年々見られなくなってしまっている。


    八重咲きのミスミソウの花


    平成31年2月 同じ場所で撮影


    同上 ミスミソウの花


    同上 時としてピンク色の花の個体を見ることがある。


    令和2年2月 別の場所で撮影


    同上 ミスミソウの花


    同上 良い個体でポジションも良かったが風で揺れてしまった。

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奥秩父山系のシダを巡る  令和2年9月16日

2020年09月18日 | シダの仲間
 昨年も歩いているコースではあるが何だか分からなかったシダがたくさんあるうえに見落としてきたものも多々あるようである。今回はシダの師匠にご案内をいただいて渓谷から稜線を巡り歩いてみる。特にヘビノネゴザときわめてよく似ているイワイヌワラビというシダの違いはどこなのか、勉強してきたいと思っている。


    今回はほとんど風景の写真は撮っておらず、撮ったのはこの滝のカットくらいである。昨年に比べるとだいぶ道が整備されていた。


    昨年歩いた時は枯れかけていてホソバナライシダだろうと思っていたシダは別物だった。


    似ているがこれはナンタイシダという同じオシダ科のシダ。ホソバナライシダよりも小型で裂片の先端の鋸歯が尖っており小羽片に鱗片が無いところが違う。


    包膜のある大き目のソーラスを裂片切れ込みの間に付ける。


    ヒメスギランは点々と生育している。


    稜線まであと少しのところで見たヒメスギラン


    別の渓谷沿いで見たヒメスギラン


    数は少なかったがオオクボシダにも出会った。


    アスヒカズラが少しだけあった。


    青木ヶ原樹海以外の場所では初めて出会うウサギシダ


    葉質の柔らかいウサギシダはこの季節にはもう痛んでいる。


    初めて見るコケシノブの仲間、ヒメコケシノブ


    全体的に小型で葉の先端部分に胞子嚢を付ける特徴がある。


    こちらが今回の課題だったシダ、イワイヌワラビ。ちょっと見ただけではヘビノネゴザとの区別が困難である。


    根元近くの鱗片はヘビノネゴザに比べるとやや細長く、真ん中に茶色い帯が入るが短い。


    最も違うのがこのソーラスである。ヘビノネゴザは楕円形か三日月型であるが、イワイヌワラビでは馬蹄形で大き目のソーラスが付着する。


    イワイヌワラビの群生。あまり数の多いシダでは無いのでこんな群生は珍しい。


    こちらが山頂に生えていたヘビノネゴザ。


    昨年訪問時にはほぼ枯れていて何だか分からず今年の課題になっていた。メシダの仲間だろうと思っていたが正体はヘビノネゴザだった。


    根元付近の鱗片。細長い鱗片の真ん中に明瞭なこげ茶色の帯が入る。イワイヌワラビではここまで明瞭では無い。


    これは初めて見るシダ、カラフトミヤマシダ。


    裂片先端部の切れ込みがミヤマシダよりも深い。もともとはこれよりも2~3倍大きくなるシダだそうだが、鹿の食害で大きくならないらしい。

 本格的にシダを見るようになってから1年が過ぎた。昨年12月に師匠に初めてシダをご案内していただいた頃には会話に付いて行けなかったが、やっと言っていることが分かるようになりまともな会話が出来るようになってきた。進歩したものだと自己満足している。それにしても、まだまだ分からないものばかりだし、聞いたことの無いシダも出てくれば同定できないシダもたくさんある。まだまだ先は長いのである。下山後も車で移動して初めて見るシダをいくつか案内していただいた。


    見てみたいと思っていたメニッコウシダは意外な近場にゴッソリと生えていた。パッと見た感じではイワハリガネワラビに良く似ている。


    裏側のソーラス配列も似ている。違いは羽片の付け根近くの小羽片がほとんど小さくならずほぼ平行に伸びることであろう。


    ソーラスには包膜が無いようである。


    こげ茶色のやや幅広の鱗片が付着。このシダはまだ自信を持って判別は出来ず。ニッコウシダを含めて近似種をもっと見てくる必要がある。


    ゴソゴソとたくさん茂っているこのシダ、一見珍しいものには見えないのだが・・・


    ヤマヒメワラビという絶滅危惧のシダである。


    包膜の無い大きいソーラスが裂片のやや中央寄りに付着。その大きなソーラスがこのシダの特徴である。


    本来はこの2倍くらいの大きさになるようであるが今年は状態が悪いらしい。さらに、こんなに固まって茂ることはあまり無いようである。


    驚いたのがこのシダ、タチヒメワラビ。今年は状態が悪く例年の半分以下の大きさ、かつソーラスが付着していない。


    羽片の付け根の部分の小羽片が大きいのが特徴である。何を驚いたかというと、これは先日の石割山で見てきたものとそっくりである。

 石割山の山腹にあるシダをタチヒメワラビだろうと思って見に行ってきたが個体が小さく、近くに生えていたヒメシダの栄養葉だろうと思っていた。しかし今回見せていただいたタチヒメワラビを見る限りではおそらくは同じものである。ソーラスが付かないと確信は持てないが、石割山のものもタチヒメワラビである可能性が高くなった。季節を改めて確認に行ってみたいと思う。


