以下はPOOさんという方が趣味人倶楽部の日記に書かれていた日記です。
「てんかん」という病気に対する理解を深め、気楽にその事を話せる社会になるようにと祈りながら掲載いたします。職場の人々が「てんかん」の事を正しく知っていると事故が未然に防げる場合も多いと思います。
転載にあたってはPOOさん、ご本人の許可を頂きました。
=====POOさの日記より=============
数日前に、クレーン車が小学生児童の列に突っ込むという痛ましい事故がありました。
まだ将来のあるあどけない子供が亡くなるのは見るにしのびません。
運転手は捕まりました。「居眠りをしていた」との最初の報道で、責任のなさに憤りを感じました。今日、運転手の家宅捜索があったとの報道。事故にしては家宅捜索はおかしいと思っていると、「運転手には持病があり、薬物などの経歴なども調査しています」
ますます???になる。まず病名を言わない。薬物依存、それも麻薬などの違法薬物ならばもっと大げさに騒ぐはず。妙に淡々とした報道だ(もちろんそれが当り前なのだが)
新聞報道で納得した。運転手はてんかんの病歴を持っており、事故時に発作の可能性が高いという。だから、薬歴などを調べるために家宅捜索を行ったのだろう。それも静かに。
なぜ静かか。「てんかん」だからだ。
だから、テレビ放送では単に「持病」と言ったのだ。
私は学生時代に発作を起こしてから、20年以上てんかんとの付き合いだ。発作こそ起こさないものの、精神症状の安定のために服薬は欠かせない。
だから知っている。「てんかん」という病名のデリケートな扱いを。
日本てんかん協会という団体がある。てんかんという病気の啓蒙、支援を行っている法人である。
筒井康隆氏の小説に対してイチャモンをつけ、氏が断筆宣言を行って抗議したのはもう15、6年以上前になるのか(詳しくはウィキペディア)
あれ以来、てんかんは「差別用語」であり、アンタッチャブルな扱いになってしまった。
困ってしまっているのは病気を持っている当人である。
法整備もされ、精神障害扱いにもしてくれたが、世間一般、まず精神障害が解らず、ましててんかんとなると「ああ、そうなの・・・」とどうしていいかわからない表情になる。
てんかんとはっきりマスメディア(特にテレビ)で出しにくいから認知度はますます低くなり、いまだに
「発作起こしたら、泡吹いたりするんでしょ?救急車呼べば大丈夫だよね?それとも、口に舌をかまないようにしたほうがいい?」
と言われる時があります。すべて間違ってますから。
運転免許も以前はダメでしたが、今はOKです。なので、今回の事故には参ってます。
実際、私も万が一を考え大型車両は運転を控えています。どうしても地理上の事情で公共の乗り物が少ないので、万全を配して自動車運転をしています。通勤にも使っています。
でも、今回の事故でどうなるか。最悪、現在の職業である介護には就けないかもしれません。
ただでさえ職業枠は少ないのに(一応、発作を考慮して溶接、高所作業はしません)
もう少しオープンに病状の安全、職業、服薬他を議論していただき、世間一般に認知してほしいのですが、どうにもならないようです。
「私はてんかんの病歴がありますのでよろしく」と大勢の人々の面前で軽く自己紹介できる日はいつなのか、気になるところです。
===============================