昨日、福島原発事故のレベルが急にレベル7と発表されました。
多くの人はこれを誤解して、また多量の放射性物質が昨日、放出されたと勘違いしました。
それは全くの誤解です。福島原発の炉心は真水の注入で安定していて、飛散される放射性物質も減少していると考えられます。
それが証拠には東北地方全域の放射線強さが、下に示すように、間違い無く減少しているのです。ですから福島原発事故は大局的には収束の方向へ向かっているのです。
しかし放射能で汚染された水が海に流れ出ています。これを止める作業をしていますので、汚染水の海への流出もいずれは止まるでしょう。
文部科学省による各地の空気の放射能強さの測定値の4月1日と2日と3日と4日と5日、そして6日後の12日の測定値を比較してみます。放射線の強さの単位はマイクロ・シーベルト/hour です。数値は午後4時から5時にかけての測定値です。
青森市0.026:0.027:0.027:0.026:0.026: 0.026
盛岡市0.028:0.025:0.025:0.025:0.025: 0.024
仙台市0.093:0.085:0.080:0.077:0.081: 0.080
福島市2.80:2.53:2.34:2.32:2.34(3月18日は5.7でした): 1.96
いわき市0.62:0.60:0.55:0.55:0.50: 0.35
山形市0.063:0.0.061:0.061:0.060:0.060: 0.053
宇都宮市0.092:0.086:0.084:0.082:0.080: 0.070
水戸市0.195:0.0.180:0.175:0.169:0.163: 0.142
さいたま市0.080:0.075:0.073:0.071:0.070: 0.061
東京・新宿0.101:0.094:0.091:0.089:0・089: 0.077
千葉・市原市0.075:0.067:0.065:0.063:0.061: 0・045
長野市0.049:0.044:0.044:0.043:0.043: 0.042
静岡市0.042:0.045:0.039:0.038:0.036: 0.038
などとなっています。
以上の13箇所の5日間の測定値は間違いなく減少しています。ですから陸上はもうこれ以上悪い方向にはならない可能性が大きいのです。これは大変喜ばしい現象です。
以上の空中放射線強さの減少を裏付けするように、セシウム137降下量は3月20日が最大で、その後減少している図面が発表されています。4月6日の読売新聞29ページ目のひたちなか市と東京、新宿のセシウム137の降下量の毎日の変化を示す図面です。ひたちなか市と新宿区の降下量は3月20日と21日がそれぞれ最大になっています。降下量はその後急速に減少しています。しかし3月30日頃に小さな山が見られ、4月1日以後は両地点ともほぼゼロになっています。
福島原発は目下大きな海洋汚染を起こしています。炉心からの強い汚染水の海への流れ出しを急いで止める作業を進めなければいけません。しかし漏れている場所が判明していないので困難な戦いが長期間続く事になりそうです。しかしそれも根気よく一歩一歩進めているので時間はかかりますが収束する方向へ向かっています。
昨日のレベル7の発表で、何か急に悪い事が起きたと誤解しないようにして下さい。そうではなく今までの原子力安全・保安院の評価が間違っていただけです。悪い事は3月12日からの水素爆発や火災発生の時に起きてしまっていたのです。昨日は別に変わった事は起きていません。誤解を防ぐために敢えて記事を書きました。
ご参考になれば幸せです。(終り)