    さらにこんなものまで案内していただいた。


    先端部に無性芽が付いている。イナツルデンダというとんでもない代物のシダ。

 師匠にシダを案内していただくと、とにかく驚くことばかりである。今回は見てはいけないシダまで見てしまったような気がする。さらにグレードアップ出来るように勉強しなければならないとつくづく感じた。



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ウサギシダ(ナヨシダ科)

2020年09月17日 | シダ類
 山地から亜高山帯の林下に生育する夏緑生のシダである。葉は3回羽状複葉で、全体的に5角形に近い形を呈する。葉質は薄くて柔らかく傷み易く、胞子嚢群は裂片の辺縁寄りに付く。葉柄は細くて長く、無毛であるが基部に薄く鱗片をつける。富士山の青木ヶ原樹海の中に生育するものは下から2番目の羽片に葉柄を持ちアオキガハラウサギシダとされていたが、本種に含まれることになった。山梨県では奥秩父、南アルプス、富士山で生育が確認されているが個体数はあまり多く無い。

 2018年山梨県絶滅危惧ⅠB類(EN)  2017年環境省なし


    ウサギシダ(アオキガハラウサギシダ) 令和2年5月 富士山麓で撮影


    同上 風穴の入り口に生育していた個体。


    同上 葉質は柔らかく傷み易い。


    令和2年7月 同じ場所で撮影


    同上 青々とした葉が茂っている季節であるが既に痛んでいるものが多い。ソーラスはまだ出現していなかった。


    令和1年10月 同じ場所で撮影。10月になると枯れ始める。


    同上


    同上 ソーラスは裂片のやや辺縁寄りに付着する。


    令和2年9月 瑞牆山で撮影 富士山麓以外の場所で初めて見たウサギシダ


    同上 柔らかくて傷みやすい葉は既に千切れていた。


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キタダケソウ(キンポウゲ科)

2020年09月17日 | キンポウゲ科
 北岳の砂礫地の草地に生育する北岳に特産する多年草である。6月中旬から7月初旬の雪解けの頃に最初に咲き出すのがこの花で、舞茸のように葉は細かく切れ込むのが特徴である。個体数は比較的多い。


    キタダケソウと残雪の間ノ岳 平成19年6月 北岳で撮影


    同上


    キタダケソウ 平成19年6月 北岳で撮影。雪が解けたばかりの早い時期に咲き始める。


    同上 花はチョウノスケソウに似ているが、葉が舞茸のように細かく切れ込むのが特徴である。


    キタダケソウが群生する斜面 平成19年6月 北岳で撮影。大部分が石灰岩を含む砂礫地である。


    平成22年7月 北岳で撮影


    同上 個体数はあまり変わっていないように見えるが、ハクサンイチゲやイワベンケイなどが混じっている。

 地球温暖化の影響で開花時期が早くなっていることと、ハクサンイチゲやイワベンケイなどが早い時期から同じ場所で咲くようになってきており、植生の変化が見られるようになってきている。今後の変化を注視する必要がある。

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 ⇒山梨県の希少野生動植物種と指定種・特定種について

 ⇒山梨県の絶滅危惧の植物 ~科別分類~

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テバコワラビ(メシダ科)

2020年09月17日 | シダ類
 標高の高い山地の林内でやや湿り気の多い場所に生育する夏緑性のシダである。葉は長さ80 ~ 150㎝になり無毛、葉柄は淡褐色で光沢があり、基部に薄く鱗片をつける。葉身は柔らかい草質、広卵形、3 ~ 4 回羽状複葉。胞子嚢群は小さく、ほぼ円形で裂片のやや中肋近くにつく。柔らかな葉は鹿の食害を受けており個体数は減少している。山梨県では限局的に数か所の生育があるのみである。

 2018年山梨県絶滅危惧ⅠA類(CR) 2017年環境省絶滅危惧Ⅱ類(VU)


    テバコワラビ 令和2年7月 南アルプスで撮影


    同上 葉質は柔らかい。


    同上 鱗片は薄い。


    令和2年9月 同じ場所で撮影。


    同上 ソーラスは葉の下側、中軸寄りから付ける。


    ソーラスは裂片のやや中肋寄りに付ける。


    令和2年9月 別の場所で撮影


    同上 沢沿いに生育していたテバコワラビ

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イワヘゴ(オシダ科)

2020年09月16日 | シダ類
 山地の林内で沢の水が流れるような場所に生育する常緑性のシダである。葉の長さは40~80㎝になる。葉身は1回羽状複葉で上部は急に尖り基部はやや狭まる。葉柄と葉軸に真っ黒な鱗片が密生するのが特徴である。胞子嚢群は辺縁を除いた部分に散在する。山梨県では主に県南部に生育し、分布限界種である。個体数は少ない。

 2018年山梨県絶滅危惧ⅠA類(CR)  2017年環境省なし


    イワヘゴ 令和2年2月 身延町で撮影


    同上 かつてのワサビ田の脇に生育していた個体。


    同上


    同上 ソーラスは中軸から辺縁に向かって不規則に付着する。


    令和2年11月 身延町で撮影


    同上 用水路の近傍に生えたイワヘゴ


    辺縁を除いた部分に付着するソーラス。密生する真っ黒な鱗片が特徴的。


    基部に密生する鱗片

 生育地も個体数も少ない。

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